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ドリトル先生と日本の鉄道

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第二幕その四

「さっきから見ていたけれど」
「お掃除をですか」
「うん、細かいところまで真剣にお掃除しているね」
「はい、僕は毎日です」
「お掃除をしているんだ」
「この博物館にも掃除夫の人はいますけれど」
 それでもというのです。
「この蒸気機関車は」
「君がしているんだ」
「はい、こうして毎日」
「それはどうしてかな」
「実は僕は今は蒸気機関車担当で」
「この車両以外にもかな」
「蒸気機関車の歴史も担当しています」
 それもというのです。
「他の車両の管理も」
「それでこの車両も」
「担当していて。前は新幹線担当だったんです」
「それが移ったんだ」
「そうして観ているうちに恰好よさに惚れまして」
 それでというのです。
「今はです」
「こうしてだね」
「毎日奇麗にしています」
「凄く丁寧にだね」
「この車両はこの博物館の看板の一つですし」
 入口の方に置かれていてです。
「だから余計にです」
「お掃除にだね」
「熱心に時間をかけています」
「真剣な愛情を感じたけど」
「有り難うございます」 
 館員さんは先生に笑顔で応えました。
「そう言って頂けると嬉しいです」
「そうなんだね」
「はい」
 笑顔のままでの返事でした。
「そうなんです」
「最初はそこまでなんだ」
「鉄道は好きですが」
 それでもというのです。
「新幹線派でして」
「蒸気機関車はだったんだ」
「今程は。好きでしたけれど」
「それでもだね」
「はい、新幹線が最高とです」
 その様にというのです。
「思っていました。勿論今でも新幹線は好きですよ」
「それでもだね」
「はい、蒸気機関車もです」 
 こちらもというのです。
「同じだけです」
「好きでだね」
「毎日お掃除をしてです」
 そうしてというのです。
「磨いて奇麗にもしています」
「そうなんだね」
「夏は暑くならないうちに」
 蒸気機関車は建物の中にあって日が当たらない様にしていますがそれでもそこまで考えているというのです。
「早いうちにお掃除をしています」
「今みたいにだね」
「そして冬は暖かくなってから」
「その時にだね」
「お掃除をしています」 
 その時間も選んでいるというのです。
「そうしています」
「そこまで考えているんだね」
「これがいい運動にもなります」
 笑顔でもお話した館員さんでした。
「本当に」
「ああ、お掃除もだね」
「カロリーを消費しますからね」
「僕はお掃除はね」
 自分のことを言う先生でした、少し困った笑顔になって。 
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