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ドリトル先生の林檎園

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第五幕その二

「武田家は滅んだけれど」
「諏訪家は残っていたんだ」
「何か凄いね」
「負けても残ってるなんて」
「乗っ取られていても」
「そして戦前は爵位を持っていたんだ」
 今度は明治時代のお話でした。
「つまり華族だったんだ」
「江戸時代も残っていて」
「明治時代もだったんだ」
「物凄く息の長いお家だね」
「諏訪家も」
「そうだね、僕もそう思うよ」
 実際にとです、先生も答えました。
「諏訪家はかなり息の長い家なんだ」
「そしてその諏訪大社にだね」
「僕達は今から行くんだ」
「そうするんだ」
「そうしようね」
「そういえばね」
 ここで老馬が先生に言ってきました。
「日本の神社には二つの流れがあったね」
「あっ、そうだったね」
「そういえばそうだったよ」
 オシツオサレツは老馬の言葉に二つの頭で応えました。
「天津神と国津神」
「この二つの流れがあったね」
「確か天津神が伊勢神宮で」
 トートーはまずはこの大社の名前を出しました。
「国津神が出雲大社だったね」
「天津神が天照大神で」
 ポリネシアも言います。
「国津神が須佐之男命だったわね」
「姉弟で系列が別れたのね」
 ガブガブも言います。
「そういえば日本の神話でそんなお話があったわ」
「そうそう、天岩戸だったね」
「あの時だったわね」
 今度はチープサイドの家族がお話しました。
「須佐之男命が大暴れして」
「天照大神が岩戸に入ったね」
「あの時に須佐之男命は高天原を追放されて」
 ジップも日本の神話のことは詳しくなっていて言います。
「それで後で出雲に入るんだったね」
「その子孫が大国主で」
 チーチーは先生から教えてもらった知識を辿りつつ言葉を出します。
「国津神のはじまりだね」
「そして日本の神様はどちらかだね」
 ホワイティが言った言葉です。
「天津神か国津神だね」
「それでこの神社はどちらなのかな」
 最後に言ったのはダブダブでした。
「一体」
「古事記によると国津神になるね」
 先生は皆にこちらの系統だとお話しました。
「どうやらね」
「そちらなんだ」
「国津神なんだ」
「そっちなんだね」
「どちらかというと」
「そうなんだ、ただね」
 先生は皆にさらにお話しました。
「他の説もあるんだ」
「国津神とも限らないんだ」
「何か凄い複雑だね」
「国津神かと思ったら」
「他の系統の神様かも知れないなんて」
「日本神話は凄く複雑だから」
 先生も学んで実感していることです」
「もうそれこそね」
「天津神、国津神で説明出来るか」
「その二つだけで」
「それも出来ないんだ」
「難しいんだ」
「そうなんだ、難しくて」 
 それでというのです。 
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