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デジモンアドベンチャー Miracle Light

作者:setuna
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第83話:選ばれし子供達緊急出動

 
前書き
インペリアルドラモンとゲンナイさんとチンロンモンの出番は無いぜ!!

尚、悠紀夫さんが大活躍する模様。 

 
朝のニュースを見た大輔は光子郎からの招集を受け、泉家に向かうことになるが、まず大輔はヒカリと太一と合流することに。

「太一さん、ヒカリちゃん」

「おう、大変なことになったな」

「大輔君、ブイモン。テイルモンが話があるんだって」

「「テイルモンが?」」

自分達に話とは何かと思ったが、取り敢えずテイルモンの元に向かう。

「大輔…ついでにブイモン」

「殴るぞハツカネズミ」

「落ち着け、俺達に話って何だ?」

「1つ聞きたいんだけど、大輔達はこういうの見たこと無いかしら?」

テイルモンが差し出したのはアグモンの絵のカード。

「このカード…どこかで見た覚えがあるな」

「そう、このカードは特定の枚数と石版に決められた箇所にはめ込むことで現実世界とデジタルワールドを繋ぐゲートを開く鍵なのよ。あるデジモンはこれを使ってデジタルワールドから現実世界に向かった。そのデジモンの正体は言うまでもないわね?」

「ヴァンデモンか」

「ああ、思い出した。そのカードは俺達がヴァンデモンのアジトで光の紋章を奪取しに行った時の…!!」

テイルモンの差し出したカードはヴァンデモンの棺で発見したあのカードのうちの1枚だったのだ。

「ええ、デジヴァイスとD-3以外で現実世界とデジタルワールドを行き来する方法は私が知る限りこれしかない。後、一乗寺治の行動パターンを思い出して見ると“奴”と共通する部分があったのよ」

「そう言えばウィザーモンもこのカードが現実世界とデジタルワールドを繋ぐ鍵だって…もしかしてヴァンデモンが一乗寺治を利用して?」

「その可能性は充分にあるわ」

大輔とテイルモンの会話にブイモンが溜め息を吐きながら口を開いた。

「でもあいつのしたことは許せないけどな。仕方がない。一乗寺治には今までの恨みを1000倍にして愛しさと切なさと心強さを込めてのヴァンデモンと一緒の心身ボコボコの刑で許してやろう」

「まあ、一乗寺治がヴァンデモンに利用されていたとしても一乗寺治を殴り倒さなくていい理由にはならんはな」

「それもそうね、あいつの意識はあったようだし、殴り倒すことに躊躇する理由はないわ。もしヴァンデモンが裏で糸を引いてるならヴァンデモンごとあいつを叩き潰してあげましょう」

