デジモンアドベンチャー Miracle Light
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第28話:帰還と敗北
前書き
現実世界からデジタルワールドに戻ってきた子供達
現実世界とデジタルワールドの境界線を越え、デジタルワールドの地面に足を着けた選ばれし子供達とパートナーデジモン達とその他。
「戻ってきたのか?」
太一が辺りを見回しながら言う。
「戻ってきたのよね?」
続いてミミも同じことを疑問形ながらも言う。
「チビモン、どうだ?」
「俺がいた時とは臭いも何もかも違うけどデジタルワールドなのは間違いない」
自分の知るデジタルワールドの面影がないことにチビモンは少し寂しそうにするが、感傷に浸っている暇はないためにすぐに表情を切り替えた。
「太一さん、全員無事です。誰1人欠けてはいません」
全員がいるのかどうかを確認していた賢は太一に報告する。
「そうか…」
「あっ!皆!!あれ!!」
【?】
空が上空を見上げて声を上げた。
それに釣られて全員が上を見上げると、そこにあったのは現実世界の…。
「あれは…北海道ですね」
賢が何気なく呟くと全員が目を見開いた。
「ほ、北海道!?」
「地球なのか?」
「現実世界からデジモン世界が見えたように、此方からも地球が見えるようになっているんですよ」
「もう現実世界とデジタルワールドの境界線なんて無いも同然だな」
チビモンが空を見上げながら呟く。
全員が上を見上げていると、近くの草村でガサガサと音がなった。
「ん?ミノモン、何してるんだい?」
ミノモンが見当たらないので草村にいるのはミノモンだと思った賢だったが。
「兄貴、ミノモンならこっちにいるぜ?」
ハニービーモンが指差した先には確かにミノモンがいた。
「え?じゃあこっちは……!?」
突如草村から飛び出した物体に目を見開いたが、即座に腕を横薙ぎしてそれを払った。
「ぎゃあ!?」
悲鳴を上げて地面に勢いよく叩きつけられたピンク色の物体。
「敵か!?チビモン進化、ブイモン!!」
「賢ちゃん、下がって!!ミノモン進化、ワームモン!!」
チビモンとミノモンが進化したのを皮切りに退化していた面子は進化してピンク色の物体を囲んだ。
「待って!!」
「ヒカリ、何だよ?」
「攻撃しちゃ駄目だよ。凄く怯えてる……大丈夫、怖くない。怖くないよ。何もしないから…」
優しい声色で話し掛けるヒカリ。
それによって警戒が和らぎ、ピンク色のデジモンは顔を上げた。
「あっ!あなたチューモンじゃない?」
「本当だ、ファイル島にいたチューモンだわ!!」
ピンク色のネズミに似たデジモンを見て、ミミ達が声を上げる。
どうやら、このピンク色のネズミ型デジモンはミミたちの知り合いのようだ。
「ミミちゃん?パルモン?…良かった、戻って来てくれたんだ…」
それだけ言うと、気を失ってしまったチューモン。
事情を知っているらしいチューモンが目覚めるのを子供達は待つ。
しばらくすると、チューモンはゆっくりと目を開いた。
「ミミちゃん……やっぱり、本当のミミちゃんだ……!」
「そうよ、一体何があったの?」
「仲良かった、スカモンは?」
チューモンと仲が良かったスカモンはどうしたのかとパルモンに尋ねられた時だった。
張り詰めていた緊張の糸が切れたように、チューモンは声を上げて泣き喚いたのだ。
「あいつは……死んじまったんだよ……!」
それを聞いた子供達は目を見開いた。
始まりは唐突だったらしい。
恐らく変化が始まったのは選ばれし子供達が日本に戻ってから、デジタルワールドでしばらく経った頃だろう。
今まで通りファイル島で過ごしていた時、何の前触れもなくデジタルワールドが揺れ、地面に無数の地割れが走り、大地に深い割れ目を作っていった。
