天体の観測者 - 凍結 -
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。
ページ下へ移動
無 視☆
前書き
ゴールデンウィークが終わって2日間で何とかもう1話書き上げました
チカレタ…
早くロスヴァイセとの絡みを書きたい、この頃
もう、ヤバイです
ロスヴァイセの可愛いさは世界一ィィィィーーーーッ!
ロスヴァイセ好きの人、挙手お願いしまーす(^^)
ではどうぞ
駒王学園にて急遽行われることになった和平会議。
その会議には天使・堕天使・悪魔の全ての陣営の首脳陣が参加していた。
先の大戦で全ての陣営が修復し難い傷を負うことになった三つ巴の闘い。
その闘いで四大魔王を含める、聖書の神までもが亡き者になった。
此度の会議は今後の三大陣営の未来ある明日へと繋げることを目的とした会議なのだ。
天使長・ミカエル
堕天使総督・アザゼル
魔王・サーゼクス・ルシファー&セラフォルー・レヴィアタン
そして、北欧から出向いた北欧の主神であるオーディンとその付き人であるロスヴァイセ
そう、今や世界でも有数の実力者達がこの場へと赴いていた。
無論、ウィスの姿も。
その場でウィスは此度の会議を開く契機となったコカビエル討伐の詳細の説明を行う。
だが、突如としてテロリスト集団である禍の団の襲撃を受けることになる。
とは言えウィスは特に何もしていない。
会議室の場に赴いたカテレアを煽り、紅茶を飲み、ロスヴァイセを紹介され、泣き崩れたロスヴァイセを慰め、オーディンを吹き飛ばしただけだ。
世界にはその世界の流れというものがある。
あの時、あの場所でこうしていれば未来は変わったという、所謂歴史の分岐点と呼ばれるものが。
借り物とは言え強大な力を有する自分がその時代に介入することは後の世に大きく影響を与えてしまうことをウィスは十分に理解している。
故に、ウィスは最悪の事態にでも陥らない限り、むやみに力を振るわないように心掛けているのだ。
そして今日もウィスはその信念を胸に中立者として目の前に広がる惨状をただ傍観する。
前方には禍の団との戦闘を終わらせ、リアス達を含めた全員がグラウンドへと集合していた。
そんな中、宙に浮遊するは禍の団をこの場に招き入れた首謀者であるヴァ―リ・ルシファー。
そんなヴァーリに対面するはウィス。
今、ウィスとヴァーリの両者がこの場で対峙していた。
もっとも当人であるウィスは全くこのような事態を望んでいるわけではなかったが。
「…俺、ニ天龍の一角である白龍皇、ヴァーリ・ルシファーは君に決闘を申し込む。」
ヴァーリは躍動感を胸に抱きながらウィスへと宣戦布告を行う。
己が見定めた強敵へと。
「…はあ。仕方がないですね。貴方の相手をしてあげましょう。」
この手の手合いは言葉による説得よりもその身に教えた方がいいことを知っているウィスは嘆息しながらも椅子から立ち上がる。
戦闘狂とは揃いもそろって、人の話を聞かない。
本当に融通が利かない奴らばかりである。
「やっと、その気になってくれたか…!」
ヴァーリはウィスの応えに笑みを深くし、闘争心を奮い立たせる。
「もう一度、名乗らせて貰おう。」
「俺の名はヴァーリ。ヴァーリ・ルシファー!」
周囲に広がる驚愕。
ルシファー、魔王の血筋であることを意味する名前を神器を宿す人間であるはずの彼が名乗っている事態に。
「俺は死んだ先代魔王の血を引くものでね。前魔王の孫である父と、人間の母との間に生まれたハーフなんだ。」
悪魔と人間との間に生まれたハーフ。
それも魔王の血縁であるルシファー。
何たる偶然、否、奇跡か。
皆一様に言葉が出てこない。
ウィスは「へー、そうなんだ。」程度にしか感じていなかったが。
むしろこの場から早く立ち去りたい気持ちで一杯であった。
「そんな、嘘よ…。」
「…そうか、人間と…。…私達が知らなかったわけだ。」
「真の魔王の血縁でありながら、半分人間であるが故に、偶然にも白龍皇の光翼を宿すことができた…か…。全く冗談みたいな存在だよ、お前は…。」
アザゼルが呆れたように嘆息する。
ウィスは突如始まった一人語りが終わるのを頬を掻きながらも真摯に待っている。
「奇跡という言葉は俺のためにあるのかもな…。」