例えその仮説が真実だとしても躊躇する理由は欠片もないため、ヴァンデモンごと治を叩き潰すことに決定された。

そして泉家に行き、仲間と合流する大輔達。

最後にバンチョースティングモンと共に現れた賢が合流する。

「すみません、日本のダークタワーを破壊していたら遅れました。」

「いえ、日本のダークタワーの破壊してくれて助かりました」

スピードなら選ばれし子供のパートナーデジモン最速のバンチョースティングモンなら日本を一周するのは容易かった。

「見て下さい。世界中の選ばれし子供達から、次々にメールが届いています……」

光子郎が立ち上げたパソコンな電子メールの画面を開いて、そう呟いた。

見る間に受信メールが読み込まれ、受信ボックスの欄に表示されているメールの数が増える。

これら全て、世界中の選ばれし子供のメールなのだ。

「世界中に選ばれし子供がいるのは知ってたけどこんなに増えていたんですね。」

「ええ、3年前の僕達の冒険。2年前のオメガモンに応援メールを送った子供達……他にも、何らかのきっかけで世界中に選ばれし子供が現れ、少しずつ増えていったんです」

メールを見つめながら呟いた大輔に頷きながら光子郎が説明する。

太一達はディアボロモンの時のようにいざという時に動けなくなったら困るために、普段も頻繁にメールのやり取りをしていた。

それが功を成して現在では選ばれし子供間でスムーズに情報交換が出来ている。

ここら辺はディアボロモンの騒動のおかげだ。

「今、世界中のみんなが力を合わせて立ち向かう時なんだ!!」

太一が宣言し、子供達は力強く頷いた。

「それでどうやって世界中を周るんです?デュナスモンもバンチョースティングモンも速いですが、世界中となると…」

賢の問いに光子郎は頷いて部屋の扉に向かう。

「はい、世界中となると例え究極体でも移動は困難です。そこで…」

「俺の出番と言う訳だ」

現れたのは悠紀夫であった。

ノートパソコンを開き、それを弄り始める。

「おじさん!?どうしてここに?」

「俺にも何か協力出来ることはないかと思ってね。子供が戦ってるんだ。大人が何もしないでどうする。これでよし…」

伊織が悠紀夫の登場に驚いたが、悠紀夫は頼もしい表情を浮かべながらパソコンを弄り、そして画面を大輔達に見せた。

「これを見てくれ。」

「…何?この白い空間」

「この空間、メイちゃん達が2年前にディアボロモンと戦った空間ですか?」

京が疑問符を浮かべるが、2年前のディアボロモンのウォーゲーム関係者の芽心が気付く。

「そう、ディアボロモンは電脳空間を飛び回ることで短時間で日本からアメリカの電脳に移動した」

「つまりディアボロモンのようにネット世界を使って世界中のダークタワーの建っている国のネットの中に行くんですか?」

ヤマトが尋ねると及川は頷いた。

「そうなるな、しかしD-3を使えば更なる時間短縮が可能だ。俺が電脳の中に他の国に繋がるゲートを作り出す。それをD-3で開けば直ぐにニューヨークだろうと行けるはずだ」

