ドリトル先生の林檎園
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第七幕その七
「シードルだよ」
「長野県のですね」
「そうなんだよ、うちの自慢の一つでね」
親父さんは先生に笑顔で言いました。
「それがわかるのは嬉しいよ」
「そうですか」
「だからな」
それでというのでした。
「どんどん飲んでくれよ」
「そうさせてもらいます」
「こんな美味しいお酒造ってるの誰かな」
王子もそのシードルを飲みつつ言いました。
「一体」
「そのこと気になるよね」
トミーも王子の言葉に応えました。
「こんな美味しいお酒を誰が造っているのか」
「そのことがね」
「気になるね」
「そうだよね」
「ああ、それだったらな」
親父さんは二人に応えてそうしてでした、そのうえでこのシードルを誰が造ってくれているのか教えてくれました。その人はといいますと。
「飯田の山のところの人でね」
「ああ、山の標高のあるところだと」
先生は親父さんのお話からすぐにわかりました。
「林檎にいい気温ですからね」
「そうだよ、だからな」
「飯田のそこで、ですか」
「林檎を作っていてな」
「シードルもですね」
「それで他のもな」
林檎から造るものもというのです。
「一杯造って売ってるんだよ」
「ジャム等もですね」
「アップルパイとかお菓子もな」
そうしたものもというのです。
「造ってるよ」
「そうなんですね」
「そうさ、興味があるならそこに行ってみるかい?」
「はい」
それならとです、先生は親父さんに笑顔で応えました。
「明日にでも飯田の方に」
「それじゃあね」
「ああ、あんたのことはそっちに連絡しておこうかい?」
「林檎農家の方にですね」
「そうしていいかい?」
「宜しくお願いします」
こうして先生が親父さんにご自身と皆のこともお話しました、そしてそのうえで親父さんに農家の人に連絡してもらいました、これででした。
先生達は明日飯田の林檎農家の人のところにお伺いすることになりました、先生はこのことが決まってから皆にあらためて笑顔で言いました。
「明日も楽しみだね」
「うん、そうだよね」
「明日は本格的に林檎に触れられるね」
「明日は何処に行こうかって思ってたけれど」
「決まったね」
「飯田ね」
「そこに行こうね」
「是非ね、いやこんな美味しいシードルは」
またシードルを飲んで言う先生でした。
「そうそうないからね」
「そうだよね」
「欧州じゃシードルよく飲むけれど」
「日本人はどうしても林檎はそのまま食べることが多いから」
「シードルも少ないけれど」
「このシードルは素敵な味ね」
「そうだね、とはいっても」
ここでおつまみの焼き鳥や冷奴を見てです、先生はこうも言いました。
「焼き鳥や冷奴だと」
「日本酒かビールだよな」
親父さんが笑顔で言ってきました。
「そっちだよな」
「それか白ワインですね」
「そうなるよな、地酒もあるぜ」
長野の、というのです。
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