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仮面ライダービルド  笑顔絶やさずに

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第十八章

「死ぬんじゃねえぞ」
「しかし、変身の方法や戦闘スタイルが自然とわかってくるとは」
 内海は前に向かって歩きつつ考える顔で述べた。
「私達の中にかつての記憶が存在しているということでしょうか」
「無意識の中に、だろうな」
 氷室は内海に横から話した。
「それでだ」
「そうでしょうね、やはり」
 内海は氷室のその言葉に頷いた。
「青年さんに教えてもらってもです」
「普通はそこまでは自然に思い出せないな」
「それもはっきりと」
「そう考えるとな」
 どうしてもというのだ。
「俺達はだ」
「かつての記憶が存在していますね」
「日本が三つの国に分かれていた時のな」
「その時のお話は今も信じられませんが」
「全くだ、俺がそんな奴だったなんてな」
 氷室はここで首を捻った、どうにも信じられないといった顔だった。
「随分嫌な奴だったんだな」
「私もですね。というか社長はです」
「別に悪い人じゃないな」
「社員思いで温厚な方です」
 勤務先の経営者である彼はというのだ。
「同じ人でも」
「世界が変われば人が変わるか」
「そういうことですね」
「そうだな、ではな」
「これからですね」
「ストーンヘンジに行くか」
「そうしましょう」
「どんな奴が出て来るかはわかってるよな」
「当たり前だろ」
 万丈は桐生の言葉に顔を向けて強い声で答えた。
「エボルトを知ってるんだからな」
「ああ、あいつは確かにブラッド族の中でも強いけれどな」
「それでもだよな」
「あいつみたいな奴がな」
「大勢出て来るな」
「だから気を引き締めていけよ」
「お前こそな、全員倒していくぞ。スサノオもな」
 二人の目は仲間達と同じく前を向いていた、その彼等を店の扉の前で見送ってだった。石動は共にいる自分の娘に話した。
「よし、帰ったらな」
「その時はね」
「美味いものを驚く位出すか」
「とっておきのメニュー用意しておくのね」
「そうするからな」
「じゃあ今から忙しくなるわね」
「そうなるぞ、あいつ等は全員帰って来る」
 石動は美空に微笑んで話した。
「だからな」
「美味しいものをね」
「あいつ等が食いきれないだけ用意しておくぞ」
「若し残ったらどうするの?」
「残らないだろ、皆食うからな」
「何か矛盾してない?」
「矛盾は上等だ、とにかくな」
「今からよね」
「ああ、用意しておくか」
 石動は笑って話した、そうしてだった。
 ライダー達が帰った時の宴の用意に入った、美空も一緒だった。
 桐生達は戦場となるストーンヘンジに着いた、ブラッド族はまだいない。だが桐生達はそこに来る自分達以外の面々を見た。
 彼等は桐生達と同じく横一列になって戦場となる場所に来た、そうして桐生達の前に来てだった。宝生が桐生に微笑んで話した。
「間に合ったみたいだね」
「あんた達、いや言うまでもないな」
「君達と同じだよ、仮面ライダーだよ」
「そうだよな」
「名前はね」
 お互いにそれぞれ名乗った、その後でだった。宝生は桐生に話した。 
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