願いを叶える者(旧リリカルなのは 願いを叶えし者)
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依頼を受けました
「すみません、警視庁のものですが」
皆さまおはよう。
強盗騒ぎがあった翌朝、7時とか言うまだ寝てる人とかいるであろうクソ早い時間から訪問者が現れました。
「昨日起きた強盗事件についてお聞きしたいことがあって来ました」
いやなんでだよ。
あのデパートに居たの1時間くらいだぞ?しかも首謀者を文字通り縄に掛けてトンズラした筈だ。
なのに何でこんな早く、しかもピンポイントに家凸してくるの?
ストーカーか何か?警察でもさすがにそこまで出来ないでしょ?
「…はい」
「あぁ、やっぱりいらっしゃいましたね。
我々はこう言うものです」
寝ぼけ声で玄関開けてやったら金髪で褐色肌の男と目つきの悪い眼鏡かけた男が居た。
しかもご丁寧に警察手帳なんて見せてきやがる。
「…お勤めご苦労さんです」
「はい。それでですね、昨日起きたデパートでの件についてお聞きしたいことがありまして、お時間頂けますか?」
めんどくさいなコイツ。
凄え笑顔振りまいてるけど返って嘘クセェ。
おまけにメイクか知らんけど目の下のクマが丸わかりだ。
「あー、何ですかね?ご同行はしたくないんですけど」
「返答によってはそうなるかもしれませんね」
「え、脅迫?…警察って何だっけ?」
「市民の安全を守るべく集った国際機構です」
ドヤ顔やめろよ。
「…取り敢えずどーぞお上りください。
立ち話とかご近所さんに多大なる迷惑をかける他、こんな朝早くにそこそこ通ってく声音に眠りを妨げられたく無いでしょうから」
と、暗に「テメェらくるならもっと的確な時間とかあっただろうが良い迷惑なんだよボケナス」と言ってみた。
「では是非ともお邪魔させていただきます」
「失礼します」
そんな俺の心境も汲まずに上がってくる2人。
「で、何が聞きたいんですかね?」
「ええ、まずはこちらをご覧いただきたい」
そう言って取り出したタブレットを操作し、画面を見せられれば昨日の映像。
「貴方は、撃たれましたよね?」
「ええ。撃たれましたね」
「どうして生きているんです?」
「え?死んだ方が良かったと?」
「そうではありません。しかし相手は拳銃。おまけに頭を撃たれたとなれば死んでいなきゃおかしいじゃないですか?」
「つまり死んでくれた方が後処理楽で良かったのに、って事?」
「だからっ!」
「回りくどい言い方してこないで単刀直入に言えば?「貴方は人間ですか?」ってな」
「…!」
つーか朝っぱらから来ておいて事件より俺の身の上話しに来たのかよコイツら。
警察って暇なのか?
「…言い方を変えます。
貴方は銃で撃たれたのに、無傷であった。
普通、銃で撃たれれば流血は間違いないはずなのに…。
一体、どう言った方法で無傷だったんですか」
「単純に人より頑丈だからだな。銃弾程度なら痛いで済む」
「…貴方は…人間では無いんですか?」
改造人間です…って言ったら面倒が加速するからやめとこう。
しかしここってファンタジー要素無いんだよなぁ。
でも付きまとわれても迷惑だし、さて…。
「純粋な、と言う意味でなら違うと答える。
で、俺が普通じゃない事が聞きたかったのならもう終わりだよな?
俺が普通じゃないから銃が効かなかった。これで疑問は解決した」
「い、いえ。まだ聞きたい事があります」
「好きなものはあんぱん。年齢は1000から先は数えてない。
性別は男。身長は…いくつだったかな?趣味は人助け擬き。仕事はしてない。普段やってることは何でも屋。
犯罪と男女間の問題以外はなんでも請け負ってる。
好きな人は居ない…こんなもんか?」
ねぇ、何で何も喋らないの?
俺自己紹介したんだけど。
「あぁ、名前は赤志ユウジ」
「僕は安室透です」「風見祐也です」
「…で、他になんかあるの?」
普通に偽名名乗りやがったこの金髪。
「…何でも屋をしていると、言いましたね?」
「言ったね」
「犯罪と男女間の問題以外は請け負うんですね?」
「…まぁ、大抵のことはするね」
「僕の、公安からの依頼を、受けてもらえますか?」
まぁ、想像ついてたよ?
寝る暇ないくらいに忙しいってのはブラック以外でそう言うことだから。
「内容による」
「僕らの、いえ、俺の協力者になって貰いたい」
「いいよ」
「勿論報酬は…え?あの…」
「いや、報酬は別にいいけど。何?」
「俺たちが怪しく思えたりしなかったんですか?」
「あんたらの素性はもう知ってる。
偽名まで名乗りやがったんだから怪しむのも当然だろう。
だから隅々まで調べ尽くして、その上で承った。
何に協力すればいいのかも粗方検討ついてるし、サクサク片付けることも契約してやろう」
何でこう、依頼者ってのは回りくどく言ってくるんだろうね?
「知ってたのか…俺たちの事を」
「まぁ知ったのは今だけど。そこらへんはその内話すんじゃない?
一応言っとくと、俺に隠し事は出来ないと思ってくれよ。
動くかどうかは別として、まぁバックアップ位はしてやるさ」
「バックアップ…例えばどんな」
「ヒール」
「うわっ!?」
バックアップっつったら後方支援だろ。
という事で安室…降谷とやらにヒールをかけてやった。
いきなり自分の体が光ったことに驚いたのか、仰け反るように立ち上がったが、体を弄って異常が無い事を確認する。
「何だ…今のは。それよりも身体が…!」
「降谷さん!大丈夫ですか!?」
「いや、問題ない。だが…今何をしたのか聞いても?」
「体力の回復及び身体異常の回復を行った。魔法で」
「魔法…魔法だって?ははっ。たしかに身体が軽い。
ダルさだって消えてる。でも魔法…なんて」
「取り敢えずさぁ、腹減ったんだわ。
メシ食いたいから外出ていい?話とかその後で」
マイペースなユウジの物言いに、降谷と風見はお互いに目を合わせ「「どうぞ…」」と言う他なかった。
「何か下の階で面白そうな展開が発生した気がする!」
「…ふふっ。ゆー君楽しそう」
「…zzz」
それぞれの部屋での一コマ。
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