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ABULHOOL IN ACCELWORID

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a=5

「アアアアアァァァァァァァァァ!」

悪夢に苛まれ、跳ね起きた。

「はぁ…!はぁ…!はぁ…!」

なんて…嫌な夢だ…

ドタドタと足音がして、ドアが開いた。

「お兄ちゃん!どうしたの!?」

ナツがかけよってきた。

「あ…あぁ…」

ナツ…ナツ…ナツ…!

「ナツ…?」

「どうしたのお兄ちゃん?悪い夢でも見たの?」

あぁ…何時ものナツだ…

「ナツ…」

「なぁにお兄ちゃん?」

「おまえは…おまえは…俺を見捨てたりしないよな?」

俺は必死に問いかけた。

その返答は抱擁だった。

「お兄ちゃん…私の命はお兄ちゃんに貰ったの。
だから私はお兄ちゃんを見捨てたりなんてしない。
この世界の全ての人がお兄ちゃんを見捨てても、私だけはずっと一緒に居てあげる」

あぁ…よかった…

「あり…がど…なつき…あり…がど…!うっく…ひっ…あっ…」

「よしよし、私はここにいるよ、お兄ちゃん」

そこで俺の意識は途切れた。

side out










腕の中で眠るお兄ちゃんを見つめる。

私の腕の中で泣きつかれて眠っている愛しい人…

「お兄ちゃん…私はお兄ちゃんを一人になんかさせない…だから




安心シテ眠ッテ…」

side out










目を開けると、目の前にナツが居た。

あぁ…そっか…昨日起きて…

その先を思いだし、顔が羞恥で赤くなる。

妹に抱かれて泣きじゃくるなんて…!

ヤバい…黒歴史確定だな…

顔を手で覆うにもその腕が無い…

顔を赤くしたまま、ナツを起こす。

「おい、ナツ、起きろ。おい」

「んんぅ…」

発育のいいナツの胸がふにゅりと当たる。

「おいナツ起きろ。悪戯するぞ」

「うに?」

お、やっと起きたか…

と思ったらナツに抱き締められた。

「お兄ちゃん。おはよ」

「あ、あぁ…おはよう」

ナツがめっちゃ笑顔だ…

「あれから怖い夢、見なかったでしょ?」

「う、うん」

「そっかー!よかった!」

なんかヤな予感…

「じゃぁ明日から一緒に寝てあげる!」

「はぁ!?」

何言ってやがる。

「さて、じゃぁ、起きよっか」

「いや、待て今のどういう…」

結局この件ははぐらかされてしまった。

そして何時ものように母さんから小遣いを貰う。

「春雪…リンカー切れてる…」

あ、そうだった。切ってるんだった。

グローバル接続じゃなくて家のローカル接続ならいいだろ。

そう思い、小遣いを貰って直ぐにクローズドにした。

んー…なんでクローズドなんだろ…

このアプリってなんなんだ?

まさかサーチに引っ掛かる違法プログラムだったりして…

なんて考えていると何時もの分かれ道だ。

「お兄ちゃん」

「おう、行ってくるぜナツ…わぷ!?」

急にナツに抱きつかれた。

「私はちゃんとお兄ちゃんの所に帰って来るからね」

「あ、あぁ」

ナツは抱擁を解き、分かれ道を走って行った。

「つか往来でんな事すんなよ…」

周りの注目を集めながら、俺は梅郷中へ向かうのだった。
 
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