仮面ライダーの力を得て転生したったwwwww
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第8話
「貴様! なんて事をしてくれたんだ!!」
「うぐっ・・・・・!」
「ちょちょちょ、石田さん流石に落ち着きましょて!!」
アナザーエグゼイドへと取り逃がし、アジトへと帰還したアラタ達。だがアジトへ帰還するや早々、サトシは今まで装っていた堪忍の尾が切れたのか、仮にも怪我人でもあるヒロキの顔面を殴りつける。 ヒロキは殴られた勢いで思い切り地面へと転がるが、レジスタンスの面々は見兼ねたヨータ以外、誰も止めようとはしない。
幾ら何でも、薄情では。
「・・・・・ちょくちょくあるんです、こういう事。 だからその・・・・・」
「・・・・・ホント、情けない。 自分の意思で入ってきたくせに」
そんな疑問に思っていた事を察してか、サキが相槌を打つ。 まあ組織であるならばそれなりの ルールがあるというだろう と俺は納得する。 ようやく冷静さを取り戻したか、石田は眼鏡をクイと上げてタバコを吸ってくる。とだけ言い残してアジトの外へと出ていく。
それと入れ替わる形で、ジュンイチロウは静かに口を開く。
「・・・・・君の処分については、後日改めて申し渡す。 今日は帰るがいい」
「・・・・・はいっ」
ヒロキは一瞬驚愕の表情を浮かべ、クシャりと顔を歪ませ涙を浮かべるが、震える声でそれを受け入れた。
荷物が乱雑に置かれた場所へと向かい、彼の荷物であろうカバンを見つけると、それを持って脇目も振らずアジトを走り去る。 残っていた面々は、そんな彼の後ろ姿を引き止めもせず、何事も無かったかのようにそれぞれの行為に勤しむ。
「仕方ない事だ。 誰もが自分自身の生活や人生がある。そこには家族や友人、恋人だっているだろう。・・・・・誰もが命を掛けて、常に死と隣り合わせなんだ。平然と居られる訳じゃない」
「だが、それでもこのレジスタンスへと入った。 世界を救いたいと、そう思ってココに来た。……全体を切り捨て、一人を生かそうとするヤツがいてはダメなんだ。」
誰もが、それぞれの人生があって生活がある。 そして組織のリーダーとして責任のある者の重い言葉。
ゲンとジュンイチロウの言葉に、部外者の俺はどう言えばいいか分からず、言葉に詰まる。淀む空気の中で、アラタはヒロキの叫んでいた言葉を思い出す。
『お前らのせいで! どれだけの人間が死んでるだ!!』
『ダチに生きてて欲しいと思って、何が悪いんだよ!!』
・・・・・ああ、クソ。
「・・・・・どこ行く気」
「別に。 少し外の空気吸ってくる」
「なら、これ持っていてください」
そう言うと、サキは両手に片耳型のヘッドホンを添えてアラタへ差し出してくる。
「レジスタンス内専用の通信機器です。 作戦や出撃する際にこれを使用してください。 ホントは、先程にも直ぐに渡すべきだったんですけど・・・・・」
「イヤ、ありがとう。 助かるよ」
申し訳なさそうにするサキに礼を言いながら、アラタは差し出された通信機器を手に取り、左耳に付けてた後に、力強く言う。
「それじゃあ行ってくる」
アラタがアジトを抜けた後に、ゲンが片眉を上げながら意外だという口ぶりでスズナに呟く。
「いなくなった奴の背中は追うな、なんて言うと思っていたが」
「不要の仕事は追加料金」
ーーー
「ハッ・・・・・ハッ・・・・・!!」
まだ、遠くには行ってないはずだ。
