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憑依者の英雄譚

作者:黄泉姫
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6話

オラリオに来て、早くも二週間たった。そんな俺は絶賛大ピンチです。

「チクショー!調子のって五階層に降りるんじゃなかったぁーー!」
「ヴモオオオオォォォォォォォォ」

ただいま、ミノタウロスと絶賛鬼ごっこ中なのだ。

「クソぉ、仕方ねぇ!」

俺は腰に帯刀していた小烏丸を抜刀する。そしてミノタウロスの肩に斬りかかる。

「ナッ、堅すぎだろ!」
「ヴモォ?」
「おいおい、なんだよ。その何かしたかって言う反応はよう」

マジで堅い。堅すぎる。肉と言うより筋肉が断ちにくすきだろ。

「モォオ!」
「危ねぇ、こんのっ!」

殴りかかってくるが上手く刀で流して、腕を斬り落とそうとするがやはり斬れない。

「刃が欠けちまいそうだ」

距離をとって刃を見る。欠けた様子はないがそのうち欠けてしまうだろう。

「あまり使いたくはないけど」

目を閉じる。すると、その瞬間に止め刺すつもりでミノタウロスが俺に突進してくる音が聞こえてくる。

「…」
「ヴもぉ」

ミノタウロスの腕をまるで紙切れのように斬れた。

「ふぅ、さてこの眼はあんまり長く使いたくないんでな。終わりにするぜ」

直死の魔眼を使い、死の線をなぞるように斬る。感触としてはまるで良く斬れる包丁で肉を切るような感覚だ。

「終わりだ」

俺はそのままミノタウロスの頭から右半身へと歪に伸びていた線の一本をなぞり斬る。そしてそのままミノタウロスは崩れ落ちながら灰へと変わっていった。

「ふぅ、まあ今回はスキルがあってよかった。さて魔石とドロップの素材があったら回収しな」
「ヴモォオオオオォォォォォォォ!」
「おいおい、嘘でしょ」

後ろを向くともう一体のミノタウロスがこちらにやって来ていた。

「たく、俺は今日は厄日か何かなのかよ!」

どうする。さすがに直死の魔眼をもう一回使う気にはなれねえ。あれは長時間使用していると周りのモノの死、バラバラになったような映像が映り込んできて気分が悪くなる。

「醒めるで体を作り替えて逃げる?いや、この先に誰か他の冒険者がいるかもしれないんだ。そんな中で亜音速で突っ切っていったらそれこそ二次災害だよな」

ここまで考えてあることをすることにした。

「仕方ねぇ、後ろに誰かいる可能性もあるけどこれを使うか」

小烏丸を鞘へと納めて、向けた。

「目を合わせる」
「ヴモォォ………」

そのままミノタウロスが石なったことを確認した。

「ふぅ、久しぶりに使ったけど体に異状はな」

あれ?体に力が。
そのまま俺は意識を手放した。一人の女性が近づいて来ることに気づかずに。

アイズside

私は逃げたミノタウロスを追って上層へとやって来た。

「居た」

見つけたミノタウロスの前に一人の冒険者が居た。

「危ない」

私はそのままスピードをあげようとした。でも。

「え?」

あり得ない現象だった。ミノタウロスが石になっていたのだ。

「今の、魔法?」

すると、石になったミノタウロスの前の方からドサッと言う音がした。

精神疲弊(マインドダウン)

駆け寄ると気絶していた。先程の魔法と思われる力のせいだと思う。

「おい、アイズ。なんだあのミノタウロスの石像はってなんだそのガキは」
「ベート、さん。この子、どうしたら良いですか?」
「んなこと、俺が知るか。そんな雑魚放っとけ」
「この子、がミノタウロスを石にさせていたんです」
「あぁ?チッ、だったらババアとフィン達のところに連れて帰るか。ここで合流するの待ってればいいだろ」

そうか、そうすれば良いんだ。

「じゃあ、ベートさん。フィン達を呼んできてもらって大丈夫ですか?」
「仕方ねぇ」

そのままベートさんは走り去っていきました。

「このまま、じゃ辛いよね?」

どうすれば良いのか考えたとき前にロキが男の人は膝枕をされると安らぐっていってたような気がする。

「よいしょっと」
「う、ぅうん」

デスペレートをしまって正座してこの子の頭をのせてあげる。

「もふもふ、してる」

頭を撫でてあげるととても気持ちよかった。
そのままフィン達がここに来るまで私はこの子の頭を撫でて居た。

アイズsideend 
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