魔法科高校の劣等生の魔法でISキャラ+etcをおちょくる話
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第百七十八話
一月六日。今日からシュヴァルツェア・ハーゼ隊の訓練開始日だ。
ほかの部署から二日遅れての開始である。
「きょ、教官。その猫は…?」
「ああ。私のペットだ」
千冬の腕には大きな猫が抱えられている。
「なーご」
黒い毛並みの、二尾の猫だ。
ミーティングルームに集まったシュヴァルツェア・ハーゼの面々。
千冬が猫を抱いているのは無論の事、何よりも驚かせたのは…。
((((((((その犬耳と首輪は何ですか!?))))))))
が、クラリッサと千冬は何も気にせずにミーティングを開始した。
ミーティングが始まると、千冬は猫を床に下ろした。
「にゃーぉ」
床に下ろされた黒猫は千冬が座る椅子の後ろに回ると、何かをはたきはじめた。
見れば猫じゃらしのような物を前足で弄っている。
(なにあれ? 尻尾?)
(教官の尻尾?)
(え? わけわかんない)
左右に振れる千冬の尻尾らしきものをぺちぺちやっている黒猫。
そして素面の千冬。
当の千冬はハイパーセンサーで後ろを見ながら尻尾を動かして猫と遊んでいた。
(早くミーティング終わらないものか…)
ふりふり…ふりふり…てしっ。
ふりふり…てしってしっ。
ふりふり…ふりふり……てしてし。
「にゃー(もうちょっとまじめにやったら?)」
「……」
「にゃおん」
ピョイと猫がクラリッサの膝に飛び乗る。
クラリッサは話しながら猫の首を掴むと、隣に座る千冬の膝にのせた。
千冬は一瞬だけ口元を緩めると、直ぐに仏頂面に戻る。
その手はずっと猫を撫でているが。
(なに今の!?)
(隊長ちらりとも見ずに教官の膝に乗せたよ!?)
「おいソコ。あとで好きなだけさわっていいから今は話を聞け」
「ふにゃぁ!?」
ひそひそと話す隊員に千冬が注意した。
しばらくしてミーティングが終わり、千冬が面白がって隊員に黒猫を抱かせようとすると、黒猫は千冬の腕から逃げ出し、ブリーフィングルームから出ていった。
「よしお前らフォックスハントならぬキャットハントだ。
捕まえて来た奴には褒美をやるぞ」
シュヴァルツェア・ハーゼの隊員が我先にと出ていった。
「いいんですか?」
「何、アレならそうそう捕まるまい。新年のレクリエーションだよ」
「まてぇー!」
「捕まえろぉー!」
「にゃー!?」
黒猫は必死でシュヴァルツェア・ハーゼの隊員から逃げていた。
「にゃにゃー!」
突然黒猫を追う隊員がずっこけた。
まるで摩擦が消えたように一瞬で全員が転んだ。
黒猫が足を止めて振り替える。
「にゃぁ~」
なんとなくバカにするニュアンスだけはわかった隊員が起き上がる。
「捌いてシチューにしてやる!」
「ふみ”ゃぁ!?」
どうにかこうにか隊員を振り切った黒猫。
喉の渇きを覚え、自販機の下へ。
「にゃおおぉぉぉぉぉぉん」
一鳴きすると、黒猫のシルエットが変わっていく。
「ふぅ…完全獣化って出来る物なんだな…」
そこに立っていたのは猫耳をはやした幼女だった。
「魔法科の法則完全無視だなこりゃ」
『でも物語シリーズの法則には反してないよ、ますたー。まぁ、タイトル詐欺だけど』
自販機にコインを入れ、コーラを買う。
猫耳幼女がプルタブを開けようとした瞬間、トスッという音と共にナイフが缶に刺さっていた。
ブシャァ!とコーラが溢れる。
「ひゃひぃっ!?」
猫耳幼女が顔を向けた先には、銀髪眼帯の少女が居た。
「貴様、何者だ! モンスターの類いか!?」
「おやおやこれは…」
銀髪眼帯幼女が黒髪猫耳幼女にナイフで切りかかる。
黒髪猫耳幼女が腕でそれを受けると、ナイフは進むことなく肌で止まった。
「おいおい俺が何したってんだよ?」
「黙れ。貴様は教官に近づいて何をするつもりだ」
「あー。なんか勘違いしてるみたいだけど、俺はカルタフィルスとは無関係。寧ろ君達の味方だ」
黒髪猫耳幼女が銀髪眼帯幼女のナイフもろとも握り、投げた。
「俺は織斑一夏。初めましてかな? 妹よ」
後書き
R18で箒とオータムの話を上げています。
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