ドリトル先生の林檎園
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第七幕その二
「日本風に言うと大トリね」
「それが幸村さんだね」
「最後の最後に凄く悲しいけれど」
ジップは幸村さんがその戦いで命を落としたことから思いました。
「恰好よかったね」
「まさに義に生き義に死す」
チーチーの言葉には感慨があります。
「日本のヒーローだよね」
「そのヒーローが戦国時代の最後に出た」
ガブガブの言葉にも今は深い思うものがあります。
「素晴らしいことだよね」
「知略も武勇も尽くして家康さんを苦しめ追い詰めた」
天下を握るこの人をとです、ホワイティも言います。
「そうそう出来ないよね」
「こうした人世界にもそうそういないんじゃないかな」
老馬はこう考えました。
「ひょっとして」
「武士よね、本物の」
ダブダブは幸村さんに憧れを見て言いました。
「幸村さんは」
「武士といっても色々だけれど」
トートーも幸村さんについて思いを述べました。
「幸村さんこそはだね」
「天下一の武士とか言った人がいたそうだけれど」
ポリネシアも思うことでした。
「実際にそうよね」
「そう、幸村さんは天下一の兵、つわものと言ったのは確か島津家の人だったけれど」
先生がその言葉に言及しました。
「実際にね」
「幸村さんはそうだったんだね」
「本物の武士でね」
「天下一のつわものだった」
「そうだったんだね」
「それに相応しい活躍を見せてくれたからね」
大坂の陣、戦国時代最後の戦いにおいてです。
「幸村さんの評価が高いのは当然だね」
「むしろこんな人を無視したらね」
「どうかってなるよね」
「武勇も知略もあって」
「しかも立派な人柄でね」
「まさに本物の武士なのに」
「そんな人が無視されたら」
どうかとです、動物の皆も言いました。
「おかしいよ」
「イギリスだとランスロットさんが無視される様なこと?」
「そうだよね」
「ランスロットさんは実在じゃないけれど」
「そんな風だよね」
「それ位のことよね」
「そうだね、そこまでのことだね」
先生は動物の皆が円卓の騎士の中で一番有名な人を例えに出してお話することについてその通りだと返しました。
「例えると」
「そうだよね」
「イギリスで言うとね」
「あとホーン=ブロワーさんが無視されるとか」
「そんなところよね」
「この人も実在の人じゃないけれど」
「そうだよ、実在の人だとネルソン提督が無視される様な」
先生はこの人の名前を出しました。
「そんなレベルだね」
「それってもうね」
「イギリスの歴史としておかしいよ」
「イギリスを救った人なのに」
「トラファルガーで勝ってね」
「幸村さんは確かに敗れたよ」
このことはネルソン提督とは違います。
「けれど本当に義の為に生きてね」
「義の為に死んでね」
「素晴らしい武勇と知略を見せてね」
「戦国時代の最後を飾ったからね」
「戦国時代は応仁の乱ではじまって大坂の陣で終わったけれど」
日本の戦乱の時代はというのです。
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