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勿忘草-ワスレナグサ-

作者:樫吾春樹
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星の巡り
  桜告げる季節

 桜の花びらが舞い散る季節。その花びらのように多くの依頼が、今日も彼女の元に届く。それは万屋「春」の管理人である、式川春。またの名を「透明探偵」彼女の正体を知る者は、ごく僅かだ。きっと今もどこかで、届いた依頼をこなしているのだろう。
 春。新学期になり、三学年へと進級した五人の美術部員。男子が四人いる中に、一人だけ女子が混ざってる。左から、去年入った部員の高畠翼(タカバタケツバサ)。一年生から所属している藤森拓真(フジモリタクマ)今村結城(イマムラユウキ)山口宏(ヤマグコウ)。そして、部長の柏木玲(カシワギレイ)。どこにでもいるような、高校生だ。
 だが何気ない風景に、秘密があるのかもしれない。もしかしたら、透明探偵はすぐそばにいるのかも。そう、例えば。
 桜吹雪の向こうに。 
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