ドリトル先生の野球
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第十二幕その九
「今度ね」
「日笠さんとだね」
「行ってきてね」
「その頃にはシリーズ終わってるしね」
「今は何戦目なの?」
「昨日福岡で五戦目が終わってソフトバンク三勝阪神二勝だよ」
「阪神劣勢ね」
「どうなるかわからないけれど」
シリーズの方はです。
「今日は移動日でね」
「また明日からなのね」
「甲子園で試合だよ、だから明日と明後日でね」
「シリーズ終わるのね」
「決着がついてるよ」
「そうなるといいわね、私と主人はあと数日日本にいてね」
そうしてとです、サラは自分のお話もしました。
「主人と二人でね」
「お仕事をしていくんだね」
「神戸に留まってね、ホテルに滞在して」
「頑張ってね」
「お互いにね、けれど」
ここでこうも言ったサラでした。
「私福岡にも行ったことがあるけれど」
「昨日まで試合のあった」
「あの街もいい街ね」
「活気に満ちていてね」
「ラーメンも鶏も河豚も美味しくて」
「博多の河豚だね」
「どれも堪能したわ、また機会があればね」
「その福岡にもだね」
「行きたいわね」
笑顔でお話するのでした、サラは先生に福岡のお話もしてそのすぐ後で夕食だったのでそちらにも誘われてお好み焼きをご馳走になりました。
そして先生はサラが強引に決めた通りに日笠さんを夫婦善哉にお誘いすると日笠さんは笑顔で快諾してくれました。
そのうえで約束の日に八条駅で待ち合わせをして一緒に電車に乗って大阪まで行って。
夫婦善哉だけでなく自由軒のカレーも食べてでした、その後で。
先生はこれまたサラが強引に決めた通りに神社に行くことにしましたがその神社は日笠さんのお勧めで西宮神宮となりました、大阪から神戸への帰り道にあってしかも阪神が日本一になったのでそのことに感謝したいことと。
日笠さんが心からお願いしたいことがあるとのことなのでそちらになりました。
こうして二人で西宮神宮に参拝しているとです。
この時にです、ふとでした。
先生はあの八条大学から阪神への入団が決定したキャッチャーの人を見ました、見ればトレーニングウェアを着ていてです。
引き締まったお顔で真面目にでした、神様にお願いをしてそれから神宮を出ると走って何処かに行きました。
その人を見てから日笠さんと一緒に八条町に帰ってです、それから。
日笠さんをお家まで送ってからお家に帰ってその人のお話をすると皆まさかというお顔になってお話しました。
「まさかと思うけれど」
「神戸から西宮までランニングしてるとか」
「それはないよね」
「幾ら何でも」
「わからないね、けれどトレーニングしていることはね」
このことはとです、先生は皆にお話しました。
「間違いないね」
「そうだね」
「契約してもだね」
「そこで喜ばないで」
「真面目に練習してるんだ」
「今も」
「そうみたいだね、こうした時期に真面目に汗をかける選手は」
それこそとです、先生は皆にお話しました。
「凄いよ」
「そうだよね」
「寒いから怪我には注意だけれど」
「こうした時にも汗をかく」
「そのことはいいことだね」
「本当にね、汗をかいて」
そしてというのです。
「身体を作っておかないとね」
「スポーツ選手はね」
「何といってもそれが仕事だから」
「いつもストイックであれ」
「そう思うといいことね」
「うん、いいものを見ることが出来てね」
先生は皆ににこりと笑ってお話します。
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