そう信じて、俺はひたすらこの身を走らせる。 すれ違う人の視線にもひたすら目もくれずに。
・・・・・居た。 大柄の男に、レジスタンス特有の制服。 荷物を抱えて、ゆったりと歩いている。
彼の背中を追いかけようとして、限界が来る来る。酸素が欲しくなり、立ち止まって膝をつき、深呼吸を行う。 再び空いてしまった距離を縮めようと顔を上げた所で、相手も足音で流石に気づいたのか、こちらに顔を向けている。
「・・・・・笑いにでも来たのか」
「まさか。話に来たんだ」
自嘲気味に笑うヒロキ。アラタはそれを頭を振って否定する。 そうか、とだけ呟きまた沈黙する。そう言えば、この男に俺はにされそうになったんだったけか。 そんな出来事を思い出しながら、俺は聞きたかった事をヒロキへとぶつける。
「アンタ、なんでレジスタンスに入ってまで戦っていたんだ?」
レジスタンスは、組織の名目上は 異形達達に支配されつつあるこの世界を奪還する事を目的としている。 だが、組織に入るからにはそれなりに強い動機がある。 金の為。生活のため。 あるいは・・・・・
「・・・・・俺とアイツ。いや、ナオヤには妹が居てな。」
拒否をされればそれまでと半ば諦めかけた問いだったが、彼はそれを拒絶することはせず、近くに置かれていたベンチに腰掛けて語り始める。
「優奈、ていう名前でさ。 料理も美味くて、家事も出来て、面倒見も良くて・・・・・」
「好きだったのか?」
「・・・・・あぁ。 少し怖いところあるけど・・・・・うん。好きだった。 それで、付き合う事になった。」
勿論、そりゃナオヤも義弟になるのかよって苦笑してたけど、応援してくれた。
そう語ってるヒロキの顔は、非常に穏やかな表情であった。
「・・・・・でも。 ユナは、ある日、ヤツに似た化け物に襲われた。命だけは助かったけど・・・・・今も、ユナは意識を取り戻さない。勿論入院し続けるのだって金はいる」
「・・・・・だからレジスタンスに入ったのか」
「・・・・・そうさ。俺は金が欲しくて、アソコに入った。 俺はただ、ユナが目を覚ましてくれればそれで良かった。 ナオヤの助けにもなれればって。その為だったら命だってかけられた! ・・・・・なのに、なんで」
ヤツ、とは誰かは分からないがアナザーライダーの事だろうか。
両手を頭を抱え、堪えていた涙を零し、啜り泣くヒロキ。それを横目に、俺はアナザーエグゼイド・・・・・いや、ナオヤという男がアナザーライダーになった動機をある程度察する。
アナザーライダーの内の誰かが、ユナを襲い、その子は命の危機に瀕してしまった。それを助ける為に2人は行動を起こしたんだ。
ヒロキは憎しみと怒りを胸に秘めてレジスタンスに入り、目を覚ますまでの治療費を稼ぐ為に。
ナオヤはアナザーライダーとなり、命をかき集め。そしてそれを、ユナへと捧げる為に。
ナオヤという男は、余程追い詰められていたんだろう。 だから、オーラのあの魅惑の誘いを受けて、そしてアナザーライダーとなってしまった。
妹を救いたい。そう純粋に願った彼の思いだけは、間違ってはない。
ただ、選択を間違えてしまっただけだ。
「・・・・・根掘り葉掘り聞いてゴメン」
俺はそう言って、彼に背を向ける。
「・・・・・でも、アイツを見過ごすことは出来ない。次現れたら・・・・・今度こそ、倒すしかない」
「・・・・・だけど他に!!」
「そして躊躇ってる間に!! ・・・・・また、誰かの命が奪われる」
アンタの親友は、ホントにそれを心から望んでいるのか!!
