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目つき

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第一章

               目つき
 井上花楓は背は一六三程だ、髪の毛は黒髪をややおかっぱな感じのショートにしている。胸も尻も制服の上からかなり目立っている。太腿もむっちりとした感じだ。部活は卓球部で朝も夕方も汗を流している。
 肌はきめ細かい感じで鼻はやや低いがいい感じをしている、耳がショートヘアから時々見えて顔は適度に丸い感じで唇は小さい。
 だがその目についてだ、花楓は体育の授業中に同じクラスの友達に言われた。
「睨んでる?」
「睨んでないわよ」
 花楓は友人にややぶっきらぼうな感じで答えた。
「いつも通りよ」
「そうなのね」
「というかこれはね」
 花楓は自分の目を右手の人差し指で指差しつつ話した、見れば切れ長で一重の三白眼である。黒目の部分が少ない。
「生まれつきだから」
「目つきのことは」
「こっちは生まれつきじゃないけれど」
 今度は自分のスタイルのことを言った、白の体操服と赤の半ズボンはパンパンである。
「ウエストは引き締めないとね」
「ボン、ボン、ボン、っていうのね」
「ボン、キュッ、ボン、にしないとね」
「それでも十分いけてるんじゃないの?」
「それでも真ん中のボン、はキュッ、にして」
 そうしてというのだ。
「もっとよくいしないと」
「その胸とお尻で言うのもね」
「いや、ウエストは大事でしょ」
 花楓は友人にこうも返した。
「やっぱり」
「それはそうだけれど」
「食べ過ぎ?」
「人間食べないとかえって駄目でしょ」
「じゃあ腹筋とかに力を入れて」
「ウエストだけ引き締めるのね」
「そうしようかしら。それで睨んでるかって言われたら」
 花楓は自分からその話に戻した。
「安心してね」
「睨んでないのね」
「だから安心してね」
「そうよね、そうだろうと思ったけれど」
「私に見られるとなのね」
「ついついね」
 どうしてもというのだ。
「そう思うのよ」
「睨んでるって」
「御免ね」
「いいわよ、誤解は誰だってあるし」
 それにとだ、花楓は友人に言葉を返した。今二人でバレーの試合を観ている。二つのクラスの合同授業で今は別のクラスが試合をしていて花楓達のクラスは休憩中なのだ。
「いつもだし」
「その目のことは」
「いつも言われることだから」
「慣れてるのね」
「ええ、だからね」
 それでというのだ。
「気にしなくていいから」
「いつもだから」
「そうなの」
「だからね」
 それでというのだ。
「いいわよ、ただね」
「ただ?」
「実は中学時代から外ではサングラスかけてるの」
 花楓は友人にこうした話もした。
「いつもね」
「その目のせいで?」
「中一の時に因縁かけられたのよ」
「睨んでるとか言われて」
「それもガチのヤクザ屋さん達にね」
 街の不良やそうした連中でなくというのだ。 
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