全ては、世界作り変えた元凶が己の野望を叶えるために。
逃げている最中、スカモンは地割れに落下して命を落としたらしい。
確認はしていないが、この周囲の地割れとほぼ変わらないだろう。
唯一の救いはほぼ即死だったことだろう。
世界を作り変えた元凶に挑んで惨たらしく殺されたデジモンもいるらしい。
それを考えればスカモンはまだマシな方だったのかもしれない。
……何の慰めにもならないかもしれないが、とにかく暗黒の力は自分が支配しやすいよう世界を作り変えていったらしい。
「世界を作り変えたって……」
「どんな風に?」
問われたチューモンは当時を思い出したのか体を震わせる。
そして再び語り始めた。
「所々に残骸が残っているけど、殆どはあの山に組み込まれてしまったんだ……」
チューモンが指したのは、今のデジタルワールドでも一際目立つ巨大な山だった。
形はドリルのように捻れ、森も海も砂漠も町も関係なく無秩序に取り込まれた山。
「何だよ、あの悪趣味な山は?」
大輔が山を見つめながら呟くとチューモンが教えてくれた。
「スパイラルマウンテンって、呼ばれてるんだ……」
「デジモン世界が、こんな風になっちゃうなんて……!」
変わり果ててしまったデジタルワールドに、子供達は言葉を失った。
自分達が向こうに帰っていた、たった数日でこんな事態になっていたことに戸惑いを隠せない。
「ところでこの世界を作り変えた元凶は何者なんだい?そいつらに抵抗するデジモンは?」
「分からない。でも、逆らうデジモンはみんな倒すってこと言ってたから…作り変えたのは…ダ、ダークマスターズ…」
「「「ダークマスターズ?」」」
それを聞いて特に反応したのは現実世界にいた面子の3人。
「おお、思い出したぜ。確かゲンナイさんの仲間を襲ったのもダークマスターズだったな」
「どうやら、ダークマスターズと戦う時が来たようだね」
「何だお前ら知ってたのかよ?」
「ゲンナイさんから聞いてたの。1年前に…だけどね」
「何だよあの爺。ヒカリ達に教えてんなら俺達にも教えろよ。」
情報伝達が遅いゲンナイに太一が不機嫌になる。
しかしブイモンとワームモンの言葉を聞いて信じられない物を見るような目を向けていたチューモンは正気に返って叫んだ。
「ダ、ダークマスターズと戦う!?無茶だ!!敵いっこない!!」
「俺達は、あのヴァンデモンを倒したんだぜ?」
「大丈夫よ、選ばれし子供が10人揃えば、世界は救えるんだから!!」
ゲンナイに言われた通り、選ばれし子供は10人全員が集まった。
これだけの戦力ならば、ダークマスターズとも戦えるはずとそう子供達が言っても、チューモンの震えは収まることはなかった。
「………」
「どうしたんだいハニービーモン?」
ワームモンが無言のハニービーモンに気付いて声をかけた。
「いや…何か嫌な気配が…」
ハニービーモンが自分達に蛇のように纏わりつく気配に気付いて顔色を悪くした時…。
「ふっふっふ…勇ましい子供達だ。ちょっと遊んであげましょうかね?」
【!?】
声が聞こえたかと思えば突如地震が起きて地割れが発生し、子供達とデジモン達は抗う暇もなく飲み込まれた。
そして子供達が飛ばされたのは闘技場。目を覚ました先にいた者は…。
「ぎゃああああ!!ピ、ピエモン!!」
チューモンの悲鳴によって子供達は自分達の目の前の存在に目を向けた。
ピエロをモチーフとした究極体デジモン…ピエモン。
「初めまして選ばれし子供達の皆さん。お会い出来て光栄です。では、まず我々ダークマスターズのメンバーを紹介しましょう。メタルシードラモン!!」
ピエモンの背後の床が破られ、究極体デジモンのメタルシードラモンがその姿を見せる。
「ムゲンドラモン!!」
子供達の脇の柱が崩れ落ち、そこから更に究極体のムゲンドラモンが現れる。
