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レーヴァティン

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第百七十一話 見破った伏兵その六

「慰安婦にしても強制連行にしても」
「既に欺瞞がはっきりしているな」
「それであくまでわからないのは」
「どうかしているな」
「はい、学者ならです」
「学んでか」
「間違いに気付く筈であります」
 そうなるというのだ。
「普通に考えて」
「そうだな、俺もだ」
「慰安婦も強制連行もでありますな」
「普通におかしいと思った」
「聞いた時点で」
「そうだった、慰安婦は当時公娼制度があった」
 赤線である、なくなったのは昭和三十年代のことだ。
「それで何故性病を持っているかも知れない素人を軍が誘拐してまでだ」
「娼婦を用意する必要があったか」
「それはだ」
「ないでありますな」
「そうだ、絶対にだ」
 群が慰安婦を強制的に集めた様なことはというのだ。
「なかった」
「そうでありますな」
「慰安婦はいたが」
 それでもというのだ。
「強制的に集めたことはな」
「なかったであります」
「そうだった」
 まさにというのだ。
「絶対にな」
「公娼の人から募集して集めていました」
「そうだった」
 勿論性病の検査もしたうえでだ。
「事実はな。そして強制連行もな」
「それもでありますな」
「当時あの半島は日本だった」
 日韓併合によりそうなった。
「つまりそこにいる人間もだ」
「日本人だったであります」
「日本人を徴用したならな」
 それならというのだ。
「問題はない」
「法的に」
「強制連行の定義が成り立つにはだ」
 英雄はさらに言った。
「日韓併合が無効だった」
「その前提が必要になるであります」
「しかしだ」
「そうはならないであります」
「そう主張する者もいるが」
 だから当時韓国という国はまだあり日本が韓国に当時為してきたことに法的根拠はないというのである。
「併合は首相が署名してだ」
「国王がしていない」
「そして銃を突きつけられてのな」
「強制だったと言われているであります」
「しかしだ」
 その主張はというのだ。
「絶対にだ」
「通らないであります」
「銃を突き付けて、強制で結ばれた条約は無効になったのは戦後だ」
「当時はそれでも合法でありました」
「周りを兵に囲まれたうえで結んでもな」
 それでもというのだ。
「そして首相の署名があるのならな」
「国王でなくとも」
「もう言い逃れは出来ない」
 首相という立場から見ればだ。
「そうなる」
「だから強制連行にしても」
「話自体が成り立たない」
 そうなるというのだ。
「そしてそれを言うとな」
「慰安婦もであります」
「そうなる、そして若しもだ」
 英雄はさらに言った。
「慰安婦や強制連行が実際にあったならだ」
「一部で言われている様な」
「軍が関与したなら尚更だ」
 それも悪質な業者を取り締まるのではなく軍が自ら拉致や連行を行う様な行為を働いたならというのだ。
「当時軍に多くいた半島出身の将校が騒いでいた」
「それは確実でありますな」
 峰夫もその通りだと言う。 
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