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安住の地

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第二章

 そして新しい下宿先を探したがここでだった、友人達はその彼に親身に話した。
「要するに紙幣を手渡しにしなければいいんだ」
「じゃあもう大家さんに自動的に振り込まれる様にしたらいい」
「その渡し方ならいい筈だ」
「あと普段から紙幣を持たないことだよ」
「そうだ、お金は降り込み式にして」
 セドリックも言われて気付いた、このことに。実は彼もこれまで手渡ししかないと思い込んでいたのだ。
 だがそれがだった、友人達に言われて気付いたのだ。
「普段もカードにして」
「そうだよ、そうしていけばいいんだよ」
「お金の支払い方も」
「カードを持てばいいんだよ」
「そうすればいいんだ」
「そうだね、じゃあ振り込みでいいと言う大家さんと契約して」
 セドリック自身も言った。
「そしてね」
「そう、カードだ」
「これからはカードを使ってものを買っていくんだ」
「そうすればいいんだ」
「そうだね、じゃあ今度からそうしよう」
 このことを決めてだ、そしてだった。
 セドリックはそうした大家を探して契約して新しい下宿先を手に入れてカードも手に入れた。ここまで整えてだった。
 彼は友人達に笑顔で話した。
「いや、ちゃんと家賃を支払える様になってね」
「もう追い出されないな」
「家賃を払えないからといって」
「うん、しかもね」
 さらに話した。
「カードで支払う様になってね」
「ついつい紙幣を食べることもなくなった」
「そのこともなくなったんだな」
「そうだよ、お金の支払い方も色々だね」
 このことを実感もしていた。
「振り込みやカードもある」
「そうさ、もうこれで心配いらないな」
「君は普通に暮らせる筈だ」
「ちゃんとした下宿に住めるんだ」
「君が望む様に」
「嬉しいよ、このことがどれだけ嬉しいか」
 まさにと言うのだった。
「僕はわからないよ」
「そうだよな」
「このことは本当にいいよな」
「安定して暮らせる様になって」
「本当に」
「うん、安住の地を手に入れるには」
 セドリックは友人達にしみじみとした口調で話した。
「工夫も必要ということだね」
「工夫すれば安住の地を手に入れられる」
「少し考えややり方を変えれば」
「それで手に入れられることもあるな」
「そうだね、僕がまさにそれだよ」
 笑顔で言うセドリックだった、そうして下宿先で楽しく暮らすのだった。遂に手に入れた安住の地で。


安住の地   完


                  2018・6・24 
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