ドリトル先生と和歌山の海と山
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第五幕その七
「その義信さんの代で大政奉還となってね」
「幕府の歴史が終わるんだ」
「物凄く長い歴史だったみたいだけれど」
「明治時代になるんだね」
「いよいよ」
「そうなるんだね」
「そうだよ、明治政府の時代になるんだ」
その大政奉還からというのです。
「そうなるからね」
「家茂さんは本当に最後の方だったのね」
「最後の方の将軍だったのね」
「何ていうか」
「大変な時代の人だったのね」
「その時に勝海舟さんもいたんだ」
丁度その時代にというのです。
「それでだからね」
「凄く苦労しただろうね」
「家茂さんは」
「吉宗さんも苦労したみたいだけど」
「また違う苦労をしたんだね」
「そうだよ、大変な苦労をしてね」
そうしてというのです。
「幕府が終わろうとしている中で頑張ったんだ、けれどね」
「それでもなんだ」
「幕府は結局終わるんだ」
「大政奉還で」
「次の慶喜さんの代で」
「そうなってしまったんだね」
「うん、ただ戊辰戦争はあったけれどね」
その明治戦争のこともお話した先生でした。
「比較的流れる血が少なく政権が移ったんだ」
「名誉革命みたいな感じ?」
「イギリスでいうと」
「そんな風なのかな」
「それで明治政府になった」
「そうだったのね」
「そうだよ、幕府から比較的スムーズに明治政府に移ったんだ」
先生はこのこともお話しました、和歌山城の中で。
「そのことは日本にとって幸いだったよ」
「全くだね」
「そのことはよかったよね」
「平和に政権が移ったのは」
「革命になるから」
「うん、まさに革命だったよ」
大政奉還、それはというのです。
「それが戦争があったし何年も混乱があったけれどね」
「幕末のね」
「黒船が来て色々あったのよね」
「新選組も出て来てね」
「長州、薩摩、土佐で色々あって」
「坂本龍馬さんも出たわね」
「そうして確かに色々な人が死んだけれど」
その坂本龍馬さんも幕末の沢山の騒動の中で命を落としていきました。そうしてこう言ったのでした。
「日本って国、そして民衆の人達には殆ど被害がなくてね」
「凄く平和にだね」
「革命になって」
「明治時代になった」
「そうなのね」
「むしろあの戦争で日本は何百万も死んでるから」
第二次世界大戦のこともお話します、そしてその時の空襲で焼けてしまってから再建された天守閣も見ました。
「明治から出来た日本が今の日本に変わる時の方がね」
「人が死んでるんだね」
「今の日本になるまでそうしたことがあったのね」
「何かそう思うとね」
「歴史があるわね」
「全くだよ、歴史だよ」
本当にと言う先生でした。
「そうしたこともね」
「そうなんだね、吉宗さんと家茂さんのことも」
「そのこともね」
「全部含めて歴史だね」
「革命も戦争も」
「その中で人が死ぬことも」
「全部そうだよ、そして吉宗さんも家茂さんも」
この人達もというのです。
「その中で生きていたんだよ、あの人達なりに必死で頑張ってね」
「ううん、何ていうかね」
「そう思うと深いよね」
「感慨があるね」
「本当にね」
こうお話するのでした、そしてです。
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