レーヴァティン
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。
ページ下へ移動
第百二十二話 関西からその七
「そうして敵を徹底的に叩いてだ」
「そうしてだな」
「後は普通の船で攻める」
鉄甲船での砲撃の後はというのだ。
「そうする、ではいいな」
「わかった、ではな」
「そうして攻める」
こう言ってだった、英雄は実際に鉄の船達を前面に出した。そのうえで敵の水軍に徹底的に砲撃を浴びせた。
大砲は次から次に火を噴き敵を撃った、すると木の小さな船達は直撃を受けずとも着水した砲弾の波でも大きく揺れ。
それで損害を受け転覆したり沈む船も出た、中に乗っていた者達も次々に湖の中に放り出される。英雄はそこでさらにだった。
木製の船達を突っ込ませ彼等には弓や鉄砲そして炮烙で攻撃をさせた。すると敵の水軍は余計に損害を出した。
それを見てだ、英雄は言った。
「後は切り込ませるが」
「既に、でござるな」
「勝ったと言ってな」
こう智に言った。
「いいな」
「そうでござるな」
「敵の損害も大きい、ならな」
「ここで、でござるな」
「降す様に言うか」
降伏、それを呼び掛けるというのだ。
「負傷者は救い死んだ者もだ」
「蘇らせるでござるな」
「降した敵兵は頼もしい味方の兵になる」
自分達に降ればというのだ。
「そうなるからな」
「だからでござるな」
「これ以上は戦はせずにな」
「降す様に言ってでござるな」
「降ればだ」
敵がこちらの降伏勧告を受ければというのだ。
「それでだ」
「湖に落ちた敵兵の救助と」
「死んだ兵達の復活だ」
そうしたことに力を注ぐというのだ。
「そうしていく、いいな」
「わかったでござる」
智も頷いて応えた、こうしてだった。
英雄は敵軍に降伏する様に促した、すると鉄甲船の砲撃から散々に打ちのめされていた彼等は一も二もなくだった。
それを受け入れた、英雄はすぐに戦から降った者達の救助と復活勿論自軍の将兵達のそれも行ってだった。
それが終わってから讃岐に上陸した、そうして言うのだった。
「これでだ」
「第一段階終了たい」
香織が言ってきた。
「そうなったとよ」
「そうだな」
「まずは上陸ばせんと」
「話ははじまらないな」
「そうたい、そしてたい」
「俺達はそれを果たした」
英雄はこう香織に答えた。
「今な」
「そうたい、ならたい」
「これからだな」
「讃岐一国を掌握してたい」
その様にしてというのだ。
「四国攻めの拠点にするたい」
「そうすべきだな」
「ではわかるとね」
「十万の兵を上げてな」
その彼等全てをというのだ。
「そうしてな」
「讃岐を掌握するとよ」
「ではな、だが」
「だが?」
「この四国も多くの勢力に分かれているか」
英雄は今度言うのはこのことだった。
「国ごとに」
「そうたい、讃岐と阿波と伊予はたい」
この三国はとだ、香織は英雄に答えた。
「実際にたい」
「多くの国人や寺社がか」
「それぞれ力を持っていてたい」
そうしてというのだ。
ページ上へ戻る