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大蒜だらけ

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第三章

「真夜中に夜空を舞う魔物を」
「では魔物が出たというのは」
「事実で。しかもその守緒は」
「大蒜を恐れる」
「またまた見ました」 
「モンスターが大蒜を恐れたのを」
「わしの家の畑の大蒜達を観て」 
 それでというのだ。
「そのうえで」
「嫌な顔をしていたと」
「はい、モの魔物は人の顔に獅子の身体と蝙蝠の翼に蠍の尾の」
「マンティコア」
 石川はその魔物の姿を聞いてすぐに言った。
「日本におったんか」
「初耳やな」 
 志賀も怪訝な顔で述べた。
「それは」
「そやな」
「けど誰かが持ち込んだとかやったらな」
「あるな」
「そやな、それでマンティコアなんか」
「放っておいたらや」
 それこそとだ、石川は話した。
「大変なことになるで」
「凶暴なことこの上ないからな」
「そんな魔物やからな」
「あの魔物はマンティコアですか」
 その名前を聞いてだ、山田も驚いて述べた。
「姿見て何ちゅう怖い姿やって思ってたら」
「人を襲って貪り食う魔物で」
 石川は山田にも話した。
「それで」
「放っておいたら」
「大変なことになるから」
 それでというのだ。
「ほんまに何とかせんと」
「すぐにでも」
 志賀も述べた。
「これはマンティコアが何処にいるかも調べて」
「早いうちに対処を」
「ではです」
 山田は二人に心から頼み込んだ、そうした言葉だった。
「お二人は星の方なので」
「その力で」
「何とかしてくれますか」
 こう頼み込むのだった。
「そうしてくれますか」
「では」
「僕達で」
 石川だけでなく志賀も応えた、そしてだった。
 二人はすぐにマンティコアを探すことにした、ここで石川の神具である少彦名大神が石川に耳元で言ってきた。
「ご主人、多分ね」
「多分?」
「マンティコアが大蒜を嫌ったことは」
 主にこのことから話した。
「個体の好き嫌いで」
「マンティコアという種類じゃなくて」
「そう、それのせいだよ」
「では山田さんが大蒜を売ったんは」
「選挙資金獲得の為に儲けることが目的で」
 そしてというのだ。
「街を魔物から守る為やけど」
「それはかいな」
「うん、そのマンティコアだけのことで」
「それでやな」
「そう、他にマンティコアがいたら」
 この赤穂にというのだ。
「他のマンティコアが大蒜が弱点やなかったら」
「危ういな」
「そうだよ、そしてね」
 少彦名大神は石川にさらに話した、知恵がどんどん出て来てそのうえで自分の主に話してくれているのだ。それは経理や財政のことではなくこうしたことにも及んでいるのがこの神具の強みであるのだ。
「魔物が潜んでいるのは」
「それは何処か」
「普通に山にいたら」
 日本では魔物は山にいることが多い、この世界では特にそうだ。 
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