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徒然草

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199部分:百九十九.横川行宣法印


百九十九.横川行宣法印

                百九十九.横川行宣法印
 横川で修行された行軍法印殿が仰っていたことでありますが宋国は音階でいいますと呂の国、即ち長調の国でありまして律の音、つまり短調がありません。それに対して我が国はといいますと単律の国、つまり変単調の国でありまして呂、長調がありませんと言っていました。
 こうして国を音楽で例えるというのも面白いことであります。言われてみると果たしてそうなのかと思ったりまさにその通りだと思ったりもします。この辺りは実に微妙な事柄であります。
 ですがこの話は成程、と頷けるものがあります。言われてようやく気付くものでありますがそれでも確かなものを感じます。宋と我が国はやはり違います。それも全くと言っていいものであります。どちらがよくてどちらが悪いとは言えませんがそれでも違いがあるのは疑いようのないお話であります。
 それを考えますと確かに我が国は少し変わった短調であります。そして宋は長調です。その辺りの例えばまさにそうであると頷けるのです。これは中々的を得ていると共に考えさせてくれる例えであります。


横川行宣法印   完


               2009・11・29
 
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