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第四章

 社会的に抹殺し全員引き籠りになったが暴徒達は岩清水に煽られ彼等の家のその部屋にまで入り込んでだった。
 さらに吊し上げ完全に精神的に破壊して廃人にしてしまった。彼等は誰もが何も食べられれなくなるにまで追いやられ衰弱死した。尚彼等の家庭は何処も完全に崩壊し岩清水はことの顛末を全て自分のサイトに誇らしげに書いた。
 和也はそれを見て母に全てを話した、すると母はこう言った。
「御免なさい、そんなことがあったなんて」
「いや、いいよ。ただね」
「ただ?」
「いじめやる奴は弱い奴なんだね」
 こう言うのだった。
「だから責められたらね」
「駄目になるっていうのね」
「うん、あの責められ方は常識外れだけれど」
 岩清水が煽ったそれはというのだ。
「誰も言わないけれど無茶苦茶だよね」
「そうね、けれど確かにね」
「確かに?」
「弱いからね」
 それでとだ、母は息子の言葉に応えた。
「人をいじめるのよ」
「自分より力や立場の弱い人をね」
「あんたは空手をはじめて」
 それでというのだ。
「強くなったからね」
「いじめられなくなったんだね」
「ええ、体格もよくなったから」
「それでだね」
「そう、けれどね」
 それでもというのだ。
「あんたはワイルドを守る為によね」
「空手をはじめてね」
「今もしているわね」
「そうだよ、黒帯にもなったよ」
 はっきりとだ、和也は母に答えた。
「この前ね」
「おめでとう」
「うん、それでこれからもね」
「空手続けるわね」
「そしてね」
 そのうえでというのだ。
「もっと強くなって」
「ワイルドを守るのね」
「何かあった時は。お母さんも」
 目の前にいる彼女もというのだ。
「そう出来る様にね」
「強くなるのね」
「そうなっていくよ」
「それが本当の強さを。誰かをいじめる為の力は暴力でしかなくて」
「本当の力じゃないね」
「けれど誰かを守れる力は」
 それはというと。
「本当の力でね」
「強さだね」
「お母さんはそう思うわ、だからね」
 それでというのだ。
「あんたはこれからもね」
「空手を続けてだね」
「本当の強さを身に着けてね」
「そうなるよ、ワイルドもそう思うよね」
 ワイルドは二人が話している食事中のテーブルの上に来ていた、和也はその彼に対して微笑んで尋ねた。
「誰かを守れる力が本当の強さだって」
「ニャア」
 ワイルドはテーブルの上に座っている、その姿勢でだった。
 和也の問いに笑顔で鳴いて答えた、少なくとも和也は母と共にそう思って微笑んだ。そしてワイルドにもご飯をやって二人で夕食を楽しんだ。


友達を見て   完


                   2020・4・28 
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