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星河の覇皇

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第七十二部第一章 マウリアの人口統計その三

「三百億いると言われてきたが」
「実は、ですね」
「それ以上にですね」
「いるかも知れない」
「そう言われだしていますね」
「一説には、だな」
 こう前置きしてだ、ギルフォードは二人に話した。
「千億とも言われているな」
「我が国と同じだけですね」
「同じだけの人口がいるとですね」
「そうした噂も出ていますね」
「どうやら」
「そうだ、まだはっきりわからないが」
 人口統計がまだはじまっていないからである、確かな数字がわかるのはこれからだ。
「しかしだ、連合の統計システムを導入してだ」
「最新式のですね」
「それをですね」
「そのうえでアウトカースト層まで統計するとだ」
 まさにというのだ。
「どれだけいるのかというとだ」
「あくまで一説にしろですね」
「千億いるかも知れないのですね」
「我がエウロパと同じだけの人口が」
「まさかと思いますが」
「そうだ、千億のアウトカースト層がいてだ」
 そしてというのだ。
「その彼等の経済もだ」
「マウリアに入りますか」
「そのまま奇麗に」
「そうなるとですね」
「その力は相当ですね」
「倍近くにまでだ」
 マウリアのその国力がだ。
「増大するかも知れない」
「その千億の総生産まで入り」
「納税もありますし」
「相当にですね」
「あの国の国力は大きくなりますね」
「そうだ、それを狙ってだ」
「クリシュナータ主席もですね」
「彼等を人口統計にリエルことにしましたか」
 カミュもアランソも言った。
「あの主席殿は切れ者ですが」
「そこまでされるとは」
「これはです」
「我々が思っていた以上の方ですね」
「そうだな、しかもだ」
 ギルフォードはさらに話した、マウリアのことを。
「それだけではなくだ」
「クリシュナータ主席だけでなく」
「あの方だけではないですか」
「まだ人がいる」
「あの国には」
「このことはアウトカースト側からも働きがあった」
 自分達をマウリア社会に戻す様に、というのだ。
「特に彼等の政府の領袖からな」
「我々はまだ正体を知りませんが」
「その御仁がですか」
「彼からも動いた」
「そうなのですか」
「その様だ、しかしアウトカーストの世界はだ」
 マウリアの中のこの社会はというと。
「マウリアの中でも謎に包まれていた」
「アウトカーストは不可触民です」
 カミュが言った。
「ですから」
「そうだ、触れてはならないということはだ」
「関わってはならない」
「そうした存在だからだ」
 戒律でそう定められているが為にだ。 
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