「帰りは?」

「帰りはその国のパソコンか何かでゲートを潜り、デジタルワールド経由で俺のパソコンから出て来てくれ」

大輔の問いに悠紀夫は帰りは現地のゲートを使って帰ってきてくれと言ってきた。

「「よし、行くぞみんな!!変態仮面の野望なんざ軽く打ち破ってやるぜ!!」」

【おー!!】

太一と大輔の言葉に全員が拳を突き上げた。

「大輔君、これを!!」

「これは奇跡のデジメンタル!?」

悠紀夫が大輔に差し出したのは神殿に安置されていたはずの奇跡のデジメンタルであった。

「必要になると思ってね。ゲンナイさんに頼んだのさ」

「ありがとう!!」

「じゃあ、京さんお願い!!」

「ビンゴー!!選ばれし子供達、各国へ出動ー!!」

悠紀夫のパソコンにD-3を翳すと、大輔達はパソコンに吸い込まれて電脳世界に。

悠紀夫はキーを叩いてダークタワーの建っている国に繋がるゲートを作り出す。

「芽心さん、頑張りましょう」

「はい!!」

ニューヨークには大輔と芽心が向かうことになり、ゲートを潜って一気にそちらに向かうことに。

「あのー、現地にゲートがないなんて無いですよね…?」

「大丈夫だよ芽心さん。ニューヨークにはパソコンなんて当たり前に普及してるから。だから他の国よりゲートが開きやすいんだろうな」

「あ、確かにアメリカの人達はデジタルワールドに頻繁に来ますもんね」

「そう言うこと、じゃあさっさとニューヨークのことを片付けて、ヒカリちゃんと太一さんとケーキでも食べますか」

「例の新作ですか?」

「そう、フルーツをふんだんに使った新作の城型のケーキ。多分、お腹一杯になるから頑張ろう芽心さん」

「はい!!」

しばらくゲートを突き進んで光を突き抜けると…。

「…ん?」

「どうしたのミミ?」

ニューヨークに現れたデジモンを何とかしようとしていたミミが何か違和感を感じて周囲を見渡し、そんなミミを不思議そうに見つめるリリモン。

「ううーん、何か妙な感じが…え?」

「「うわあああああ!!?」」

「きゃあああああ!!?」

「だがーん!!?」

「「え、えええええ!!?」」

空から大輔と芽心とブイモンとメイクーモンが降ってきたことにミミとリリモンが驚愕した。

「「で、デジメンタルアップ!!」」

「ブイモンワープ進化、デュナスモン!!」

「メイクーモンワープ進化、ラジエルモン!!」

即座に2人はブイモンとメイクーモンを究極体に進化させた。

本当は成熟期か完全体でも良かったのだが、慌ててデジメンタルを複数起動させてしまったのである。

「おおーブイモンとメイクーモンの究極体。初めて見たー。」

「ミミさん久しぶりですね…」

「ええ、こんなことが起こらなきゃ、最高のクリスマスだったんだけど…」

「このデジメンタルのおかげで助かったわ。ダークタワーの影響を受けずに進化出来るもの」

「性格は最低だけど技術力だけは高いようだからな。利用出来る物は利用しよう」

リリモンの言葉に大輔は頷きながらアメリカの選ばれし子供達の元に向かう。

ニューヨークに現れたデジモンは基本的に成熟期が多く、暴れ出しそうになるデジモンも究極体デジモンの中でも上位に入るロイヤルナイツのデュナスモンと三大天使と同等のラジエルモンが必殺技の構えを取って脅すだけで沈黙した。

流石に絶対的強者に楯突こうとするデジモンはいなかった。

「やっぱり究極体がいるだけで凄く頼もしいわ」

「私も究極体になれればニューヨークは何とかなったんだけど…」

「仕方ないわよリリモン。私達は私達に出来ることをしましょう」

「やあ、大輔」

「マイケル!!」

「あの白いデジモンは大輔のブイモンが進化したのかい?」

デジモン達を睨んでいるデュナスモンを見遣りながら、マイケルが尋ねる。

「ああ、デュナスモン。ブイモンの進化の最強形態の1つさ」

「君のブイモンは金色の騎士デジモンが最強の姿じゃなかったのかい?」

「マグナモンは奇跡のデジメンタルを使った究極体のアーマー体なんだ。だからブイモンは2種類の究極体に進化出来るのさ」

「そうなんだ。日本の選ばれし子供は凄いね。究極体や完全体に進化出来て…世界中の選ばれし子供の中で飛び抜けているよ」

「これでもマイケル達より選ばれし子供として長く戦って頑張ってきたからな。頑張ればその分強くなるのは当たり前さ」

「じゃあ僕も頑張れば強くなれるかな?」

「勿論だベタモン。努力は裏切らないからな」

「ベタモン、僕達も頑張ろう」

「うん、目指せメガシードラモン!」

大輔の言葉にベタモンも頑張れば完全体に進化出来ると信じてシードラモンの上を目指すことに。

「大輔君、メイメイ」

「?」

「ミミさん、メイメイって…?」

「芽心だからメイメイ!!ありがとう、おかげで助かったわ。お礼にうちのご馳走食べていかない?」

「ミミさんの家の料理……………………い、いいえ。俺達は帰ったら新作ケーキを食べる予定なんで」

「だから、私達は遠慮します」

ミミの家族の味覚はかなり個性的なのだ。

だから常人の味覚を持つ自分達には少し遠慮したい。

「えー!?ん~、まあいいわ。太一さんとヒカリちゃんと末永くお幸せに義姉弟さん達」

「「……ミミさん、気が早すぎ」」

ミミの発言にツッコミながらも芽心も大輔も悪い気がしなかったりした。

こうして大輔達は圧倒的な力でデジモン達を黙らせ、デジタルワールドに帰すことに成功し、デジタルワールド経由で現実世界に戻るのであった。 
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