ABULHOOL IN ACCELWORID
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「あぁ…死にたい…」
「どうしたのお兄ちゃん?」
「いや…なんでもない…」
「朝の事なら気にしてないよ?」
「頼むから掘り返すな…」
何時もの通学路…しかし俺は自己嫌悪に陥っていた。
何故か?
その…なんだ…うん…ニャンニャンする夢を見たんだ、うん…
相手が黒雪姫先輩だけなら…最高の夢だった。
でも…
チユとナツはダメだろ…
なに?俺ってそんなにサカッてるの?
まぁ…そんな夢をみた心当たりはある。
チユは…昨日の一件だろう。
ナツに関しては…
「なぁ、ナツ」
「なに?お兄ちゃん?」
「お前さ、その年にもなって兄と寝るって嫌じゃないのか?」
「嫌じゃないけど?」
あぁ、うん、そうなんだ。
コイツ、昨日俺の腕を外したあとベッドに潜り込んで来やがったのだ。
腕の無い俺は抵抗できず、大人しくナツの抱き枕になる他無かったのだ。
「そか…ならいい…」
そして何時もの分かれ道。
「行ってくるよお兄ちゃん」
「あぁ、行ってこい」
ナツを送り出し、梅郷中へ向かう。
「やぁ!おはようハルユキ君!」
という声と共に肩を叩かれた。
「わひゃぅ!?」
「どうした?そんな慌てた声を上げて…
もしや昨夜私とイヤらしいコトをスル夢でも見たのかね??」
「ふぁ!?え?いや、その…えっと……はい…」
うわぁぁぁぁぁ!何を正直に吐いてるんだ俺は!?
図星を突かれ、バカ正直に吐いてしまい、顔が赤くなる。
「ほう?そうかそうか…それは良いことを聞いた」
良くねぇよ!全くもって良くねぇよ!
キッと黒雪姫先輩を睨む。
「そんなに睨むな。私の事を意識してくれてるんだろ?」
いや…まぁ…そうなんですが…
ていうか…
「俺と貴女の関係ってなんなんです?」
「ふむ…先日は恋人等と言ったが…それより多少複雑だな…
それに関しては今日の昼にラウンジで話そう」
ラウンジかぁ…本来なら上級生しか入れないって不文律があるが…
ここ3日くらいで気にならなくなったなぁ…
あぁ…そういえば…
「例の件、やっぱりチユじゃ有りませんでした。
まるきり無関係ではありませんが…チユはシロです」
「なに?」
「チユのリンカーに繋いでローカルメモリを見たらバックドアがありました。
次に挑まれた時に逆探知しましょう」
ふと、周囲の気温が下がった気がした。
「どこでだ」
え?えーと…どこで直結したか、でいいのかな?
「チユの家です…」
「家のどこだ」
「チユの部屋です…」
「部屋のどこだ」
「…………ベッドの上です…」
「ケーブルの長さは?」
「さんじゅっせんち…」
「ふーん」
黒雪姫先輩はそのままツカツカと歩いて行った。
あらぁ…怒らせたな…
妬いてんのか?あの人本当に俺の事好きなの?
ますますわからん…
結局、昼休みにラウンジに行くことは無かった。
新聞部のインタビューの件で考えたくて、何時ものトイレに篭って居たのだ。
そして、放課後。
「やぁ」
「どうも、黒雪姫先輩」
「歩きながら話そうか」
と言ってケーブルを差し出された。
迷わずリンカーに挿す。
『あの…』
『今朝は、妙な態度を取って済まなかった』
と、朝の件を謝られた。
『あの…聞いて、いいですか?』
『なにかね?』
俺が今、一番聞きたい事…
『違ったら、自惚れるなって言ってもいいです…
黒雪姫先輩は、本当に俺が好きなんですか?』
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