ドリトル先生の野球
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第十二幕その十
「僕は幸せだよ」
「そうだね」
「ファンとしてはね」
「僕達もそのお話を聞けてよかったし」
「先生の気持ちよくわかるよ」
「本当にね」
「ただね」
ここで皆言うのでした、先生に。
「そこでどうなの?」
「先生としては」
「今日は幸せと言ったけれど」
「日笠さんとはどうなの?」
「一体全体」
「うん、楽しく色々な場所を巡れてね」
先生は皆に素直にお話しました、何も隠さずに。
「お話も出来てね」
「楽しい時間を過ごせたね」
「素敵な」
「そうなのね」
「本当にね。日笠さんもいつもにこにことしていたし」
先生は日笠さんのお話もしました。
「楽しんでくれたみたいで何よりだよ」
「まあ今はね」
「ここでベストだね」
「ベストとすべきね」
「先生が日笠さんと楽しい時間を過ごした」
「そして日笠さんもそう出来てね」
「それでベストだね」
まさにというのです。
「本当にね」
「それでよしだね」
「先生はね」
「あくまで今は」
「ここで満足しましょう」
「僕達はいなかったけれど」
「日笠さんもしっかりした人でし」
皆も日笠さんのお話をします。
「それならね」
「問題ないから」
「後は日笠さんの努力で頑張ってもらって」
「進めていってもらいましょう」
「サラさんもいてくれてるしね」
「皆全力で日笠さん応援してるね」
先生はこのことはわかりました。
「本当に」
「するよ、それは」
今日も先生のお家に遊びに来ている王子が答えました。
「僕達にしてみればね」
「いつもだね」
「そう、本当に応援しているから」
「それはどうしてかな」
「日笠さんの幸せの為で」
王子はさらにお話しました。
「先生の幸せの為だよ」
「僕の為でもあるんだね」
「そうだよ、本当に頑張って欲しいよ」
王子は心から言いました。
「本当にね」
「そうだよね」
「絶対にね」
「日笠さんには頑張って欲しいわ」
「何かとね」
動物の皆も言います、そしてです。
トミーはここでこうも言いました。
「じゃあ先生また日笠さんにです」
「僕からだね」
「お誘いかけて下さいね」
「うん、サラも言うしね」
「はい、あの人も頑張っていますから」
あのキャッチャーの人もというのです。
「それで、です」
「僕もだね」
「日笠さんに声をかけていって下さいね」
「そうさせてもらうよ」
先生はこう応えはしました、ですが先生が今以上に幸せになるのはまだ先のことなのでした。
そしてその野球選手は阪神に入団して。
一年目から活躍して攻守共に阪神の主力選手となってでした、そのうえで。
最後は名球会に入るまでの人になりました、全ては先生が見込んだ通りの人でした。
ドリトル先生の野球 完
2020・1・11
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