FAIRY TAIL 明治と江戸を渡った人斬り
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Fairy Days
炎と雷
-ギルド近くの森の中
正式にギルドの一員となった蓮はミラに紹介された自身の住居となるアパートに入居した。
数日後、ギルドの近くの森で自分自身を鍛えていた蓮は逆刃刀、日本刀、蓮の愛用の刀である闇の刀のキレ味の威力を試していた。
―相変わらず俺の武器は威力もキレも抜群だな。―
蓮は自分自身を鍛え終えに帰るときだった。
「見つけたぞ~!」
ナツを先頭に、ハッピー、ルーシィ、エルザ、ウェンディ、シャルル、グレイ、ミラ、リサーナが姿を現した。
なぜここが分かったのか問うと、ナツが真顔で匂いを辿ってきたというので蓮は面倒な奴が現れたと呆れていた。
「何の用だよ?」
「勝負だ!このやろう!」
「やっぱな。お前なら言うと思ったわ。」
「朝からずっとこの調子なのよ…」
「うむ・・・だが興味深い一戦だ。」
「さっさとやられちまえクソ炎。」
「さっきからずっとこうなのよ。・・・お願いだから勝負してあげて~」
「お願いレン!ナツのために勝負させて!」
「はぁ・・・仕方ないな。やるか・・・」
「よっしゃあ!!さあやるぞ!!」
ナツは全身から炎を噴き出してヤル気満々だ。すると蓮は口調が変わると同時に蓮は日本刀を出しながらナツに警告した。
「ナツ、言っとくが俺は手加減しない性格だ。もしかしたらまだ俺がこの世界に来たときとは違う実力出すかもしれないし、最悪の場合お前は俺に吐血されるかもしれないぜ?」
するとナツは自信満々に蓮を挑発した。
「ヘッ!構わねぇよ!お前のまた違う実力が見れるんだし、お前の本当の顔の闇の人斬りと戦えるんだからな!燃えてきたぞ!」
すると蓮は人斬りの目つきでナツに言った。
「フッ面白い。ならナツとお前らに見せてやるよ。冷酷で残酷な闇の人斬り、霧谷抜刀斎の実力をな!」
「では!始め!」
「へへっ!燃えてきたぜ!火竜の鉄拳!!」
「遅い!」
蓮は瞬身を使って一瞬でナツの後ろに回り日本刀を振り下ろした。
「ぬあ!」
ナツと蓮の岩の衝突音がなり響く
「何!」
「なんという速さだ!」
「全然見えないわ!」
ギャラリーは驚愕する。
「くそっ!火竜の翼撃!」
蓮は持ち前のスピードで木と空の間の上からジャンプし、ナツを攻め続ける。一方ナツは防戦一方で、ハッピーのいない状態だと空中戦はできない。ナツはあくまでも飛ぶじゃなく跳ぶだからだ。
「すげぇ・・・」
「あのナツさんが…」
「ここまで手も足もでないのか…」
「ナツ~!がんばれ~!」
「さて、そろそろ決着つけるぞナツ。
すると蓮は瞬身でナツを斬りつけようとするとナツも負けじと魔法を使った。だが蓮はナツの背後に立ち、日本刀の持つところでナツに気絶させた。
「勝者!レン!」
―フッ―
「ナツをあっさりと完封するとはな…」
エルザが感心したように呟く。ナツはウェンディが治療中だ。すぐに目を覚ますだろう。
「あれ?もう挑戦者居なさそうな感じかよ?」
「あれ?エルザもやるんじゃなかったっけ?」
ルーシィが問うが、エルザは首を振り、
「いや…止めておこう。私がレンと戦えば良い勝負になりそうだが、レンのあの目つきはまるで伝説の人斬りで本気で殺そうとしてる気配だから辞退する。ミラは?」
「残念だけど今の私には確実にレンに勝てないし、今のレンの目つきはまるで人を殺そうとしてる闇の人斬り霧谷抜刀斎だから私はあの状態のレンとは戦いにくいわね。」
「あそう。じゃあナツを起こして帰る・・・」
「なら、俺とやってくんねーか?」
「ラクサス!」
「エルザもミラもやんねぇんだろ?だったら俺と勝負しようぜ。」
「ほう・・・自分なら勝てると?」
エルザが少し目を細めて問うと、ラクサスは苦笑して首を横に振る。
「いや・・・多分負けるな・・・」
その言葉にグレイ、ミラ、エルザ、ルーシィは言葉を失う…かつての彼からは考えられない台詞だからだ。
「・・・かつての俺は自分の力に絶対の自信を持っていた。だがこの世に俺より強い奴はいくらでもいやがる。ハデスのジジィやアクノロギアなんて化け物もな。ナツのように格上の相手に食らいつこうする強さが必要だ。だから頼む。俺と闘ってくれ!」
するとレンは再び人斬りの目つきとなった。
「いいだろう。特別に俺が本気を出してやるよ。安心しろ。殺しはしねぇから。」
すると蓮は闇の刀を出した。
「こ、これが…!」
「闇の刀!」
「さあ・・・かかって来い。」
「お前は俺のスピードに付いてこれるか?」
「フッその自信、お手並み拝見と行こうか。」
「では…始めっ!!」
エルザが手を振り下ろした瞬間、二人の姿が消え、空中で二人が激突する。二人は空中で何度も激突を繰り返し目にも止まらぬ速さでその衝撃と音が鳴り響く。
「きゃああああ!」
「なんつー闘いだ!」
「二人とも互角なんでしょうか?」
「いいえ良く見て。レンの攻撃はヒットしてるけど、ラクサスの攻撃はガードされたり避けられたりで当たってないわ。」
「すごい‥」
下でごちゃごちゃしている間に空中ではさらに激しく闘いが繰り広げられていた。
「雷竜の顎!!」
ラクサスが手を組み振り下ろしたハンマーパンチを下に潜りこむことで躱すがラクサスはニヤリと笑う。この技は振り下ろした直後に、雷の追加攻撃が発生するからだ。…だが蓮は来るのが分かっていたかのように、体を回転させて紙一重で避け、上昇して遠心力たっぷりの蹴りを食らわせる。飛ばされながらもラクサスは右手に雷を集め蓮に放つ。
「雷竜方天戟!!」
蓮は左手をかざし、ラクサスを斬り翳そうとしている。調和の属性を持つ壁が雷の槍を散らす。だが壁のせいで蓮の視界から逃れたラクサスは、威力より速さを重視して蓮の真上に雷を作り出す。
「レイジングボルトォ!!」
見えない場所からの攻撃を蓮は、ラクサスに向かって前進することで避ける。そのまま動きの止まったラクサスに突っ込み顔面を殴りつける。
-くそったれ!俺の動きを全て読んでるのか?!マジで強ぇ…だがこのまま終わらねぇぞ!!
