女神と星座の導きによりて
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星27 邂逅2
あれから一気に双魚宮まで上りました。
え?他の宮の様子を教えろですか?
やっぱりというか、シュラとアフロディーテしか会わなかったですよ?
デス君は多分、そろそろ帰ってくるんじゃないでしょうか。
ちなみに、シュラに会った時は何も言われなかったですけど、頭を撫でられて、ディーテには穏やかな表情で軽いハグをされました。
ちょっとほっこりしたのは内緒です。
しばらくすると見覚えのある銀髪の少年が階段を上ってきました。
あれは、デス君ですね!
「デス君!お久しぶりです」
「あ?ああ、久しぶり」
相変わらずそっけないですねぇ。
まぁ、らしいといえば、らしいですけど。
「おおー、こうしてみると皆さん、大きくなりましたねぇ。昔は私位だったのに」
「流石にあれから六年も経ってるんだ。私達だって成長するさ」
ディーテがはにかみながら言います。
ディーテ……こうして見ると本当に美しいです。
ちゃんと男の人で、声も男性的なのに女性らしい美しさを持っているとか、美の女神アフロディーテにも負けてないんでない?
「姉さん、記憶が戻っているのはもう分かっているから、はっきり言うけど、私は!見た目はこうだけれど!男だから!うっとりしない!」
「……ハッ!危ない危ない。危うく見惚れて魂が飛んでいく所でした!」
っぶねーです。私の弟分、最高にふつくしいのでぼーっとしちゃいましたよ。
「たはは」とディーテに笑って後頭部を片手で撫でていたら、後ろから目隠しされました。?なんでしょう?
「……サガ、大丈夫。姉さんだよ?私に惚れたりしないって」
「だが……」
「こいつに惚れた腫れたとかって認識できんのかよ?」
「というか、サガ、いつの間に戻ったんだ」
うーん、話の流れ的にこの私の目を覆ってるのはサガの手のようですね。
ん?ディーテに惚れる……?
「ディーテは弟分ですよ?」
「ほら、だから言っているだろう?心配ないって」
「………うむ」
サガは何を不安がっているのでしょう?謎です。そろそろ目を覆っている手を退かせてはいただけないものですかねぇ。
あ、そうそう
「デス君、後で双魚宮裏です」
「なんでだよ!!」
忘れてませんよ、さっきの発言。誰が認識障害だって?誰が。
「誰もそこまで言っとらんわ!」
「むむ、心を読むだなんて生意気ですよ。カニさん」
「本当にお前は相変わらずだな!?」
うむ、このやり取り、懐かしいですね。こうでなくては。
「で、サガ、そろそろ手を退かせてくださいな。何も見えませんよー」
さっきからずっと目隠しされてるんですが、早く退かせてくださいー。
「あ、ああ。すまなかった」
そういって手を退かせて頂きました。ふう、視界が明るいです。
「しかし、今日は随分と長くいつものサガが出ているな」
シュラがちょっと疑問に思っている事を言った感じですね。何ですか?悪サガばかり出て来てるんですか?
「大方、姉さんが居るからじゃないかな?ふふっ、これこそ”愛”の力ってヤツかもね」
うおっ、恥ずかしい発言、ありがとうございます、ディーテ。
「けっ、そんなお綺麗な理由じゃねーだろ」
デス君がジト目でこちらを見つめながら言います。なんでしょう?
「どうせ今は希望を持たせて、後で絶望に落とす様な事でもするんじゃねーの?いつものサガは邪魔だろうからな。まぁ、碌な事は考えてないだろうよ」
「おおー」
思わず拍手してしまいました。予想だけでも出来るデス君はすごいです。
多分考え方が似てるのかもしれませんね。
「おい、今失礼な事考えなかったか?」
「いいえ、全然?」
勘がいいですね。危ない危ない。
「……私としては一生出てこなくても良いのだが」
そりゃそうですよね。悪サガが出て来てしまったから、沙織とアイオロスは……。
ん?悪サガが出てきたのって一応カノンが原因だったハズですけど、別にカノンって悪童なんて言われるような事してませんよね?
それにサガとは結構仲良かったハズです。どうやって悪へ誘惑したんでしょう?
あれー??
ま、まぁ、とりあえず、今の聖域は悪サガに支配されている様なモノですからね。
察するに正体がバレそうになる、もしくはバレたりする等になると、その人は殺されるみたいです。
良くそれで今までバレなかったものですわ。
一応不審に感じていた人が居た様な描写はありましたから完璧とまではいかなかったみたいですけど。
それに特にこう、混乱してるーとか、混沌としてるーとかってないんですよね。
悪サガがちゃんとお仕事等しているようには感じません。どうしてるんでしょう?
「真名、ヤツがまともに執務等していると思うか?」
「ぶっちゃけ、思いません」
「本当にぶっちゃけやがった」
「しかも即答」
「流石、真名だな」
こらこら、三人共どういう意味ですか。
「執務や慰問等は、全てこのサガがやっている」
「え、彼は?」
「…………」
めっちゃ眉間しかめて黙ってますよ。よっぽど言いたくないんですね。
「それなら俺、女侍らせながらワイン片手に優雅にしてた所見たぜ?」
「デスマスク!!」
おや、それはアニメでやってませんでしたっけ?
しかし、そうですか。侍らせてたんですか。そうですか……。
「……真名?」
「ん?」
なんですか?四人共、身を寄せ合って私から離れるとは。
「お、怒っているのか?」
「怒る?何に対してですか?」
ふふっ、ちょっとモヤッとしましたが、それだけですよ。
そう、そ れ だ け ですよー。
「……サガ、お前のせいだぞ」
「私か!?」
「どちらかと言えば真実とはいえ、はっきり言ったデスマスクが悪い気がするのは俺だけか?」
「私としてはどっちもだと思う。サガは……姉さんの言葉を借りるなら”仕方がない”事だという感じかと……」
何やらボソボソと何か話してますけど、なんでしょうね?
まぁ、それはそれとして
「所でサガ」
「 !? な、なんだ?」
そんなにビックリしなくても……
「さっきも聞きましたけど、執務とかは貴方がしてるんですよね?」
「そうだが?」
「全部終わらせて来たんですか?」
そう聞いた瞬間、サガの顔色が悪くなりました。
そして、彼は
「真名、すまない。私は……私はこれからやる事がある。それが終わったらまた会おう。デスマスク、シュラ、アフロディーテ。後は頼む」
そう言って教皇宮に向かいながら仮面を付け、兜をかぶりました。
なるほど、これは
「終わって、ないんですね……」
多分ですけど、私の事を知ったので”執務なんぞしてられるか!”みたいな感じで気分転換も兼て慰問に行き、そのついでにコルウスを始末。
そして、私に会いに来たと。
なんというか、サガ、改めてコルウス、すみません。
理由がほとんど私のせいとか……。笑えませんねぇ……。
後書き
こんなお話の終わり方ですみません。
中盤あたりまではお話出来てたんですけど、後半難産でした。
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