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レーヴァティン

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第百三十五話 趨勢は決したがその九

「政としてな」
「この九州でもたいな」
「同じだ」
 こう言ってだった、英雄は九州で政も進めていった。彼はただ攻めるだけでなくそうしたこともしていった。
 そのうえで肥後も完全に手中に収めた、すると英雄は水俣に移りそこに九万の兵を置いた。そうしてだった。
 仲間達と共に薩摩と大隅の地図を見つつ言った、
「東は宮崎から大隅を攻め」
「西からはですね」
「この水俣からだ」
 謙二に対して答えた。
「薩摩に入る」
「いよいよですね」
「そうだな、しかし人吉にいい城があるが」
「薩摩を攻めるとなると」
「この水俣の方が都合がいいな」
「交通の便がいいので」
 それでとだ、謙二は英雄に答えた。
「だからですね」
「そのせいでだな」
「はい、薩摩を攻めるには」
 まさにというのだ。
「この水俣が最適です」
「その通りだな」
「ではここより」
「薩摩に入る、そしてだ」
「鹿児島をですね」
「目指す、既に琉球と種子島には兵を送った」
「それで今順調に攻めてるわ」
 耕平がこの報を述べた、仲間達は英雄と共に地図を囲んでいてそのうえで顔を寄せ合って話をしている。
「あと少しでな」
「両方共だな」
「こっちの手に落ちるわ」
「そうだな」
「そうすればほんまにな」
「敵は薩摩や大隅に閉じ込められるな」
「袋の鼠や、もう兵もかなり減ってるしな」
 こちらもそうなっているというのだ。
「二万かそこいらまでにな」
「随分減ったな」
「それでや」
「敵は兵の上でも追い詰められているな」
「相当にな、流石に敵も必死やが」
 追い詰められて決死の覚悟を決めている、だがそれでもというのだ。
「もう力の限界や」
「そうした状況だな」
「流石にな」
「その敵を攻めていく」
「そしてな」
 それでというのだ。
「ここはや」
「さらにだな」
「攻めていったらええ、ただ」
「それでもか」
「力はあるさかいな」
「油断は出来ないな」
「ああ、窮鼠猫を噛むってな」
 耕平はこの言葉も出した。
「そうも言うしな」
「そしてその言葉はな」
「その通りや、城を枕にしてや」
「戦うな」
「そうした状況にもなってるさかいな」
 敵は追い詰められているだけにというのだ。
「ほんまにな」
「最後の最後まで気を抜かずに戦う」
「そうしていこな」
「わかった、ではな」
「薩摩攻めにやな」
「これより兵を進める」
 こう耕平に答えた。
「日向からとも合わせてな」
「同時にやな」
「そうしていく」
 英雄は強い声で言った、そしてだった。 
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