殴った蓮は右腕を左腕で掴まえる。純粋な力ではラクサスの方が上だ。そのまま電撃を流し込む。
「チ!かなりの電気だな!」
初めて蓮が苦悶の声をあげる。蓮は左腕で二度三度と殴るがラクサスは痛みを無視して右腕に全ての力を集中する。そして蓮はラクサスの集中の間に闇の刀を隙をついて背後から斬り掛かろうとしている。
「滅竜奥義!鳴御雷!!」
「く、くそ!」
蓮はラクサスに斬り掛かり、ラクサスは蓮に魔法を使った。蓮とラクサスの同時の一撃が受け辺り、雷鳴と閃光と煙がほとばしる。
「うおぉぉぉぉっ!」
「どうなった!?」
「ラクサスの一撃が決まったように見えたが…」
「レン…」
「無事よね?」
煙が晴れるとそこには、気絶したラクサスの右腕を掴んで浮いている蓮がいた。だが蓮も電撃を食らったのか、かなりダメージを受けたようだ。そのままゆっくり降りてくる。
「ウェンディ、ラクサスさんの治療をお願い。」
「はいっ!」
「しかしよくレンは無事だったな。」
「ああ。俺の策を思い付かなかったら今頃ラクサスの電撃を食わされたよ。」
「一体どんな秘策だったんだ?」
「俺の身体を電撃を受けながら、闇の刀で殺さない程度で斬ったんだ。」
「あっさりし過ぎだろ!!」
「そんな危ないことしたの?!」
「何で危険な賭けをしたの!?」
「レンにはお仕置きが必要かしら♪」
すると蓮はルーシィとリサーナとミラに土下座した。
「すいません!」
ルーシィ、リサーナ、ミラに怒られてタジタジになる蓮。
「なるほどな…」
ラクサスが気付く。みんなが視線を向ける。
「ありがとな。ウェンディ。」
視線を反らし礼を言うラクサスにみんなの視線が生暖かくなる。
「ありがとなレン。いい経験になった。今度やる時は絶対負けねぇからな!」
「なに言ってんだ?ラクサスも強かったし手応えもあった。次も俺が勝つさ。」
ラクサスと蓮は互いに握手した。
「ふっ…じゃあな、ジジィには黙っとけよ!破門中の奴が喧嘩売ったと知れたらうるせぇからな!」
ラクサスは雷を纏って飛んでいった。
「やれやれ…」
「俺も負けてらんねぇ!!レン!勝負だ!
「ナツはまだ早いんじゃないかしら。」
「ミラ!そりゃねーよ!」
「ミラちゃんの言う通りだクソ炎。さっきブザマに負けたばっかりだろ。」
「なんだと!パンツ男!」
「ほう…貴様ら元気が有り余ってるようだな…私が相手になろうか?」
「「え・・・遠慮します…」」
「レンさん来てください!治療しますから!」
「そうよ!早くしなさい!」
「無理すると傷口開くよ!」
「それともお仕置きかしら…?」
「分かったからすぐ行くよ!」
蓮は森のある方向を見ながら五人のもとへ歩き出した。
「レンには気付かれっちまったか…鋭い奴だ。それにしてもラクサスも成長したな。破門を解いてもいいんじゃねーか?」
「フン…まだ早いわい…」
一部始終を見ていたマカロフとギルダーツが話している。マカロフは悪態をつきながら踵を返す。
「それよりもレンはS級でもやっていけそうじゃな。今度伝えておこう。」
そういってギルドへと戻っていった。
「素直じゃないねぇ…嬉しいくせに。それにしてもレンの奴は人斬りになるとかなり厄介だな。俺もうかうかしてらんねぇな…」
ギルダーツは頭をかきながら嬉しそうに笑っていた。
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