そうぶち撒きたかった。だけど、俺は彼等については何も知らない。ヒロキとナオヤがどれほどまで仲良く、ユナという少女がどれだけ大切なものなのかを。
だから、俺にはそう断言出来る資格はない。
俺は震える声で、自身の左耳に先程渡され装着したヘッドホンを指さす。
「・・・・・アンタも持ってるだろコレ」
ジュンイチロウは、まだヒロキの処遇についてはその場で申し渡していない。 ならば、彼はまだレジスタンスの人間である。
ならば、その1人であるヒロキが持っていて当然の事だ。
「・・・・・それがどうした」
「次の任務、アンタも来るんだ。 そして自分の目で確かめるんだ。」
俺は彼等の事は何も分からない。だけど、誰かを想おうとするその気持ちだけはよく伝わるから。
・・・・・選択を決めるべきのは俺じゃない。
彼には辛い事を押し付けてるかもしれない。だけど、後腐れなく彼等の 今を前に進むには、他ならぬ当事者が決めるべきだ。
「今の彼の姿を見て、その上で出した結論を・・・・・俺は尊重するよ。 誰になんと言われても」
アラタはそう言い残し、帰りを待つ家へと帰還するべく歩み始める。そんな彼の背中を、ヒロキはただ見つめていた。
ーーー
翌日。
「すみません、ユナさんという少女をご存知ですか?」
「いやぁ、知らないね・・・・・」
「そうですか、ありがとうございました」
「アラタ君! ユナさんを見たっていう情報を聞いたよ!」
「ホントか? ありがとう、琴音。わざわざ手伝ってもらって」
「ううん、役に立ててるんだって思うと私も嬉しいから」
俺は琴音と共に、街ゆく人々に声を掛け続けること小一時間程で、目的を果たす。
その目的は、優奈という少女が今何処にいるかを知ることだ。 この街を余りよく知らない俺1人では途方も無い事であったため、琴音が共に探してくれた事は有難いことだった。
「ココは・・・・・」
「どうぞ、面会時間は2時間までとさせていただきます」
「ハイ、ありがとうございます」
琴音が掴んだ情報を頼りにやってきたのは、僅かながら寂れた病棟。 アラタと琴音は面会社用の吊り下げ名札を受け取り、指定された病室・・・・・『中村 優奈』とネームプレートに書かれた部屋の入口へと辿り着く。
と、何故か頬を膨らませた琴音が聞いてくる。
「ね、ねぇ。 この人と、知り合いなの?」
「え? いや、違うよ。 同僚の妹さんらしい。せっかくだし、見舞いに行こうかなって」
「・・・・・ふぅん」
納得はして貰えても、何故だか、御機嫌斜めになる琴音。 コレは後で事情を話さないとダメか、なんて思いつつ、俺は病室のドアノブを静かに開く。
「失礼・・・・・します」
白で統一され、僅かにお見舞いで添えられた花の香りが鼻をツンと突く。 そこに、人工呼吸器を付けられ、静かに寝息を立ててベッドに横たわる女性。
「この人が、ユナさん?」
「・・・・・あぁ」
覚悟はしてたが、こうして俺達の戦いに巻き込まれた人の顔を見るのは、苦しくなる。
だけど、もう背を向けないと決めたのだ。
コレは、己の背負う罪であると。
そんな感情を胸に、ここに来る前に花屋で購入した花束を、患者用のデスクへと置いた所でヘッドホンに通信が届く。 アラタはそれに耳を当てると、少しばかりオドオドした声が聞こえてくる。
『えっと、聞こえてますかね!? サキです! 怪物・・・・・じゃなかった、エリアD中央区に置いてアナザーライダーが現れました!! 現在、ジュンさんやスズナちゃん達も戦ってるのでひゃぅ!? あああすみません! とと、とにかく応援に来てください!!』
「分かった! なるべく早く向かう」
俺は途切れる通信を間もなくして、琴音に声を掛ける。
「琴音、その子の様子を頼む」
「う、うん! 気をつけてね!!」
「あぁ、行ってくる」
俺はここが病院である、というのは知っていても今も戦ってるだろう彼等の元へ向かうために全力で病室を後にし、この身を走らせる。
ーーー
