高知の洞窟
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第五章
「かなり効きやすいな」
「眠らせたり動き止めたりな」
「そうした術もかなり効くな」
「うち等位の力があれば」
四人共星の者達だ、その時点でこの世界の普通の者達と違う。しかもそれぞれの力を強めたり強力な武器になったりする神具もある。尚且つ多くの戦を経てきて経験も積んできている。それでなのだ。
「恐竜にも術は効く」
「並の冒険者ならいざ知らず」
「まず確実に効く」
「実際に街に来るまでの戦闘でもやったしな」
「そやったらな」
それならばとだ、紗枝はさらに言った。
「ここはや」
「知略でいくか」
「頭使ってな」
「術どんどん使っていくか」
「楽して勝つ」
紗枝は四人共通の方針も述べた。
「それでいかなな」
「そやな」
「ほなそうしていこな」
「眠らせたり石化させたり即死させてくで」
とにかく楽に勝つ、そのことを念頭に置いてだった。
四人は学者を護りつつ戦っていった、そしてだった。
一階一階確実に進んでいった、途中休憩や食事も忘れなかった。紗枝は学者にこのことについても話した。
「食べものに飲みものもな」
「しっかりとだね」
「用意しとかんとな」
「冒険は出来ないね」
「私等は楽してや」
そのうえでというのだ。
「生きてきたいねん」
「冒険もかい」
「そや、出来るだけ楽してな」
そうしてというのだ。
「やっていきたい、そやからな」
「食べものや飲みものについても」
「冒険の途中で餓えたら楽やないから」
そう考えるからだというのだ。
「そやからな」
「事前の準備は欠かしていないんだね」
「楽をする為に」
紗枝は笑って話した、今は休憩を摂って飲み食いもしつつ。ビスケットや干し肉をお茶と一緒に口にしている。
「全部な」
「用意してだね」
「冒険してるから」
「今もだね」
「食べものはちゃんとあるから」
「安心してだね」
「奥まで行こうな、それと」
紗枝は教授にさらに話した。
「先生は恐竜が出たらな」
「これまで通りだね」
「そや、私等が護るから」
それでというのだ。
「後ろに隠れておいてな」
「それじゃあね」
教授も笑顔で頷く、そうしてだった。
瑠璃子と由香、それに雅美も言ってきた。
「うち等約束は護るから」
「先生は絶対に護るで」
「恐竜達には指一本触れさせんからな」
「その気持ちが嬉しいよ」
教授も笑顔で頷いてだ、そしてだった。
四人は洞窟の中を先に先に進んだ、その間多くの恐竜達を倒したがそれでもだった。教授には指一本触れさせず。
遂に洞窟の最深部に着いた、そこにあるものは。
恐竜、ウルトラサウルスの土偶だった。教授はそれを見て言った。
「凄いね」
「これ土偶ちゃうん」
「そうだよ、土偶だよ」
まさにそれだとだ、教授は紗枝に答えた。
「これは今までだよ」
「なかったんかいな」
「あるとは言われていたけれどね」
それでもというのだ。
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