DQ3 そして現実へ…~もう一人の転生者(別視点)
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みんな真面目に転職中…一部ラブラブ
ムカつく事に寝不足です。
こっちの世界へ来てからは、お母様と一緒に寝ていたのですが、昨晩からお兄様と一緒になりました。
別にお兄様と寝る事自体、問題は無いのです!
だってヘタレだから、私の事襲わないし…
今更、私の事襲うぐらいだったら、疾うの昔にリュリュお姉様を孕ませてたでしょうから…
問題は、私の両親の事なんですよ!
勿論、お父様とお母様は夫婦なのですから、夫婦な事をしても良いんですけど…
お母様、溜まってらしたのね…
安普請の宿屋では、防ぐ事が不可能なほどの激しさなのです!
騒音問題もですが、もっと最悪なのはお兄様のです!
優しいお兄様は、私の耳を手で塞いでくれるのですが、必然的に身体が密着されます。
その際に当たるんですよ…お兄様のが…あの騒音で、堅くなっちゃった…お兄様のが…
あぁ…5年前なら、落ち着かせるのを手伝ったのに…
「うるっさいんだよアンタ等!!」
翌朝、ダーマ神殿の食堂でイチャつく両親にぶつけた、お兄様の第一声です!
「神聖な神殿で、明け方まで盛(さか)りやがって!」
一目で分かるぐらい、お母様の機嫌が良いのです。
「しょうがないじゃん!夫婦なんだから…こうやって君は産まれたんだよ?」
「うっさいよ!久しぶりの再会だし、1.2時間くらいなら我慢もするさ!だが一晩中って何だよ!馬鹿なんじゃないのかアンタ達!」
「親に対して『アンタ』って…酷くないッスかビアンカ姉さん!?」
「そうねぇ…育て方間違えちゃったかしら…?」
いえ違います。
間違っているのは貴方達ですから!
皆さんが転職を行っている間、私はお兄様に手を握られアルル様達と共に、転職者達を眺めております。
お父様とお母様はと言いますれば…
少し離れた壁際に座り、イチャイチャ・ベタベタしておりますの!
離れていて何を言ってるのかは分かりませんが、私なりにお母様の台詞にアテレコしちゃいますと…『ダーリン、ウチ寂しかったっちゃ!』ってな感じかしら?
もし一般の平凡カップルが、イチャイチャ・エロエロしていたら、目障りでむかっ腹が立ちますが、あの二人に関しては全く腹が立ちません。
正直、本当にお似合いなんですよ!
絶世の美男・美女…素直に羨ましいと思います。
「これで俺は盗賊とはおさらばだ!真っ当に生きる第1歩だぜ!」
暫くすると、カンダタが転職を終わらせ戻ってきました。
「おめでとうカンダタ…でも、待たされた割には、あっけなく転職出来るんだね?」
そうなんですよ…神殿と言われたますけど、何だかお役所みたいな所なんですね。
「リュカの旦那は?…報告しておきたいんだが…」
図体に似合わず結構律儀なんですね…
「あっちでイチャついてる…」
カンダタの言葉を受け、指差す方向にはお父様とお母様が…
「お父様とお母様はラブラブなんですよぉ!素敵ですぅ!!」
「ティミーさんも大変ですね…」
「ありがとうアルル…それと僕の事はティミーで良いよ。『さん』付けはいらない。………しかしこの数ヶ月、父さんが迷惑をかけた様で…本当にごめんね…」
「い、いえ…」
お兄様とアルル様が揃って溜息…羨ましいの?それとも呆れているの?