エリアD、中央区。
アナザーライダーの目撃情報を掴んだレジスタンスは現場へと急行、アナザーエグゼイドと交戦を開始していた。
『◼◼◼ッ!!』
「・・・・・チッ!! アラタの奴は何をしてる!」
「俺に聞かれても分かるわけないでしょ!!」
アナザーエグゼイドの猛烈な攻撃を躱しながら、この場に居ないアラタに対して憤慨を抱くサトシ。それに対してヨータが突っ込みながらも、サブマシンガンを構え反撃を伺う。
以前とは比べられないほど、本能の如く暴れるアナザーエグゼイドと、主戦力であるアラタの不在が、着実にレジスタンスを不利な状況へとさせていく。
「シっ!!」
『◼◼ッ!!』
「ぶなっ・・・・・このっ!!」
そんな中で、獅子奮迅の如くアナザーエグゼイドを手こずらせているのが、スズナ。 持ち前の身体能力を生かし、爪、パンチ、キックを掻い潜ってはナイフによる斬撃、キックを浴びせる。 その交戦を数十回程行った所で、それは起きてしまう。
「しまっ・・・・・!」
『◼◼◼ッ!!!!』
「カハッ・・・・・!? こ、の」
スズナの刺突がやや大振りなった所を、アナザーエグゼイドは悠々と躱し、手刀でナイフを叩き落とし、一瞬気を取られていたスズナの首を掴む。
スズナは必死に逃れようと試みるが、人智を超えた異形と、ただの少女。今の彼女は、か弱き娘も同然であった。
「宮間!!」
『◼◼◼・・・・・』
異変に気づいたゲンとジュンイチロウが銃を構えるが、アナザーエグゼイドはスズナが盾となるように向きを変える。
「獣ような癖して・・・・・人質とか汚ぇな」
軽口ばかりを叩くヨータですらも、焦りを感じ始める。 状況は、最悪と言っていいほどだ。仲間を盾にされ、狙撃や銃撃メインであるレジスタンスの面々は打つ手が無くなる。
打開する方法があるとするならーーー
歯噛みしか出来ない彼等を横目に、アナザーエグゼイドはスズナの左手を払い、鎖骨からゆっくりと左胸に辿る。
目を閉じるスズナ。 アナザーエグゼイドはそのスズナの心臓を取り出そうと右腕をーーー
「オラッ!!!」
『◼◼ッ!?』
影から、アラタの奇襲の飛び蹴りがアナザーエグゼイドの顔へと直撃し、テラス席として置かれていた椅子やテーブルを薙ぎ払うようにながら転がる。
首絞めから解放されて、咳をするスズナの背中を擦りながら、アラタは呟く。
「すみません、遅くなりました」
「・・・・・遅い」
胸部へと、割と本気で小突かれて俺は軽く悲鳴を上げかけるが、ぐっと堪える。
そんな軽口を叩き合う最中でも、敵は待つことは無い。 アナザーエグゼイドの飛び掛りに気づき、アラタとスズナは互いに地面を転がりそれを回避する。
「アラタ!! やれ!!」
やや離れた距離で銃を構える石田からそんな伝達が来る。 だが、まだアイツが来てない。 そんな状況で変身するのは論外だ。 だから、敢えて肉薄を許して、変身を簡単に出来ないシチュエーションを敢えて作る。
『◼◼◼ッ!!』
「ぐおっ!!・・・・・がハッ!!」
だが、それはアナザーエグゼイドに無償で痛めつけられる事。 致命傷になりそうな爪の引っ掻きを何とか交わしていくも、ガラ空きの脇腹にアナザーエグゼイドの蹴りが入る。
俺の体は風船のように宙を飛び、地面に勢いよく叩きつけられる。 地面に勢いよくぶつかった衝撃で、思わず唾液が飛び散る。
「アラタさん!!!」
「ぐっ・・・・・はぁ、まだ、終わんねぇよ・・・・・」
朦朧とする意識を、唇を強く噛んで血を流すことで無理やり起こす。 地面にひれ伏すアラタに、アナザーエグゼイドがトドメを誘うと助走をつけた、その時。
「ナオヤ!!!!!!」
・・・・・やっと、来たか。
乱入してきた、声の主に誰もが驚く。感情の起伏が薄いスズナや、ゲンですら。ここに居る、アラタとジュンイチロウのみを除いて。
『・・・・・ヒロ、キ』
「もうこんな事はやめろよ!! ユナも俺も、お前がこんなことをする事を望んでない!」
