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ドリトル先生の林檎園

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第十幕その二

「今も」
「そうですか、あの人が」
「一番手がかかったせいか」
 このことがあってというのです。
「どうしてもです」
「心配で、ですか」
「いつも気にしています」
「そうですか」
「はい、ただ」
「ただ?」
「それでいて昔からしっかりしているところもあるので」
 だからだというのです。
「安心もしていますね、今も」
「人としての筋はですね」
「間違えないと」
「そこが肝心ですよね」
「全くですね、酷い人は」
 どうしてもというのです。
「そうしたところが出るので」
「問題ですよね」
「はい、ですが」
「優花里については」
「僕もそう見ています」
 いい人と、です。
「悪い人は目も違いますし」
「目ですね」
「どうしても人の性格や生き方は目に出るので」
「どうしても」
「はい、出るので」 
 どうしてもというのです。
「優花里さんはです」
「いい娘だとですね」
「思います」
 実際にというのです。
「ですから運転のことは注意してもらって」
「そうしていけば」
「幸せな人生を送れますよ」
「それは何よりですね」
「それと」
 さらに言う先生でした。
「この林檎園のビニールハウスも拝見させてもらいましたが」
「苺等を栽培しています」
「あれは売るものではないですね」
「はい、家で食べるものです」
「そうですね、あちらもいいお野菜ですね」
「そう言ってもらって何よりです」
「ハウス栽培はいい農業です」
 先生は笑顔でビニールハウスでの栽培についてお話しました。
「本当に」
「何かあれだと栄養素が悪いとか言う人いますね」
「漫画でも描いていましたね」
「あれは間違いとです」
 その様にというのです。
「僕は思います」
「そうですか」
「野菜や果物の栄養素は土壌や季節が密接に関係して」
「ハウス栽培でもですね」
「低いとは限らないです」
「そうなんですけれどね」
「僕もあの漫画は知っていますが」
 それでもというのです。
「あの漫画は食べものや料理への誤った、偏った知識ばかりで」
「読んでもですか」
「よくありません」
「最近よく言われているそうですね」
「間違った海図は必要とされなくなります」
 先生は下坂さんにこうも言いました。
「それは漫画も同じで」
「間違ったこと、偏ったことを描いていると」
「その内容が批判されて」
 そしてというのです。
「読まれなくなります」
「そうなりますね」
「あの漫画は非科学的な描写も多く」
「ハウス栽培についても」
「僕から見るとどうしてもです」
 その漫画はというのです。 
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