ABULHOOL IN ACCELWORID
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【家のローカル接続と学内ローカル接続には接続しましたがグローバル接続はしてません。
これで大丈夫ですか?】
というメールの返答は
【いいだろう。ではBBPの説明をするから今日もラウンジに来てくれ】
という物だった。
てか学校来てるのか…昨日のケガは大丈夫なんだろうか?
そして昼休みのラウンジ。
「やぁ、来たか」
そう言ってコードを差し出された。
迷うことなく直結する。
『ではBBPの説明だ。とは言え実際にやった方が速い。
ちょっと加速したまえ』
そう言われたので加速する。
『バースト・リンク』
何かを叩くような音がして世界が青く染まった。
「視界の端にアイコンが追加されているだろう?押して見たまえ」
確かにアイコンがあった。
ソレをタップする。
ステータス…戦績…え?
「格ゲー?」
「そうだ、BBPは大がかりな陰謀…等ではなくただの格ゲーだ」
えぇぇぇ…なんだよそれぇ…
「拍子抜けだろ?」
ええ、拍子抜けですとも。
「では対戦リストを開きたまえ。学内ローカルネットには私と君しか居ない」
えーっと…
「ブラック・ロータス…でいいんですか?」
「ああ…押したまえ」
は?
「えーっと…ニュービーハント?」
「そんなのは暇人のやることだ。なに、タイムアップでドローにするさ」
なら…いい…かな?
ブラック・ロータスの名前を選び、対戦を申し込んだ。
その瞬間、世界が朽ちた。
人が消え、柱が、壁が朽ちる。
「ほう、黄昏ステージか…属性はよく燃え、すぐ壊れ、以外に暗い、だ」
ふーん…
ん?
黒雪姫のアバターの顔が正面にある?
自分の体を確認した。
すると…
「戦闘機?」
「のようだな」
戦闘機に足が生えた珍妙なロボットになっていた。
マクロスのガウォークみたいだ。
機首の付け根辺りと中間部分に顔が計二つある。
手はあるものの細く頼りない。
そんなロボットがホバリングしていた。
「それが君のアバターだ。シルヴァリオ・アブルホール…いい名前じゃないか」
「なんか…弱そう…」
「そう言うな、そのアバターを生成したのはBBPだが、君自信でもある」
「俺自身?」
こんな物をデザインした記憶はないぞ。
「君はゆうべ、とても長く怖い夢を見ただろう?」
「…っ!?」
「あぁ、すまない、よほど怖い夢だったようだ。
思い出させてすまなかった」
「え、あ、いや、はい」
もう、あんな夢は見たくない…
「BBPが君の深層心理にアクセスしたせいだ。
BBPは所有者の恐怖、劣等感、欲望を切り刻み、越しとり、デュエルアバターを作るのだ」
恐怖…劣等感…
俺は、自分の両腕に…鋼の腕であることに誇りを持っている。
あの日あの時ナツを救えた事。
だけど、俺の鋼の腕への誇りは、裏を返せば…
「本物の腕が無い事が…俺の劣等感って事か…」
しかし何故戦闘機なんだ?
ん?そういえば…
黒雪姫をみる。
「先輩のアバターは…どうなんですか?」
「あぁ、これは自分で組んだダミーだ。本来のアバターは訳あって封印している」
へぇ…
「ではこの世界の仕組みを説明しよう」
お、やっとか
「視界の端にバーストポイントというのがあるだろう?」
「ええ、ありますね」
「BPは一回加速する度1減る」
今は…98か…
「どうやってチャージするんです?」
「BPは対戦で勝つ以外の方法で獲得はできん」
あぁ…なるほど…そういう事か…
「嫌らしいゲームだ…加速し続けるには対戦で勝つ他無い…という事ですよね?」
「ああ、正解だ。このルールが我々を対戦に駆り立てるのだ」
だったら…
「ゼロになったらどうするんです?」
「BBPが勝手にアンインストールされ、永久にBBPを失う」
はっ…蜜を舐めたきゃ勝てってか?
「さて、ハルユキ君。どうするかね?今ならまだ戻れるぞ?」
戻れる…か…そうだなぁ…
「いや、戻りません。黒雪姫先輩には恩が有りますから」
「ほう?」
「俺の腕が義手なのはしってるでしょう?
俺みたいな、他人の力が無いと生きていけないような、底辺の人間にとって、貴女は雲の上の存在なんです。
だけど、貴女はボクに声を掛けてくれた。
貴女がボクにBBPを渡したのは理由があるんでしょ?
だったら、ボクは貴女が掛けてくれた慈悲に応えたい」
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