ヒロキの額は、汗まみれとなり、息も荒い。だが、その眼だけは死んでいなかった。そんな彼の姿に、アナザーエグゼイドは僅かに喋る。 だが、アナザーライダーの力は僅かに残る理性をも喰らい尽くそうとする。
『ァァッ・・・・・◼◼◼◼!!!』
「がっ・・・・・ぁ、ぐっ!!」
悶え苦しむように、周りに対して爪を振るいながら、猛然とヒロキに突進し、彼の首を掴む。
だが、彼はそれに抗いながら言葉を紡ぐ。
「俺、さ・・・・・ユナが目を覚まさなくなってから、ずっと考えてた。 お前が、日に日に憔悴してくの姿を見て、ずっと何とか出来ないかって」
『◼◼◼・・・・・ッ!!』
「だけど、初めから答えはそこに、あったんだよ。 アイツの傍に居続ける事が、ユナにとって、何よりの支えに、力になるんだって」
その言葉が、アナザーエグゼイドの動きを鈍らせる。 支配されつつある中で、ナオヤという青年の心に届いたのだろうか。
それに続くように、アラタは片膝に手を乗せ、ゆっくりと立ち上がり仮面を被り続けてるだろうナオヤに語りかける。
「・・・・・未来に希望があれば、人は笑顔になれる。 笑顔であれば、人生が救われる。 ・・・・・俺はそう信じてる」
『・・・・・オレ、ハ』
アラタとヒロキの叫びが届いたのだろうか。そんな期待を寄せる。だが。
『オレ・・・・・ハ・・・・・!! ◼◼◼◼・・・・・ッ!!!!』
「ぐあああぁぁ!!!」
アナザーエグゼイドは、ナオヤを力任せ、俺の方へと放り投げる。地面を2回、3回と転げ苦悶をこらすヒロキ。アラタは彼に駆け寄り、無事を確かめた後にアナザーエグゼイドを睨みつける。
『オレガ戦いに勝ちノコレバ・・・・・! オーラが喜ンでくれる・・・・・!! あの子がイルナラ・・・・・オレは全てをステれるッ!!』
「・・・・・そん、な」
・・・・・ダメ、だったか。 もう、今の彼は説得出来ない。オーラの為なら、アイツは目に見える敵を全て殺し尽くすだろう。。
そこまで考えた所で、ヒロキと目が合う。
「・・・・・なぁ。本当の、アイツとまた話す事って出来るか」
「・・・・・出来ないことはない。 でも、消滅する間際だけだ」
『◼◼◼◼ーーーッッ!!!!!』
雄叫びを上げるアナザーエグゼイドに、間髪入れずジュンイチロウ達は銃撃を浴びせる。だが、もうその攻撃は聞かんとばかりに雄叫びは増していく。そんな状況で、俺は短い会話をヒロキと交わす。
「・・・・・だったら」
地面の砂をも抉りとるように、拳をぎゅっと握りしめる。 その顔は涙でグシャグシャとなっており悲痛とも、覚悟を決めたようにも取れた。
「・・・・・せめて、アイツを元に戻してくれ!! ・・・・・もう、あんな風に暴れるのは見たくねぇ・・・・・頼むっ!! 'アラタ'!!」
涙を拭うこともせず、そう懇願するヒロキ。
・・・・・ヒロキの覚悟と選択は、十分すぎる程に伝わった。 なら、俺がやるべき事は。
「・・・・・分かった」
俺は地面でヘタレ混む彼の肩をそっと叩き、アナザーエグゼイドを見据える。 そんなアナザーエグゼイドも、俺の殺気を感じ取ったか。隙ありと襲いかかったレジスタンスの1人を殴り飛ばして、相対するようにコチラへと狙いを定める。
俺はアナザージオウウォッチを起動させ、ジクウドライバーへと装填する。
ライドウォッチに秘められたエネルギーが、俺身体を駆け巡るの感じながら、俺は異形に身を変える言葉を叫ぶ。
「変身!!」
《ZI-O・・・・・!!》
その叫びと共に、アラタはアナザージオウへと変身を遂げる。
アナザーエグゼイドが臨戦態勢へと移る。それとは対象的に、アナザージオウはそれを待ち構える。アナザージオウは、患者の笑顔を取り戻すために戦い抜いた 1人の戦士の言葉を借り受けるように、その言葉を口にする。
『お前の運命は、俺が変える』
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