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ちょっとズル

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第四章

「本当に」
「では、ですね」
「うん、毎朝この辺り走ってるのかな」
「この時間に」
「じゃあ宜しくね」
「うん、こっちこそね」
 友樹はアリスに何も知らないまま言葉を交えさせた、そのうえで別れたがアリスはランニングを終えて家に帰り。
 シャワーを浴びてすっきりしてからにこりとしてまずは成功ですね、と笑った。
 そしてだった、彼の妹が通っている幼稚園にボランティアとして行って。
 催しをしたりして人気を得た、そこで彼の妹の智恵理に何気なくを装って優しく挨拶をして。
 お菓子、彼女が好きなキャンディを一つ渡してから言った。
「これから宜しくお願いしますね」
「うん、宜しくね」 
 智恵理はアリスにその可愛らしい顔を向けて応えた。
「何かキャンディ貰えて」
「嬉しいですか?」
「私キャンディ大好きだから」
 それでとだ、智恵理はアリスに笑顔で答えた。
「だから」
「そうですか、じゃあこれからお会いしたら」
「その時は」
「またキャンディがあれば」
 実は自分がお小遣いで買っているものだが内緒にしている、父にお小遣いを増やす様にねだって手に入れたものだ。
「プレゼントさせて頂きますね」
「そうしてくれるの」
「はい、その時は」
 こうしたことを話してだ、智恵理に近付き。
 キャンディや他のお菓子をプレゼントするだけでなく色々優しくした、この時周りに贔屓と見られない様に他の子の面倒もちゃんとした。アリス自身公平でなければならないと思いそうする様に務めた。
 そして本屋でだった。
 ライトノベルのコーナーでだ、友樹を待ち。
 彼が来るとだ、微笑んで応えた。
「あっ、どうも」
「あっ、七瀬さんひょっとして」
「最近ライトノベルが好きになりまして」
「それで読んでるんだ」
「はい」
 そうだとだ、彼は答えた。
「異世界ものとか」
「ああ、異世界もの好きなんだ」
「転生したりするものが多いですね」
「面白いよね、最近そんな作品ばかりって言えばそうだけれど」
「面白いことは事実ですよね」
「作品によるけれどね」
「そうですか、いい作品ご存知でしょうか」
 アリスはここでも何気なくを装って問うた。
「何か」
「そうだね、このね」
 友樹は転生したらスライムというモンスターになっていたという作品を見てそのうえでアリスに話した。
「転生したら、ってね」
「最弱モンスターになっていた件ですか」
「スライムって最弱なんだけれど」
 モンスターの中では、というのだ。
「それでもどんどんスキル覚えていってね」
「強くなっていってですか」
「頼りになる仲間も増えて」
 そうしてというのだ。
「国も建国していく」
「そうした作品ですか」
「これ面白いよ」
「では買って読めば」
「いいと思うよ」
「そうですか、では」
「うん、この作品のいいところはね」
 友樹はアリスにその作品のことを話した、そしてライトノベルのことでもだった。アリスは友樹とい話す様になり。
 毎朝ランニングの時にも会ってだった。その距離を徐々に近付けていって。
 何時しか二人で一緒にいる機会が増えていってきた、そうしてだった。
 ある時アリスは機が来たと見て友樹に話した。 
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