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女神と星座の導きによりて

作者:草ナギ
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星12 降臨間近


 以下省略!!
 はい!いきなりなんだ!?と思われるでしょう。
 うん、私もされたらビックリです。
 えー、説明してほしいんですかー?んじゃぁ、説明しますけど……。
 年少組の皆さんが十二宮順に日にちを置いて黄金聖闘士になりました☆
 もうね、目の前で黄金聖衣を纏って教皇様の言葉を聞き、皆さん「謹んでお受けいたします」とか言ってるんですよ。年齢一行の子供がですよ!(自分の事は棚上げですよ!悪いか!)
 それを見ていた私は、解散になって教皇宮から帰り、双魚宮にて一人になって……もう、個人的に言わせていただくと、

 「はええええええ!!」

 でした。
 もう、口調も悪くなりますよね。
 教皇様はどんな事をお考えなのか!一気に皆さんを黄金聖闘士にしてしまう訳と……は……。
 まさか……、女神降臨が近い……?確かにそろそろだろうなって思っていましたが、こんなに早いんですか?ま……
 
 「マジかー……」

 言っておきますが、”マジか”と”間近”をかけたダジャレではないので悪しからず。
 って、ボケてる場合ではないのです。
 
 「気のせいですかねぇ……?」

 最近、兵士さん達の間でアイオロスの評判が微妙なんですよね。
 こ、これはまさか……

 「(闇の人格出始めてませんかー!?)」

 そうなんですよね!番外的何かで、サガの闇人格の策略によってアイオロスの評判を落としにかかる描写があるとかないとか。
 今まさにそんな状況ー!?ア、アイオロスゥー!!
 そんな事させてたまるかー!っという訳で。
 
 「《第14回、いつもありがとう!これからもよろしくね!の労うの会》ぃー!!」

 「「はい?」」「「「はぁ?」」」「「なんだ?」」
 
 ふっふっふー、皆さん、驚いてる驚いてる。そうですよねー。
 私達、黄金聖闘士は下の者達とは格が違い過ぎて、担当してる女官さんや、一部の兵士さん以外とは接触しませんからねぇ。
 こういうのはしたことがないでしょうな!

 「姉さん、”また”かい?」

 「む、”また”とはどういう意味なのだ?アフロディーテ」

 サガがディーテに質問してます。おや?意外と知らなかったんですね。

 「ふぅ。初めて知った時は私も驚いたモノだったけど……、半年に一度、姉さんは担当してくれている女官や、青銅、白銀聖闘士達だけでなく、下々の女官や、兵士たちにまで労りとして女官と一緒にクッキーを配っているんだ」

 「「「はぁっ!?」」」

 おおう、皆さんそんなに驚かなくても……。

 「そんな手間かけてんのかよ。ご機嫌取りかぁ?ご苦労様なこって」

 「むむっ、ご機嫌取りの何が悪いんですか!」

 「認めるのかよ!?」

 何を言いますか、大事な事ですよ。

 「何言ってるんです?私達は確かに十二宮を守る砦。だけれども、その他は下で働いている皆がいるから成り立つんじゃないですか。下を蔑ろにするのは論外。たまには労わなければ、信頼も何もありません」

 サガだって良くやってる事じゃないですか。ロドリオ村に行ってご老人に拝まれてるの知ってるんですよ?まぁ、黄金聖闘士になった私達にも拝んできますけど……。

 「材料はどうしているんだ。砂糖なんて貴重な物、良くそんなに手に入るな」

 「ふっふっふー、秘密です!なんてね。何、簡単ですよ。半年に一度だけ大量に買い占めているだけです。後は前回、使っていない砂糖を使いまわしているんです。使ってない砂糖をしっかり保存する方法があるのです。それに……」

