悪人達がサキュバスに転生しましたが、容姿が見た事のあるキャラばかりでした
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もとテロリストは、とあるズボラな教師となる
吃驚した。
凄く吃驚したよ。
ダンジョンの探索から、無事に帰ってきた3人。
だけど、スヤリスが全身血塗れ。
大怪我!?と心配したのに、返り血だったとは…。
まあ、無事で良かった。
「…それで、私の前に置かれた魔物の死体は何?」
「食べられるか、鑑定して欲しい。」
アイズの言葉に耳を疑った。
これを食べる!?
確かに、ダンジョンで肉を確保するとしたら、魔物しかない。
食べるのに勇気が要りそうだが…。
とりあえず、鑑定しよう。
私のチート能力は、錬金術の力。
鑑定は、おまけみたいなもの。
素材として使えるか判断する為に。
今の状態だと、私は足手まとい。
素材や錬金術に必要な器具がないと、何も出来ないのだ。
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ヘルハウンド
種族:魔犬 状態:死亡 ランク:C
食べられる肉(美味しい)
錬金術と防具の素材
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食べられる上に、美味しいとは…。
アイズに大丈夫と伝える。
素材に使えるのは、牙や皮?
解体して、取っておくべきだね。
しまった。
解体する道具もない。
「誰か、短剣作れる人いる?」
「俺が出来るよ。」
クロエが挙手した。
悪いけど、解体してもらおう。
サキュバスの魔力で作る武器は、自分しか使えない。
作った本人の手から離れると、魔力が霧散して、武器が無くなるのだ。
「教えるから、解体してね。」
「解体かー、了解。」
「この部分を真っ直ぐ斬って、次はそこを斜めに。」
「えーと、こう?」
「うん、上手だよ。」
解体するのも、教えるのも慣れている。
私はテロリストだった。
なんといいますか、家族全員がテロリスト。
森に潜み、機会があれば、破壊活動。
食糧は自給自足で、小動物を捕まえて食べていた。
そのおかげである。
「解体終わり、ばっちりだよ。ありがとう。」
「こっちも貴重な体験できて、面白かったよ。」
転生前は何をしていたか知らないけど、クロエには才能がある。
初めてなのに、綺麗に解体できている。
今度から解体は、全て彼女に任せよう。
肉を食堂に運んで、牙や皮は部屋の隅に片付けた。
「ううー、血でベトベト。」
「温泉できてるぞ。こっちだ。」
真っ赤に染まったスヤリスを、涼子が連れて行く。
温泉か、いいなー。
私も一緒に入ろう。
「私も入るわ~。」
「俺も。」
「同じく入る。」
どうやら、全員で入る事になりそうだ。
中層に移動して、温泉に到着。
見て言葉を失った。
広過ぎだ。
50人が入っても、まだ余裕がありそうな温泉。
泳げそう…しないけど。
「シャワーもあるのか。」
「そこで汚れ落としてから、入ってくれ。」
「分かった。皆が使う場所だ。清潔にしておこう。」
オティヌスと涼子の会話を聞き、服を脱いで身体を洗う。
転生前は、雨とか川で洗っていた。
不衛生極まりない。
よく病気にならなかったな私。
「あー、これはたまらない。」
温泉に入ると、じんわりと身体が暖かくなり、とても気持ちがいい。
サキュバスになったわけだが、人間と変わらない。
いや、温泉が偉大なのかも。
「くふふ。目の前に、裸の美女と美少女達が…。」
里美が危ない目で、私達を見ていた。
両手をワキワキさせながら、ゆっくりと近づいてくる。
背中に悪寒が走った。
全員がゆっくりと離れる。
「落ちつけ、里美。俺達の中身は、もと男性だぞ。」
「もとでしょ!今は女性の身体!あああ、堪能したい!」
オティヌスが説得するも、駄目だった。
完全に欲情している。
サキュバスになったせい?
…違う。
もともとの性格か。
「真冬ちゃん、美しいわ。細いけど、バランスの良い、しなやかな筋肉。」
「ひいいぃっ!?」
ロックオンされた!?
私の姿は、桐須真冬。
ぼくたちは勉強ができないに登場する教師。
メインヒロインの3人より、大好きなキャラクター。
…って、今はそれどころじゃない!
背負向け、猛ダッシュで逃げる。
「逃がさないわよ!魔法の力!」
チート能力を使った!?
ひ、卑怯者!
魔法で強化した里美から、逃げ切れるはずもなく。
捕まった私は…。
胸を揉まれまくった。
「いいわ!凄くいいわ!この感触!」
「にゃああああああああああっ!」
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