「ビアンカさんて…何時もああなんなんですか?」
「………さすがに母さんはまともな人なんだけど…この数ヶ月、父さんと逢えなかったのが寂しかったんだろうね…その反動で………普段はまともなんだよ!父さんと違って!!」
そうこうしていると、もう一人が転職を終えて私達の元に…
「お待たせしました。無事、武闘家になる事が出来ました!皆さんのお役に立てるよう頑張りますので、これからもよろしくお願いします!」
「お疲れハツキ…期待してるわよ!」
ワザワザ僧侶から武闘家への転職です…
私がプレイしているのならば、そんな中途半端な事は認めませんけどね。
「しかし何で誰も注意しないんですかね?幾ら何でも神官が神殿内では慎む様言いそうですけど…」
お父様とお母様を見て、ハツキ様がむくれながら呟く。
この娘も、お父様に惚れてるのね…
「…みんな…怖いんだよ…」
「………怖い?何がです?」
「母さんの事が怖いんだよ…」
「はぁ?何言うてんの?ビアンカさんの何処が怖いねん」
エコナ様は知らないのよ…不機嫌だった時のお母様の事を…
「…あそこの壁を見てごらん…」
お兄様がお父様とお母様のイチャついている所と反対側の壁を指差す。
「何か…真っ黒に焦げてるなぁ…」
カンダタの疑問に、お兄様が申し訳なさそうに話す。
「あれ…母さんがやったんだ…」
「はぁ?どうしてビアンカさんは、ダーマ神殿を燃やそうとしたの!?」
「いや違うんだ…聞いてくれアルル!別にダーマ神殿を燃やそうとしたんじゃないんだ!この世界…まぁ、僕等からしたら異世界へ着いて早々に、母さんはナンパされたんだ…僕達はこのダーマ神殿の裏手に落ち、情報収集の為に色んな人々に話を聞いてたんだけど…母さんに寄ってくるのは、盛りの付いたオスばかりで…碌な情報を提供しないクセに、しつこく口説いてくるから…その…イラついたらしくて…メラミを…」
「メ、メラミでナンパ野郎を黒こげにしちゃったんですか!?」
「してないよ!誰も傷つけてないよ!誰も居ない壁に威嚇として放ったんだ!あの焦げ跡はその時のなんだ!」
「はぁ…そんな事が…それで皆さん、恐れてるんですか…」
「それにしても、メラミであんなでかい焦げ跡が出来るのか?メラゾーマじゃないのか?」
それだけお母様は凄いんです!
「メラゾーマだったら、この神殿は廃墟になってるよ…母さんの魔法力は桁違いなんだ…」
「お、怒ると怖いのは…夫婦そっくりなんですね…」
「ははははは………」
私…お父様が怒った所、見た事無いなぁ…想像出来ないし。
「なぁティミー、アルル……………ちょっとムラムラしてきたから、1時間程宿屋へ行ってくるよ!」
いきなりお父様が近付き、突飛な事を言い出した!
やっぱりバカだ、コイツ!
「はぁ!?何馬鹿な事を言い出すんです!もうちょっとでウルフ君も合流しますよ!」
「そうですよリュカさん!みんなが揃ったら、イシスに向けて出発するんですから…無意味に宿を取らないで下さい!」
「だからさ、ウルフが合流するまでの間で良いからさ…チャチャっと済ますから…」
チャチャっと済ますとか、そう言う問題じゃ無いだろうが!
「皆さんお待たせしました!賢者ウルフの誕生です!」
ほら、ウルフ様も戻って来ちゃったし…諦めなさいよね!
「なんだよぉ…空気読めよぉ…使えないなぁウルフは!もう一回並んでこいよ!」
ちょ、酷すぎ…ウルフ様、泣きそうになってるじゃないのよ!
………でも、そんな顔も可愛いわね、この子…
「ごめんねウルフ君。この男は常人とは違う思考回路で生きているから、気にしてはダメだ!…そんな事よりおめでとう!君なら偉大な賢者として、この世界を平和に導けるよ!」
「えぇ!ウルフには期待しているわよ!ハツキが武闘家になった今、回復面でもウルフは重要な存在になるんだから!」
「あ、ありがとう…ティミーさん…アルル…」
あぁ…チョー可愛いー!
チャンス造って喰べちゃお、この子!
うふふふふ………待ってなさい、おねーさんが大人にしてあげるから!
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