そうですね。
ウィスはいつになったらこの一人語りが終わるのかと切実に思わざるが得ない。
長いよ、話が。
「翼が…。」
「神よ…。」
何でも神に祈るものではない。
既に神は死んでいる。
「こいつは過去、現在、そして未来永劫においても最強の白龍皇になるだろう。」
「最強…。」
それにしても銀メッキの鎧に漆黒の翼とはこれまたカッコイイ姿をしている。
ただイメチェンにしては派手過ぎる気がするが。
「…さあ、俺達の血肉湧き踊る闘いを始めようじゃないか、ウィ…」
先程までこの場にいたウィスとオーフィスの姿が消えていた。
否、姿すら見えなかった。
見ればポツンと置き手紙が置かれている。
『面倒になったので私とオーフィスは先に帰らせて頂きます。ロスヴァイセさんとの約束は勿論、忘れていませんのでご心配なく。この騒動が無事に終息した後、此方の通信機で私に連絡して頂けると幸いです。それでは皆さん、またお会いましょう。ウィス、おーふぃす』
『…。』
周囲が静寂に包まれる。
「え…、嘘、ウィス、帰ってしまったの?」
「あらあら、あの状況で帰ってしまうなんて流石ですわね。」
「流石ウィスさん。私達にできない事を平然とやってくれます。そこにシビれる、あこがれ…」
「いやいや、憧れないからね、小猫ちゃん?」
リアス達は苦笑いを浮かべざるを得ない。
見ればサーゼクス達もウィスの余りの自由さに苦笑し、呆けていた。
「あ、確かに通信機らしきものがありますね。」
通信機を呑気に拾うロスヴァイセ。
だが彼女の顏には確かな満足感が垣間見える。
「…まだ書き置きがあるぜ。えー、何々…。」
『P.S. この通信機をロスヴァイセさん以外の誰かが使用したと発覚した場合、即座に然るべく対処をさせて頂きます。そのことを深く心に刻んでください。』
「無駄に細かく明記された追伸…。」
然るべき対処とは一体何なのだろうか、怖すぎる。
『P.S. そしてその場にポツンと残されたヴァーリ君には私が鍛え上げた一誠君を差し出します。』
「…え、俺?」
当人である一誠はどこか怒り心頭の様子のヴァーリを見据え、冷や汗を流すしかない。
生贄と呼ぶに相応しい、突如のウィスからのご指名。
一誠は現実逃避をしたくてしょうがなかった。
それにしても何故いきなりの"君"付けなのだろうか。
『P.S. もし万が一にも私が鍛え上げた一誠君に余裕で勝利することができればヴァーリ君のお相手を致しましょう。』
ウィスに宣戦布告を行ったヴァーリに対して当人が行ったのは一誠への丸投げであった。
『P.S. まあ、その可能性は万が一にもありませんが。ええ、今の貴方では到底無理だと断言しましょう。』
「ウィスさん、止めて!これ以上あいつを刺激するのは!?」
本気で命がヤバイ。
このままでは死人が出てしまう!
言うまでもなく俺だがな!
一誠は泣き叫ぶ。
一誠は切実に己の師匠であるウィスへと心の中で懇願した。
『P.S. あと、オーフィスとゲームをする約束を交わしていたことを思い出したのでこれで本当に失礼します。 うぃす、おーふぃす』
結論、ウィスの中での優先順位。
ゲーム>>>>>>>>>ヴァーリ
ウィスは余程早く帰りたかったのか最後は全て平仮名で表記している。ヴァーリにとってその舐め腐った態度はこれ以上ない程の屈辱と侮辱であった。
「…。」
「マジでヤバイですから!あいつの顏マジギレしてますって!」
モ〇クの叫びの如く絶望の表情を浮かべ一誠は己の身に降りかかる不幸を嘆く。
ヴァーリはウィスの置き手紙により怒りは頂点に至っている。その身からは強大な魔力が迸っている。
鎧越しでもその憤怒の表情が窺えそうだ。
一誠の足は震え、瞳からは涙を流し、冷や汗が止まらない。
「さあ、行くぞ、赤龍帝!否、兵藤一誠エェェェ───!!」
此処にヴァーリの八つ当たりとも言える理不尽な怒りによる一誠への攻撃が始まった。
一誠は絶叫するしかない。
さあ、一誠の未来ある明日は来るのか
それはまだ、分からない
▽△▽△▽△▽△
此処はウィスの手によって創られたとある惑星。
言うまでもなく惑星離れたウィスの居住である。
「オーフィス、次のアイテム取ってくれ。」
「ん、了解。」
そんな中、ウィスとオーフィスは2人でゲームをプレイしていた。
