星河の覇皇

「中国の人口は四千六百万に増えた」
「まさに一気にですね」
「増えていますね」
「四倍以上に」
「そうなりましたね」
「古代では強力な政権でないとだ」
　その古代の基準でだ。
「とてもだ」
「正確な人口統計は出来なかった」
「到底、ですね」
「それが普通に出来る様になったのは近代以降ですね」
「技術やシステムが整ってからですね」
「今は普通に出来る」
　その人口統計がというのだ。
「そしてだ」
「そのうえで、ですね」
「国力も把握出来る様になりましたね」
「総生産についても」
「そちらもですね」
「そうなった、今はな」
　この時代についてもというのだ。
「どの国も正確な人口が把握されている」
「そうですね」
「我がエウロパもですね」
「人口の統計は正確ですね」
「総生産の把握も」
「何もかもがな、これは連合でも同じでだ」
　エウロパから見て宿敵であるこの国もというのだ。
「完璧に出ている」
「人口も総生産も」
「そのどれもがですね」
「出ていて」
「そのうえで」
「国力が把握されていてだ」
　そしてというのだ。
「あの規模」
「四兆の人口に我々の百倍の総生産」
「それだけのものがですね」
「まさに秒刻みで出続けている」
「そうなっていますね」
「サハラも然りだ」
　ギルフォードはこの地域のことにも言及した。
「戦乱に覆われてきた国だが」
「その国力はですね」
「やはり正確に把握されてきましたね」
「人口も含めて」
「戦乱の中でも」
「戦争の後で必ず人口統計が行われてきた」
　当事国同士の間でだ、滅亡した国があれば滅ぼした国が行っていた。
「だからわかってきた」
「常にですね」
「正確にですね」
「それがわかってきた」
「そうでしたね」
「サハラでもな、しかしだ」
　ここでだ、ギルフォードはまた言った。
「マウリアはだ」
「あの国はですね」
「それがわかりませんね」
「普通のカースト層やヒンズー教徒以外は把握されていますが」
「しかしです」
「アウトカースト層については」
「彼等のそれは行われていない」
　長い間というのだ。
「そうなっていた、しかしだ」
「これからですね」
「それが変わりますね」
「いよいよ」
「彼等への人口統計が行われますね」
「間もなくな、それでだが」
　ギルフォードはあらためて言ったのだった。