異世界にやってきた俺は、チート能力を駆使して全力でスローライフを楽しむ!
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都市にて
辿り着いた都市。
街灯がともった石畳の道。
その左右には石造りの家が立ち並んでいる。
都会で、まだ日が暮れて間もないせいか人が多く外に出ている。
人々の喧騒。
平和な雰囲気があると思っていると、エイダがフードをかぶる。
「あまり人に知られたくないから」
との事だった。
そして馬車の停留所で降りて俺たちは、周りの人達から情報を集めるわけではなく、
「さて、まずは直接城を見に行くか」
「……周りの人達から話は聞かなくていいの?」
「どうせ来ることがあちらには分かっているんだから、このまま襲撃した方が……まだ奇襲っぽくなるような気がしないでもない」
そう言って俺は歩きだした。
もっともそれだけではなくて、早く城の様子を見てみたいという思いも俺にはあった。
ミシェルは大丈夫だろうか?
そう思いながら俺は、遠くに見える城に向かう。
近づいていくと、一見、城自体は無傷に見える。
それに気づいて背筋がぞっとするものの、俺は、もしかしたならほかの角度では大穴が開いているかもしれないと思い込むことにした。
だが、その城の周囲を取り囲む堀のように水のたまったものと城壁の外側を歩いて見上げながら、どこかに穴がないか探していくが……。
「まったくないな。ミシェルはまだ来ていないのか。それに……ここしばらく、おそらくエイダがいなくなった後も、そこまで大きな変化はなさそうだな。この町の人や、歩いている人たちを見ると」
「……誰かが代わりにその運営の一部をしているのかも。……“闇ギルド”はあまり知られないように入り込むのを目的にしている?」
「それはありそうだ。この世界が平和なのもあって、気づかれないように侵食していっている……のか」
「気づかれないように、ね。その割には私達にも気づかれている気がするけれど」
エイダがそう言って肩をすくめる。
とはいえ、この城、うっすらと“魔王の魔力”のようなものを感じる。
だが外にあまり漏れ出さないよう隠しているようだが……そう思いながら、その漏れ出ている場所を特定する。
“索敵”は必要ない。
それをすると相手にも、逆探知でこちらの位置が知られてしまうおそれがあるというのもある。
だがそれ以上に周りにそこまで“闇の魔力”が充満していないせいで、それらの見分けがしにくい。後は、
「さて、どうしようか。せっかくだから奇襲をかけて中に入り込みたいが……相手が驚くような展開で、虚を突いてみたいが何か思いつくか? 俺は……」空中に飛んで、“闇の魔力”がある場所から入り込みたいが」
「でもそれが罠の可能性もあるんじゃない? 貴方に知らせるための」
そうエイダが言って、それもありうるがと思ってちらりとそちらを見てから、
「それもありうるか。あの町でのこともあるし……じゃあどこから突入しようか」
そこでハデスが手をあげて、あの魔力の所を指さして、
「あそこに“怪物”がいる」
「……待ち伏せの意味合いの方が強いのか。だったらあそこに向かっていくのがよさそうか?。 でもどうせならもう一つくらい何か中の人間が驚いてそちらの対応に向かうようなものが欲しい」
そうすれば戦力が幾らかそげるし、エイダの家族の方にも行きやすいだろう、中の人間も操られているだろうしと俺は思ったのだがそこで、レオノーラが手を挙げた。
「ここは、妾に考えがあるのじゃ」
そう答えたのだった。
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