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大阪のコロボックル

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第三章

「置いてるのよ」
「本当にいるんですかね」
「多分恐竜じゃないわ」
 美里は山縣にクッシーについてこう答えた。
「大きなお魚か何かでしょ」
「そうですか」
「恐竜って変温動物でしょ」
「爬虫類だからですね」
「色々言われてるけれど」
 恒温動物説もあるのだ。
「けれど私が思うにね」
「変温動物で」
「寒いところにはいないでしょ」
「北海道って寒いですからね」
「そう、だからね」
 そうした地域だからだというのだ。
「恐竜はね」
「いないですか」
「ネス湖の方もね」
 ネッシーであまりにも有名なこの湖にもというのだ。
「恐竜はいないわよ」
「寒いからですか」
「私一回イギリスに行ったことがあるけれど」
「寒いんですね」
「ロンドンも大阪よりずっと寒いし」
「そういえば緯度ずっと上でしたね」
「それでスコットランドなんて」
 ネス湖のあるこの地域はというのだ。
「本当にね」
「ロンドン以上に寒くて」
「スコットランドにも行ったけれど」
 イギリスに行った時にというのだ。
「物凄く寒かったから」
「恐竜はいないですか」
「海豹とかいう説あるけれど」
「先輩はそちらの説ですか」
「いると思うけれど」
 それでもというのだ。
「恐竜じゃないわ、クッシーもね」
「恐竜じゃないですか」
「多分大きなお魚かね」
「海豹とかですか」
「ステラーカイギュウならいいわね」
「絶滅してますよね」
「まだ生き残っているっていう説あるから」
 だからだというのだ。
「いたらいいわね」
「むしろそっちの方が凄くないですか?」
「クッシーがステラーカイギュウだと」
「その方が凄いですよ」
「言われてみればそうね」
 美里も納得した、そしてだった。
 美里はアイヌの民族衣装について山縣に話した。
「その服だけれど」
「アイヌのですね」
「それアットゥシっていうの」
「そうした名前ですか」
「いい服でしょ」
「可愛いデザインですね」
「昔のアイヌの人達はその服を着て」
 そうしてというのだ。
「暮らしていたのよ」
「そうなんですね」
「今はあまり着る機会もないらしいけれど」
「洋服になったんですね」
「私達と同じでね」
 自分達と、というのだ。
「そうなったのよ」
「そうですか、やっぱり」
「けれど売ればね」 
 それでというのだ。
「売れるから」
「こうしてですか」
「商品にも出しているの」
 そうしているというのだ。
「今年もね」
「そうなんですね」
「よかったら買う?」
 美里は山縣にも購入を勧めた。
「そうする?」
「いや、それは」
 どうかとだ、山縣は美里に微妙な顔で答えた。 
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