 何より君達用に使って消費してますので古いのは直に無くなります!
 片手を振り上げ、そう言った私の顔は仮面で隠れてましたけど、輝いていたと思います。
 そして、そんな私をアイオロスとサガは苦笑して見つめて、ディーテや、デス君、シュラは呆れたかの様な顔をし、年少組は一部尊敬の眼差し(多分あまりわかってない)を私にしていたと、後でムウから教えてもらいました。
 まぁ、そんなこんなで、私は星の形をした小さな型抜きを持ち、他の皆さんにはそれぞれの星座の型抜きを持ってもらい、練っておいた生地に何個か皆さんで刳り貫いてもらいました。
 ただ、サガが自分の刳り貫いたクッキーを一つ欲しがったので、焼けた時にあげる事にしましたが、恐らくカノンにあげるつもりなんでしょう。弟想いな良いお兄さんですねぇ。
 ん……?仲が良いのは大変よろしいのですが、カノンってサガの中の悪を刺激して……サガが怒って……、あれ?こんな仲良しでカノンってスニオン岬に閉じ込められるんですか?え?マジで??
 どんな風に悪を刺激したのかが思い出せませんが……今のカノンって悪童って感じ全っ然ないんですけど。
 え、何かどこかでやらかしました?私。
 うーむ、全然心当たりがありますん。
 いえ、ありません。
 ……ま、なるようになりますよね!!
 と、開き直る私なのでした。
 とりあえず、クッキーの刳り貫きが終わり、熱しておいたオーブンもどきでクッキーを焼きます。
 耐熱性ガラスはこの台所にはありませんが、一部の方々が珍しがって覗き込みます。因みに今回は無塩バターがないので普通のバターに薄力粉、砂糖の三つで作りました。焼き時間は約十五分前後、簡単に出来上がります。
 今度、アイスボックスクッキーの作り方でもカミュに教えてあげますか。凍気で簡単クッキー!カミュ特性ですね。略してカミュクッキー。
 後でレシピ書きますか。
 そういえばですね。最近、砂糖の購入が楽になってきたんです。
 時代が変わってきたって事なんでしょうねぇ。
 そうしもじみ思っていると、

 「真名、真名はすごいな。なんでもできるんだな」

 きらきらした瞳で見つめてくるアイオリア。
 年少組の皆さん、私の身長と同じ位になってるんですよね。私、一応日本人の女性平均より高めなんですが……、何この子達、ちょっぴり悔しく感じてしまってます。
 まぁ、そんな事はいいのです。どうやら初めてクッキーを作る姿を見たのでアイオリア的にすごいと思ったみたいですね。いや、普通に誰でも出来ますよ。メシマズでなければ……。
 
 「私がすごいのではなく、お菓子を開発した人がすごいのですよ。私はそれに倣って作っているだけですから」

 「でも、小宇宙の練り方とか、技の開発とか、戦いだけでなくて、こういうお菓子の作り方を知ってるの、俺はすごいと思うぞ」

 おおう、純粋な瞳で見つめられると実は実年齢は三十一歳の私はなんだかちょっぴり複雑というか、自己嫌悪というか。ただ単に趣味がお菓子作りだからレシピが頭に残っているというか……特別すごい訳ではないのですが……。
 
 「なー、真名!そろそろ焼けるんじゃねー?」

 オーブン前にて待機していたミロがそう言ってきました。
 おお、確かにそろそろ十五分になりますね。
 
 「では、取り出しますか。アイオリア、ちょっと離れてくださいね。熱いですから火傷してしまうかも」

 「うん」

 クッキーの出来栄えは二重丸。良い出来です。
 次のクッキーをオーブンもどきに入れて、出来上がった方を冷まします。
 もちろんカミュに頼んで。

 「一気に冷やすのではなく、ゆっくりお願いします」

 と言うと、

 「わかりました」

 そう返事が返ってきて両手をクッキーにかざし、凍気というより冷気ですね。しかし、これってカミュの修行にもなりませんか?凍気をコントロールする意味で。一石二鳥ですな!そして、クッキーが焼ける度にやっていただいて無事に出来上がりました。

 「サガ」

 とりあえず出来上がった双子座のクッキーとおまけで入れた星型のクッキー数個を袋に入れてサガに渡します。

 「ありがとう、真名」

 「ふっふっふー、美味しく召し上がってくださいな」

 「ああ」

 相変わらず笑顔が眩しいです。うーむ、悪の人格って確かアテナの盾の光で浄化されるんでしたっけ?アテナが降臨してからじゃないと意味ないんでしょうか?今からしませんか?浄化。
 結論から言うと《第14回、いつもありがとう!これからもよろしくね!の労うの会》は大成功?でしたー。
 流石に私以外の黄金聖闘士達も参加していたので、めちゃくちゃ驚かれましたけど。私個人は楽しかったので良しとします。
 そうそう!アイオロスの評判ですが、そう簡単には評判は改善されませんでしたけど、なんか今回、黄金聖闘士の皆さんで配ったからか大分マシにはなった感じではあります。負けるな、アイオロス。がんばれアイオロス。今日の一番星も輝いているぞ!
 
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