| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

悪人達がサキュバスに転生しましたが、容姿が見た事のあるキャラばかりでした

作者:黒の汚水
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

もとテロリストは、とあるズボラな教師となる

吃驚した。
凄く吃驚したよ。
ダンジョンの探索から、無事に帰ってきた3人。
だけど、スヤリスが全身血塗れ。
大怪我!?と心配したのに、返り血だったとは…。
まあ、無事で良かった。

「…それで、私の前に置かれた魔物の死体は何?」

「食べられるか、鑑定して欲しい。」

アイズの言葉に耳を疑った。
これを食べる!?
確かに、ダンジョンで肉を確保するとしたら、魔物しかない。
食べるのに勇気が要りそうだが…。
とりあえず、鑑定しよう。
私のチート能力は、錬金術の力。
鑑定は、おまけみたいなもの。
素材として使えるか判断する為に。
今の状態だと、私は足手まとい。
素材や錬金術に必要な器具がないと、何も出来ないのだ。

======================
ヘルハウンド
種族:魔犬 状態:死亡 ランク:C
食べられる肉(美味しい)
錬金術と防具の素材
======================

食べられる上に、美味しいとは…。
アイズに大丈夫と伝える。
素材に使えるのは、牙や皮?
解体して、取っておくべきだね。
しまった。
解体する道具もない。

「誰か、短剣作れる人いる?」

「俺が出来るよ。」

クロエが挙手した。
悪いけど、解体してもらおう。
サキュバスの魔力で作る武器は、自分しか使えない。
作った本人の手から離れると、魔力が霧散して、武器が無くなるのだ。

「教えるから、解体してね。」

「解体かー、了解。」

「この部分を真っ直ぐ斬って、次はそこを斜めに。」

「えーと、こう?」

「うん、上手だよ。」

解体するのも、教えるのも慣れている。
私はテロリストだった。
なんといいますか、家族全員がテロリスト。
森に潜み、機会があれば、破壊活動。
食糧は自給自足で、小動物を捕まえて食べていた。
そのおかげである。

「解体終わり、ばっちりだよ。ありがとう。」

「こっちも貴重な体験できて、面白かったよ。」

転生前は何をしていたか知らないけど、クロエには才能がある。
初めてなのに、綺麗に解体できている。
今度から解体は、全て彼女に任せよう。
肉を食堂に運んで、牙や皮は部屋の隅に片付けた。

「ううー、血でベトベト。」

「温泉できてるぞ。こっちだ。」

真っ赤に染まったスヤリスを、涼子が連れて行く。
温泉か、いいなー。
私も一緒に入ろう。

「私も入るわ~。」

「俺も。」

「同じく入る。」

どうやら、全員で入る事になりそうだ。
中層に移動して、温泉に到着。
見て言葉を失った。
広過ぎだ。
50人が入っても、まだ余裕がありそうな温泉。
泳げそう…しないけど。

「シャワーもあるのか。」

「そこで汚れ落としてから、入ってくれ。」

「分かった。皆が使う場所だ。清潔にしておこう。」

オティヌスと涼子の会話を聞き、服を脱いで身体を洗う。
転生前は、雨とか川で洗っていた。
不衛生極まりない。
よく病気にならなかったな私。

「あー、これはたまらない。」

温泉に入ると、じんわりと身体が暖かくなり、とても気持ちがいい。
サキュバスになったわけだが、人間と変わらない。
いや、温泉が偉大なのかも。

「くふふ。目の前に、裸の美女と美少女達が…。」

里美が危ない目で、私達を見ていた。
両手をワキワキさせながら、ゆっくりと近づいてくる。
背中に悪寒が走った。
全員がゆっくりと離れる。

「落ちつけ、里美。俺達の中身は、もと男性だぞ。」

「もとでしょ!今は女性の身体!あああ、堪能したい!」

オティヌスが説得するも、駄目だった。
完全に欲情している。
サキュバスになったせい?
…違う。
もともとの性格か。

「真冬ちゃん、美しいわ。細いけど、バランスの良い、しなやかな筋肉。」

「ひいいぃっ!?」

ロックオンされた!?
私の姿は、桐須真冬。
ぼくたちは勉強ができないに登場する教師。
メインヒロインの3人より、大好きなキャラクター。
…って、今はそれどころじゃない!
背負向け、猛ダッシュで逃げる。

「逃がさないわよ!魔法の力!」

チート能力を使った!?
ひ、卑怯者!
魔法で強化した里美から、逃げ切れるはずもなく。
捕まった私は…。
胸を揉まれまくった。

「いいわ!凄くいいわ!この感触!」

「にゃああああああああああっ!」 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