あの場をドロップアウトした張本人とは思えないほどウィスはくつろいでいる。
「ウィスって誰か好きな女性がいるのかにゃ?」
そんな中、リビングの床をゴロゴロしていた黒歌がウィスへと問い掛ける。
見れば彼女はウィスを扇情的な姿で見詰めていた。
以前から指摘するかどうか迷っていたのだがその服装、ちゃんと服として機能しているのだろうか。
女性として大切な場所が見えてしまいそうなのだが。
「好きな女性?」
「そうにゃ。」
ゴロゴロ、ゴロゴロ。
一向に彼女がそのダラダラした態度を軟化させることはない。
それにしても好きな女性か…
それは勿論……
「いるぞ。」
いる。
一日たりとて忘れた日などない。
「にゃ!?誰にゃ、それは!?」
それは企業秘密です。
「それは一体誰にゃ!?教えるにゃ!?」
お断りします。
「ウィス、次のアイテムはウィスの番。」
「ok」
「無視するなにゃ!」
今は黒歌よりもオーフィスが優先である。
そんな時、先程まで一誠とヴァーリの戦闘を宙に映し出していた杖が淡く発光した。
『うぅぅ…、ウィスさん。助けてくだ…ざい…!』
通信相手は通信機を渡した女性であるロスヴァイセであった。
「おやおや、どうなされたんですか、ロスヴァイセさん?」
見れば彼女は目尻に涙を浮かべ、此方に助けを求めている。
一体どうしたのだろうか。
『ぅぅぅ…。私、捨てられちゃいました…!』
え、捨てられた?
What?Why?
「ロスヴァイセ!?誰にゃ、それは!?」
隣で叫ぶ黒歌は無視である。
黒歌はウィスの左頬に自身の頬をくっ付け、彼女を鋭く睨んでいる。
「…ロスヴァイセさん、今、貴方は何処にいるのですか?」
『グッ…ス…!オカルト研究部です…!』
オカルト研究部ならば今から飛び立てば約5分といった所か。
「今から約5分でオカルト研究部に向かいます。それまで待っていてください。」
『グスッ…!わっ…かりました…!』
ここでウィスとロスヴァイセの通信は終了する。
さて、それでは…
「私はこれから地球に帰還するので黒歌はオーフィスとゲームを続けていてください。」
「そうはいかないにゃ!そのロスヴァイセという泥棒猫の正体を掴んでやるにゃ!」
いや、その言葉そっくりそのままブーメラン。
「…我もウィスと共に行く。」
ウィスの左足にピタリと抱き付き、オーフィスも地球へと行くことを決意する。
「はあ…、それでは参りましょう。」
ウィスは嘆息しながら杖を地面に打ち鳴らす。
途端、白銀の光がウィス達の周囲を円を描くように循環し、包み込む。
瞬く間に白銀の光が迸り、幾度も循環し、周囲を幻想的に照らし出し、その輝きを増していく。
やがて途轍もない速度でウィス達は天へと勢い良く飛翔し、宇宙へと飛び立ち、地球へと向かっていった。
▽△▽△▽△▽△
無事、オカルト研究部へと辿り着いたウィス。
オカルト研究部の室内には泣き崩れる一人の女性の姿があった。
「酷い!こんなにオーディン様の為に、こんなに頑張っている私を忘れて極東の地に置いていくなんて!」
オカルト研究部で泣き叫ぶは北欧の主神であるオーディンの付き人であったロスヴァイセ。
彼女は今や異邦の地で孤立していた。
「きっと私なんてどうでもよくなったんだわ!」
そう、彼女は自身が仕えていた上司に三大勢力会議の後見事に置いてけぼりにされ、実質的なリストラを受けたのだ。
リアス達は彼女に懸ける言葉が見つからず、皆一様に顔を背けてしまっている。
これでは余りにも彼女が可哀想である。
「どうせ私は仕事ができない女よ!彼氏いない歴=年齢ですよ!」
彼女が立ち直ることができる日は来るのであろうか。
「オーディンのジジイはどうしたんだ?」
「それがその…、そのまま帰ってしまいまして…。」
えぇ…、嘘だろ…。
まさかあのクソジジイ、早速彼女の護衛を自分にさせるためにロスヴァイセさんを極東に置き去りにしたのだろうか。
あのクソジジイ、何時か〇す
ウィスは何時かあのジジイを締めることを決意した。
─リンク95%─
─残り5%─
後書き
「…はあ。仕方がないですね。貴方の相手をしてあげましょう。」
※自分が相手をするとは言ってない
感想と評価を頂けると嬉しいです('ω')
ページ上へ戻る