「ピノッキモン!!」
ピエモンの上から、これもまた究極体デジモンのピノッキモンが姿を現す。
「そして私、ピエモン。以後見知り置きを…」
「光子郎さん…」
「はい…4体共、究極体です」
「なら、俺達で…」
賢が光子郎に聞くと、大輔も表情を引き締めた。
「デジメンタルアップ!!」
「ブイモンアーマー進化、マグナモン!!」
「ワームモンワープ進化、バンチョースティングモン!!」
「アグモンワープ進化、ウォーグレイモン!!」
「ガブモンワープ進化、メタルガルルモン!!」
究極体4体降臨。
しかしそれを見てもダークマスターズ達は顔色を変えなかった。
「伝説級のデジモンが2体。ロイヤルナイツは私が相手をします。ムゲンドラモンはバンチョーの方をピノッキモンとメタルシードラモンは余りの方を」
「ちぇ、僕達は弱い方か…」
「頭に来るが仕方ない。俺はメタルガルルモン。お前はウォーグレイモンだ。いいな?」
「ちぇ!!」
ダークマスターズの方も標的を定めたらしい。
ピエモンはマグナモン。
ムゲンドラモンはバンチョースティングモン。
ピノッキモンはウォーグレイモン。
メタルシードラモンはメタルガルルモンだ。
「それでは楽しい楽しいゲームを始めましょうか…」
ダークマスターズとの初戦が始まった。
「行けっ、ウォーグレイモン!俺達の力を見せつけてやれ!!」
「メタルガルルモン!あいつらを倒して、世界を救うんだ!!」
「ガイアフォース!!」
「コキュートスブレス!!」
ピノッキモンとメタルシードラモンに向けて放たれるウォーグレイモンとメタルガルルモンの必殺技。
しかし2体は身軽な動作でそれらをかわすと必殺技を放った直後の隙を狙って、メタルシードラモンは蛇のようにメタルガルルモンを締め上げ、ピノッキモンは両手の指から糸を放つと操り人形のようにする。
「うわああああ!?」
「くっ…体が勝手に…」
メタルガルルモンとウォーグレイモンが早くも不利になってしまう。
ムゲンドラモンと対峙しているバンチョースティングモンは…。
「ブラッディーフィニッシュ!!」
バンチョースティングモンは右腕のドリルを高速回転させ、そのままムゲンドラモンに突き刺そうとするが、ムゲンドラモンの装甲には大したダメージにならない。
「クロンデジゾイド合金の装甲だ。簡単に傷を付けられると思うな」
「くっ…」
「ふむ…どうやら我々が圧倒的に有利なようですね。まあ、我々の予想通り…ですかね。」
「まるで俺達の事情を知っているような発言だな」
「ええ、現実世界でのあなた方とヴァンデモンの戦いの一部始終は我々の根城で観させてもらいましたよ。同じ究極体と言っても、あなた方は進化出来るようになって間がない。あなたもまた有り余る力をまだ使いこなせていない。特に上位クラスの力は扱いにくいでしょう?」
「…………」
「(しかし、他のデジモン達より遥かに戦い慣れている……その証拠に…戦いが始まってから積極的に攻めてこない。恐らくは私を現時点の自分より格上と判断し、その上で倒す手段を模索していると見た…)」
「(さて…今の俺達は圧倒的に不利だ。ウォーグレイモンとメタルガルルモンは完全に劣勢だし、バンチョースティングモンも苦戦中。だからせめて1人くらい倒せれば上等…最悪逃げることも考えないとな…)行くぜ…マグナムパンチ!!」
「むっ!!」
ブースターを噴かして一気に接近し、ピエモンに向けて鉄拳を叩き込もうとする。
しかしそれをピエモンは両腕を交差させて防ぐが、防がれても構わずに次の攻撃を繰り出す。
拳と蹴りを連続で繰り出してピエモンの反撃を許さないようにするが。
「甘いですよ!!」
「うおっ!?」
しかしピエモンの片手から放たれた衝撃波を受けたマグナモンが勢い良く吹き飛んでいく。
「まだまだあ!!プラズマ…」
