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犬達と不思議な女の子

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第三章

 一家は夕方までに全部整えて公民館に入った、勿論ジョン達も一緒だ。そして公民館に着いた瞬間にだった。
 とんでもない嵐になった、雨も凄いが風もだった。
 それで奈々子は公民館の中で祖父に言った。
「これだけ酷いと」
「ああ、実際にな」
「土砂崩れもなのね」
「起こってもな」
 それこそというのだ。
「おかしくないな」
「そうなの」
「今のうちに逃げてよかったな」
「皆が私の言うこと聞いてくれて」
「嬉しいか」
「嘘だって言わなかったから」
「世の中人間や生きもの以外のものもいるってことはな」
 祖父は奈々子に真剣な顔で話した。
「もうな」
「それはなの」
「わし等もわかってるんだ、見たことはなくてもな」
「感じることはあるんだよ」
 曾祖母も言ってきた。
「ひい祖母ちゃんも仏壇でお盆とかひいお祖父ちゃんいるってね」
「わかるの」
「そうだよ、奈々子ちゃんが生まれてすぐに死んだね」
 その曾祖父のことをというのだ。
「感じるからね」
「私の言うこと信じてくれたの」
「それに奈々子ちゃんは嘘を言わないから」
 このこともあってというのだ。
「それでだよ」
「そうだったの」
「だからね」
 それでというのだ。
「皆信じたんだよ」
「それでここに来てくれたの」
「皆でね」
「ジョン達も連れて来た」
 祖父は彼らの話もした。
「例え家がどうなってもな」
「皆いるから」
「安心だ、家は崩れてもなおせるが」
 それでもというのだ。
「命はどうにもならないからな」
「だからなの」
「皆連れてきたから安心だ」
 祖父は実際に外の嵐に険しくなっているがそれでもだった。
 落ち着いていた、そしてその夜一家は公民館で過ごし。
 翌朝祖父と父が家を見に行って戻ってきて話した。
「もう家はな」
「すっかり土砂で埋まっていた」
「木にも壊されていて」
「酷いもんだ」
「若し昨晩あそこにいたら」
「皆死んでたぞ」
「よかった・・・・・・」
 家が壊れたことは残念だった、だが。
 皆助かった、奈々子はこのことにほっとして言った。
「助かったのね」
「ああ、皆な」
「ここにいるからな」
「ジョン達も」
「若しその女の子が教えてくれなかったらな」
「山の神様がな」
 祖父と父は奈々子に真剣な顔で話した。 
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