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インフィニット・ストラトス ~五年後のお話~

作者:リクヤ
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学園生活
  第六話 クラス代表! 後編

第二アリーナ


日曜日の朝十時。他の生徒は部活や買い物を楽しんでいる時間だろう。
それなのに一組の生徒は全員観客席にいる。

そんなにクラス代表が誰になるか知りたいのかね?


「西条、アルバレルト、準備はいいか?」

「うい。いつでも大丈夫でーす」

ちなみに俺のISは藍の色をしている。
モチーフは龍になっていて自分でもカッコイイと思う。
こらそこ、龍とか単純~とか言わない。


「大丈夫です。始められます」

対してアルバレルトの『白銀』は白を主体とした侍の形をしている。
色以外はほとんど『打鉄』と同じである。



「よし、じゃあ俺が手を下ろしたらスタートな」

織斑先生が手を上げる。


グラウンドには白の侍と藍の龍が一定距離はなれたところで開始を待つ。

観客席のクラスメイト達も静かになり、しんとした空気が流れる。






「・・・・始め!!」





先生の掛け声とともにクラス代表決定戦が始まった。


まずはお互いに武器をコールせず上昇し相手の様子を伺う。



ちなみに俺のISのスペックは『白銀』に合わせて抑えてある。
さすがに専用機と量産機じゃスペックが違いすぎて不公平だからね。
フェアじゃないのは好きじゃない。


まあ武器は俺自作の奴を使ってるけどね。


「アルバレルト。別に俺はそんなにクラス代表になりたいわけじゃないけど勝負には負けるわけにはいかんのでね。手加減できねえぜ?」

「そんなもの必要ありません。本気のあなたを倒します」

そう言いながら近接ブレードである『時雨』をコールし、かまえる。

「では、行きます!!」

アルバレルトは加速しこちらへ突っ込んで来た。

「おお!来い!」

俺も自作の武器である『(ドラゴン)(ファング)』を呼び出す。


『龍の牙』とは俺がアメリカにいたときに作った武器である。
見た目は三角形と円を合体させた感じ。
作ったときは普通の剣のつもりだったけど色々な武器を加えていったら全距離対応の便利なものとなっていた。



振り下ろされた『時雨』を円形の部分で受け止める。

「見たことのない武器ですね」

「自作なもんでね。どうだい、カッコイイだろ?」

「軽口たたいてると舌噛みますよ」

『時雨』をしまい槍である『春雨』をコールし、突きを出す。

「うお!!」

攻撃は防いだが槍に突かれたので大きく距離が離れる。

「ならば!!」

俺は『龍の牙』の先端をアルバレルトに向ける。
するとアルバレルトがダメージを受けた。

「っ!!見えない攻撃・・・衝撃砲ですか・・・」

「その通り!!よく気付いたな!」


『龍の牙』の尖がっている部分にはかなり薄い隙間がある。
そしてそこからは衝撃砲が撃てるようになっているのだ。


「それだと離れていては不利ですね」

そう言ってアルバレルトは『時雨』に持ち替えて急接近してくる。

「甘いね!!」

俺は盾を構えるような形でアルバレルトに突っ込む。
先ほどと同じように二人がぶつかる。

「そしてこれ!!」

「!!」

『龍の牙』の盾の部分の中心から槍が出て『時雨』を真ん中で折った。

「これはシールドピアス・・・!!」

即座に『時雨』を手放し『春雨』を呼び出し少し距離を離す。

「まったく・・・衝撃砲にシールドピアス、本当に厄介ですね。その武器」

『龍の牙』には様々な国の武器が搭載されている。
攻撃を予測するのは最初では不可能だろう。

「降参するかい?」

「まさか!」

先ほどよりは少し離れた間合いから槍を連続で繰り出す。
反撃を繰り出せない丁度いい距離をとっている。


先ほどの突きや咄嗟に槍に持ち替えたのを見る限りアルバレイトは武器の使い方では一流だろう。


こいつのために作った武器を持たせたら凄いことになりそうだ。



「でもただの武器には負けられないのでね!!」


俺は『龍の牙』を二つに分ける。

「何!?」



『龍の牙』は元は二つの武器なのだ。
三角の部分と円形の部分。
  剣  と  盾  。
分離してこそが本領だと言えるだろう。



「それ!!」

槍を剣で横にはじき、接近する。
そしてそのまま剣で一文字に斬る。

「うっ!!」

衝撃でアルバレルトが後ろに離れる。
そこで俺は衝撃砲で追い討ちをかける。

「これでどうだ!!」


アルバレルトは地面にたたきつけられる。
そのとき『春雨』も離れたところにいってしまった。



アルバレルトに残っているのはもう盾しかない。
勝負は決まっただろう。




「まだ・・・・・ですよ・・・!!」




「!! あれだけ攻撃受けてまだ立ち上がれるか・・・」

武器もないこの状態で逆転は不可能だろう。

そんな状態でもアルバレルトの目は諦めてない。
立ち上がり盾をコールしこちらに向かって飛んで来る。

「体当たりでもするつもりか?」

来たら避けてその時斬って終わりにしよう。


二人のISが交差し、剣が相手を斬りつける。




「・・・・何?」






しかし、斬ったのは俺ではない。






アルバレルトである。


アルバレルトは盾を構えて突っ込んでくる途中、盾を持っていない手である物を拾っていたのだ。



それはシールドピアスによって折られた刀、である。

アルバレストが投げ捨てて、輝龍が落ちていても武器と判断しなかった物。
それを使い、斬りつけたのだ。

「・・・まさか折れた刀を使うとわね」

やはりアルバレルトは武器を使う才能があるようだ。


「一矢報いましたかね・・・」



さっきまでの戦いでかなりダメージを受けていたのだろう。
どうやら最後のブーストでアルバレルトのエネルギーは尽きたらしい。





『勝者―――西条 輝龍―――』




こうして俺の勝利でクラス代表戦は終了した。



 
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