途中で体勢を立て直し、両手からそれぞれ掌サイズのプラズマ弾2発と両肩両腰の鎧のミサイル格納部から放たれる8発のミサイルを放った。
「シュート!!」
「エンディングスナイプ!!」
プラズマ弾とミサイルに向けて両手からの衝撃波を放って相殺する。
「…これは相殺仕切れませんね」
ピエモンの口元から余裕の笑みが消えており、プラズマ弾とミサイルの雨を受けるピエモン。
「だだだだだだだだ!!」
両手からプラズマ弾、鎧からミサイルを何度も連射するマグナモンはエネルギーの温存など考えていない。
「いい攻撃です。空間転移が出来なければ流石の私もダメージを受けていました。」
「なっ!?」
ピエモンの踵落としがマグナモンに炸裂する。
しかし地面に叩き落とされた瞬間、ピエモンの元に一気に戻ってきた。
「ほう!?」
「どりゃああああ!!」
マグナモンの拳が目を見開くピエモンに繰り出され、鈍い音が響く。
「…大した物です。ダメージを受けても尚、直ぐに反撃に移る精神力。賞賛に値します」
「ぐ…っ…」
マグナモンの拳を包み込むように受け止めているピエモンには当然だがダメージはない。
「ですが、私を倒すにはまだまだ力不足です。他のメンバーなら1対1で倒せるかもしれませんがね」
マグナモンを弾いて短剣を引き抜いて投擲する。
テレポートを繰り返す短剣に対してバリアを張って何とか防いで見せた。
「ああ…マグナモン達が押されてる…」
ヴェノムヴァンデモンさえ倒したマグナモン達がピエモン達に押されているのを見た光子郎達は思わず呟いた。
このままではやられるのは時間の問題だろう。
「同じ究極体でも勝てないの…?」
「同じ究極体なのに…」
空とミミが呆然となりながら呟く。
先程ピエモンが言ったようにマグナモン達はまだ進化出来るようになって間がない。
究極体としての力をフルに発揮出来るピエモン達とはまだまだ力に差がある。
ウォーグレイモンとメタルガルルモンが吹き飛ばされ、アグモンとガブモンに退化、バンチョースティングモンとマグナモンは弾かれて子供達の前に。
「チッ」
「ダークマスターズ…ここまでとはね…」
マグナモンとバンチョースティングモンが構えを取りながらピエモン達を睨む。
「まだまだ戦う気力があるようですね。結構結構。そうでなくては面白くありません」
2体の様子に満足げに頷くピエモン。
「まずいね、敗色濃厚だ」
「それじゃあ諦めて命乞いでもするか?バンチョースティングモン?」
バンチョースティングモンの呟きを聞いたマグナモンはからかうようにバンチョースティングモンに尋ねた。
「冗談じゃない。僕はあんな奴らに命乞いなんてごめんだよ。最後の最後まで戦って必ず一矢報いる…それだけさ」
「…だな、よし。それじゃあ最後の最後まで抗うとするか」
マグナモンとバンチョースティングモンが更に闘志を燃やして構えた。
2体の言葉にピエモンは拍手を送る。
「素晴らしいコメントです。流石は神に仕える聖騎士に孤高の番長ですかね。ですが、そこの戦意喪失したお仲間を庇いながら戦えますか?」
「追い詰められた獲物を甘く見ると痛い目に遭うぜ?」
「ならば、今すぐ息の根を止めてやるわ!!」
「あ、ずるいよ!僕も!!」
メタルシードラモンとピノッキモンが飛び出す。
「…あんまりこういうのは好きじゃないんだけどな…悪いが数で攻めさせてもらうぜ。ウィザーモン。力を貸してくれ…マジックゲーム!!」
突如、マグナモンが5体の分身を作り出す。
「数が増えた!?」
「これは魔法による分身。成る程、このようなことも出来るとは…」
感心したように呟くピエモン。
即座に6体のマグナモンはメタルシードラモンに飛びかかり、5体のマグナモンはメタルシードラモンを滅多打ちにする。
「ぐおおお!?」
