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第三章
「その分ね」
「大きくなったね」
「そうよね、それにね」
「それに?」
「顔つきも」
これもというのだ。
「変わったわね」
「そうかな」
「ええ、随分とね」
それこそというのだ。
「変わったわ」
「うん、何か本当にね」
「自分でも思うでしょ」
「そう思うなら」
それならとだ、母は息子にさらに話した。
「もっとね」
「頑張っていくべきだね」
「ええ、和也は変わってきていていいと思ってるでしょ」
「うん」
和也は母に微笑んで答えた。
「今度初段の試験も受けるし」
「そうよね」
「遂に黒帯になるよ」
母に微笑んで話した。
「もう黒帯になったらね」
「結構な感じね」
「自分でもそう思えるから」
「だからよね」
「もっと頑張るよ、そうしたら」
ここでだった、和也は。
自分の傍らで丸くなっているワイルドを見て話した。
「ワイルドに困った時に助けられるから」
「空手の技で」
「そうも出来るから」
だからだというのだ。
「頑張るよ」
「ええ、頑張ってね」
「そうしていくよ」
母に笑顔で話した、そしてその話の後でだった。
ふと気付いたことがあった、それはもう不良達にいじめられることはなくなっていた。だがその不良達は。
別の人間をいじめていたがその現場を岩清水健一郎という男に知られた、彼のサイトにメールで通報があったのだ。
その通報を聞いて岩清水はすぐに不良達のことを調べてだった。
彼等の悪事を全て暴きそれをネットで彼等の画像と中学のクラスだけでなく住所に電話番号はおろか親兄弟親戚の勤務先や個人情報まで全て流した、すると。
「死ね!」
「くたばれ!」
「いじめを許すな!」
「犯罪者は地獄に落ちろ!」
「一人も逃がすな!」
岩清水が煽った怒れる暴徒達が不良達とその関係者を囲んでだった。
総攻撃に入った、学校には抗議の電話が鳴り響き。
不良達の家には電話はおろか暴徒達が殺到し家の玄関や壁に落書きや貼り紙を行い親や親戚の仕事先にも抗議の電話が行き兄弟の学校にも突撃する者が出た。
そして不良達自身にも暴徒達の手は及び。
「いじめした連中はここにいるぞ!」
「いたぞ!」
「犯罪者発見!」
「逃がすな!」
暴徒達は彼等を見付けると吊し上げネットでその姿を公開し。
連日連夜追い詰めクラスにまで雪崩れ込んでだった。
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