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空に星が輝く様に

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205部分:第十五話 抱いた疑惑その九


第十五話 抱いた疑惑その九

「だから余計にそのことが心配だから」
「本当に友達思いなんだな」
 陽太郎は腕を組んで感心する言葉を出したのだった。
「いいところあるな」
「それどういう意味?」
「悪い意味じゃないさ」
 それは本人にも断った。
「何か結構冷たく見える時もあるからな、椎名って」
「そうなの」
「けれど本当は友達思いなんだな」
「少なくとも友達は大事にしたい」
 こう答える椎名だった。
「だから」
「それがいいんだよ。それでな」
「うん、それで」
「そのお化け屋敷ってそんなに怖いのか」
 あらためて椎名にこのことを問うのだった。
「そこって」
「凄く怖い」
 椎名は陽太郎にもこう話した。
「私達以外はもう真っ青になってた」
「そうか、そこまでかよ」
「それはかなりね」
 狭山と津島がここまで聞いて述べた。
「じゃあ行くか?そこに」
「そうね」 
 そしてそのうえで二人で顔を見合わせて話す。
「どれだけ怖いかな」
「見てみたくもあるし」
「ああ、お化け屋敷な」
 陽太郎は二人とは違う反応を見せた。そうして四人に話してきた。
「あのさ」
「あのさ?」
「どうしたの、急に」
「文化祭のことだけれどな」
 話すのはこのことだった。
「確か十一月のはじめだったよな」
「結構先じゃないか?」
「そうよね」
「だったらな。まだ少し先だけれどな」
 前置きしてからの言葉だった。
「何をするか考えないか?」
「何かなあ」
「やっぱり早いと思うけれど」
「それでもだよ。さっきの話聞いて少し考えたんだよ」
 陽太郎は四人に話を続ける。
「お化け屋敷とかどうかな、クラスの出し物」
「お化け屋敷か」
「それなの」
「そう、それね」
「ああ、それな」
 まさにそれだというのだった。それではとだ。
「面白くないか?それも」
「まあ文化祭の出し物だと定番だよな」
「喫茶店と並んでね」
 狭山と津島は陽太郎のその言葉に反応して述べた。
「それもいいんじゃないのか?」
「ううん、そうね」
 しかしだった。津島がここで言った。
「それよりも喫茶店がいいんじゃ」
「そっちの方がか」
「ええ、それでいいんじゃないかしら」
 津島はこう提案する。
「やっぱり」
「ああ、そうだよね」
 赤瀬が彼女のその言葉に応えて言ってきた。
「津島さんのお家ってケーキ屋さんだし」
「ケーキなら用意できるし。お茶淹れるのも得意だし」
 つまり必要なものはどちらもあるというのである。
「だからね。どうかしら」
「まあ安全牌だよな」
 狭山は津島の提案に腕を組んで答えた。
「津島の家のケーキは評判いいしな。いいんじゃねえのか?」
「じゃあそれにする?」
「そのお化け屋敷に行ってから決めないか?」
 だが狭山は津島にこう返した。
「それからでもいいだろ」
「それからでもなのね」
「まずはな。それにクラスの皆の話も聞かないとな」
 クラスにいるのは彼等だけではない。それならばというのだった。
 
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