メタルシードラモンのクロンデジゾイドの装甲が見る見るうちにへこんでいく。
どうやら同じクロンデジゾイドでも硬度はマグナモンの方が上らしい。
マグナモンの分身達が踵落としをメタルシードラモンの脳天に叩きつけ、地面に落とす。
「ミラクルグリッター!!」
そして本物のマグナモンから放たれた灼熱の閃光を受け、メタルシードラモンは吹き飛ばされた。
「こんの、ブリットハンマー!!」
ピノッキモンはバンチョースティングモン目掛けてハンマーを振り下ろすが、それは空振りに終わる。
「あれ?」
「こっちだ」
背後から聞こえた声にピノッキモンが振り返る前に頭突きを顔面に喰らって吹き飛んだ。
「痛たたた…よくも…あ、あれ?こいつも増えてる!?」
「あれは…」
「ええ、ムゲンドラモン。あれは高速移動中に急激な緩急をつけることで出来る残像ですね。ピノッキモンでは見切ることは難しいでしょう…やはりあの2体は別格ですか」
「ブリットマシンガン!!」
「爆雷天!!」
無数の弾丸と機雷がぶつかり合い、大爆発が起こって爆煙が発生し、ピノッキモンの視界が遮られる。
煙が晴れた瞬間、高速回転するドリルがピノッキモンの眼前に迫っていた。
「あ…」
「ブラッディーフィニッシュ」
淡々と呟かれた必殺技。
「グギャ…ッ」
ピノッキモンの頭部を穿ち、ドリルの高速回転によって弾け飛ぶ。
「終わりだ…」
投げ捨てたピノッキモンの体に念には念とばかりに機雷虫が押し寄せ粉微塵に爆破した。
「ピノッキモンが死んだか」
「まあ、ピノッキモンは我々ダークマスターズの中で最弱でしたし、当然の結果ですね。」
ムゲンドラモンとピエモンはピノッキモンの死を悲しむどころ呆れの表情を浮かべるだけ。
「では、我々も行くとしましょうか」
「ああ」
ダークマスターズの2強が動き出したためにマグナモンとバンチョースティングモンが構えを取る。
この2体はメタルシードラモンとピノッキモンより強い。
特にピエモンは別格で今のマグナモンとバンチョースティングモンでは勝てない。
「行くぞ!!」
マグナモンが分身と共にピエモンに殴りかかる。
「はあっ!!」
両手から広範囲に衝撃波を放ち、マグナモンを吹き飛ばし、分身を消滅させた。
「∞キャノン!!」
ムゲンドラモンは背中の大砲からエネルギー砲を連続で放ち、バンチョースティングモンを寄せ付けない。
ムゲンドラモンの必殺技は名前通り発射数に制限はないので、このままではバンチョースティングモンに命中するのは時間の問題だ。
「トイワンダネス!!」
「プラズマシュート!!」
片手から放たれた衝撃波とプラズマ弾がぶつかり合い、相殺される。
「どうしました?防御ばかりでは勝てませんよ?」
「チッ…」
実力差があるために自身の攻撃があまり通用しない上に有効打になりそうな攻撃はかわされてしまう。
「もうこれ以上は…」
マグナモンとバンチョースティングモンがエネルギー切れを起こしてしまう。
ヴェノムヴァンデモンとの戦い直後に来たためにエネルギーの補充が出来ていないのだ。
「終わりですね…楽しかったですよ…」
ピエモンがとどめを刺そうとした時、地割れが起きる。
「!?」
「な、何!?」
「ふむ…ピノッキモンが倒されたことによりスパイラルマウンテンに変化が起きましたか…時間切れ…ですか。では皆さん、思わず力の入ったバトルになってしまいましたが、楽しかったですよ。またお会いしましょう。」
ピエモンとムゲンドラモンはメタルシードラモンを回収して立ち去る。
大輔達も脱出しようとするが間に合わない。
駄目だと感じた時、光が自分達を包み込み、そしてピンク色の妖精のようなデジモンが笑みを浮かべるのであった。
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