『転生特典はガチャ~最高で最強のチームを作る~』
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五話目
イッセーがオカ研に呼ばれてから数日。イッセーがオカ研に入部して契約のチラシ配りなどの眷属悪魔の下積みを始めた。
残念ながら会話の内容は知らないが、此処数日のイッセーの行動から考えても、彼が悪魔に転生して正式にリアスの眷属になったのは間違いはないだろう。
そんな中、四季は一人ではぐれ悪魔の退治にやってきていた。何時もの様に怪盗の変装セット一式を身につけ、今回はビルドドライバーを装着していた。
「さあ、実験を始めようか」
両手に取り出したラビットフルボトルとタンクフルボトルを振りながらビルドドライバーに装填、
『ラビット! タンク!』
『ベストマッチ!』
『Are you ready?』
「OK、ビルドアップ!」
『鋼のムーンサルト! ラビットタンク! イェーイ!』
その姿を変えるのは仮面ライダービルド・ラビットタンクフォーム。
「オリャ!」
バイザーと言う名のはぐれ悪魔が潜んでいるらしき廃墟の入り口をけやぶり、ビルドへと変身した四季はそこへ飛び込む。
『ケタケタケタケタ』
廃墟の中に入った瞬間、何処からか狂った様な笑い声が聞こえて来る。
『うまそうな匂いがするぞ? 甘いのかな? 苦いのかな?』
暗闇の中から聞こえて来る声、探そうと思えば探せるのだがそれでも、
(あんまり時間はかけたく無いし、さっさと終わらせるか)
そう思って新たに二つのフルボトルを取り出す。黄色のライオンフルボトル、青緑色の掃除機フルボトル。
新たに取り出した二つのフルボトルを振り、ビルドドライバーに装填していたものと入れ替える。
『ライオン!』
ラビットからライオンへ、
『掃除機!』
タンクから掃除機へ、
『ベストマッチ!』
『Are you ready?』
「ビルドアップ!」
『たてがみサイクロン! ライオンクリーナー! イェーイ!』
ライオンクリーナーへと変身すると、声の聞こえた大まかな方向へと左腕のロングレンジクリーナーを向けて、
「さあ、掃除を始めようか」
その吸引力を全開にして無理矢理引き寄せる。
『う、うがぁ!』
突然物凄い吸引力で引き寄せられた事に驚愕しているはぐれ悪魔のバイザーを他所に、ライオンクリーナーは右腕のライオンの頭部を模した、ゴルドライオンガントレットを構え、
「せいっ!」
射程距離に無理矢理引き寄せられたバイザーに放ったライオンアームの一撃によって地面に叩きつける。
「さあ、出てきて貰ったところで改めて、実験を始めようか」
「に、人間風情がぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
強烈な一撃によって地面を転がり激昂したバイザーはライオンクリーナーを踏みつぶそうとして襲い掛かる。
見上げるほどの巨体、四作の獣を思わせる下半身の頭の部分に人間の女性の上半身が生えたと言う異形の姿の怪物だが、
(発勁の要領と、ライオンフルボトルのボディのエネルギー弾を撃ち出せる能力)
ライオンレフトボディの能力を思い出しつつ、先日のことを再現する方法をイメージして、
「破っ!」
ゴルドライオンガントレットから撃ち出されたエネルギー弾が踏みつぶそうと向かってきていたバイザーを吹き飛ばす。
「がっ、がぁっ……」
(加減がわからないから手加減して撃ったけど、貫通力よりも吹き飛ばすって言う面に特化してるな、これは。これはこれで役に立ちそうだな)
そんな事を考えながら吸引からの殴り飛ばしのコンボを何度もバイザーへと叩き込む。
ライオンボディは協力だとは思うが、ライオンフルボトルはマシンビルダーを使うためにも使用するので、あまり変身には使えないだろう。
だが、それでも手札として使える以上は使い勝手の確認をしておいた方が良いだろうと考えてのライオンクリーナーの選択だったが、思いの外使い勝手が良い。
(ライオンフルボトル、フォームとしても使えるし、バイクの軌道にも必要。結構重要度が高いボトルだな、これは)
「貴様ぁ!」
高が人間だと言う侮りはバイザーの中から消えていた。目の前の相手は確実に始末しなければ自分の命が危ない相手。
かつての主人を殺して逃げ出して、やっと自由になれたと言うのに、目の前の訳の分からない人間に殺されたくは無い。
だが、その判断はすでに遅かった。
「これで終わりだ!」
『ボルテックフィニッシュ!』
ビルドドライバーから響き渡る電子音声。クリーナーの吸引力でバイザーを拘束し、ゴルドライオンガントレットからライオン型のエネルギー弾を放つ。
「はぐれ悪魔のバイ「おのれぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇえ!!!」」
叫び声をあげながら、ライオン型のエネルギー弾に飲み込まれ、そのままバイザーは跡形も爆散する。
序でに爆発音とバイザーの断末魔の叫びで誰かの声がかき消された。
(分身とかじゃ無く、間違いなく奴の本体だな)
周囲にバイザーらしき気配は無い、そうバイザーらしき気配は、だ。間違い無く先ほどバイザーを倒した事を確信すると廃屋の出入り口へと向き直る。
「貴方は何者なのかしら?」
そんな声と共にライオンクリーナーが確認出来たのは数人の男女の姿。
それを確認すると、ビルドドライバーを外し、元の怪盗姿に戻る。
「そうだな、最近売り出し中の怪盗って所だな」
振り返りながらそう名乗った四季の前にいるのは、上級悪魔で有る赤い髪の女リアス・グレモリーを王とした彼女の眷属達。金髪のイケメンが騎士の『木場 祐斗』、黒いポニーテールの女性が女王の『姫島 朱乃』、白い髪の小柄な少女が戦車の『搭城 小猫』。最後に堕天使に襲われた事をキッカケに眷属になったであろう、イッセーの計五人だ。恐らく、彼女達もはぐれ悪魔のバイザーの討伐に来たのだろう。
「怪盗。随分とふざけた答えね」
「さあてね、怪盗なんだから仕方ないだろ」
怒気を孕んだリアスの言葉を受け流す様に四季は飄々とした言葉で返す。
「他にも二人、青と黄色の怪盗がいるってこの子から聞いたんだけど、お仲間は何処にいるの?」
「三人揃ったオレ達に会いたかったなら残念だけど、今回はオレ一人しかいないぜ」
「まあ良いわ。貴方は何者? 何が目的で私の領地で好き勝手しているのかしら? 先ずは、そうね。その仮面を外して、腹を割って話してもらおうかしら」
リアスの言葉に臨戦態勢に入るイッセーを除いた彼女の眷属達。リアスからの命が有れば直ぐにでも動ける態勢だろう。
実戦経験のないイッセーだけは戸惑っている様子だが。
「腹を割って、ね」
彼女の言葉に不敵に笑いながら四季は、
「悪いがそれは……お断りだ!」
『ライオン! 掃除機! ベストマッチ!』
『Are you ready?』
『たてがみサイクロン! ライオンクリーナー! イェーイ!』
再びライオンと掃除機フルボトル装填済みのビルドドライバーを装着し、ビルド・ライオンクリーナーへと変身する。
「さあ、実験を始めようか」
変身を完了した後に発したその言葉が第二ラウンドの開始のゴングとなった。
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