魔法科高校の劣等生の魔法でISキャラ+etcをおちょくる話
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第五十五話
屋台を巡っていると、見知った顔が見えた。
「いよう坊主!いや、姫と呼んだ方がいいか?がっはっはっは!」
「久しぶり、組長。姫はやめて欲しいなぁ…。
あと焼そば……五つ頂戴」
「おう!嫁と見てたがさっきの舞はよかったぜ!」
そういいながらシャッシャっと手際よく、格好よく焼そばを作るスキンヘッドのおっさん…
実はヤクザの組長だったりする。
ヤクザ、とは言っても普段は気のいいおっさんだし、ちゃんと表でやっていけるような商売をしている。
暴力団みたいな訳のわからない連中とは違い、義理と人情を大切にする人だ。
「へい!焼そば五つ!」
「ありがと」
そう言って代金を払おうとしたのだが、おっさんに止められた。
「?」
「さっきの神楽の礼だよ」
そういう事らしい、けど…
「そういう訳にはいかないよ。おっさんの焼そばには金を払う価値があるんだから払うんだよ」
「はっはっは!コイツぁ一本とられたな!」
代金を渡して、焼そばを受けとる。
「それにしてもよぉ…やっとこさこの街も安定してきたじゃねぇの」
安定…ISが世に発表され、束さんの身内である箒を浚おうとしたり、亡き者にしようとする輩が大勢いた。
その一部は俺やシルヴヴァインや政府の機関が撃退したりもしたが、その大半は彼らが撃退してくれたのだった。
「なぁ、坊主」
「なに?」
グイとおっさんに引っ張られた。
「お前さん、白騎士だろ?」
そう、耳元で問われた。
「安心しろ、バラしゃしねぇ。
だがよ、力があるなら嬢ちゃんを守れ。
街を裏から守るのが俺達の仕事だが、俺達じゃぁ手が回らねぇ事もある。
そん時、嬢ちゃんの一番近くに居るのは坊主だろ?」
前々から気になってる事がある。
「どうしておっさん達は箒を守ってくれるんだ?」
「俺等みてぇなヤクザを祭に呼んでくれんのはリュウの兄貴くらいのもんよ。
だからよ、こりゃぁ恩返しな訳よ」
ふーん…ん?
「『リュウの兄貴』って柳韻さんの事?」
「おお、そうよ、リュウの兄貴は俺の学生時代の先輩でな。
今でも頭が上がらんのよ。
リュウの兄貴も昔はブイブイ言わせてたんだぜ」
へぇ…そうだったんだ…
「おい、坊主。嬢ちゃんが待ってるぜ。早く行きな」
と言われて、箒達の方を指した。
「わかった。じゃぁね、おっさん」
「おう」
「ほれ、箒、鈴、リム、蘭ちゃん。焼そば買ってきたぞ」
焼そば所望した四人(リムはエレンと分けるらしい)に買ってきた焼そばを渡す。
「あれ?俺のは?」
と弾が言う。
「野郎に奢る金は持ってねぇよ」
「チッ…これだからタラシは…」
「何か言ったか?ん?もう一回いっとくか?」
弾に対して手を握ったり開いたりする。
「いや!なんでもないぞ!」
と弾が焦ったように応えた。
ふふふ…と笑い声が聞こえた。
「どうした簪?いきなり笑い出して」
「弾さん…調教済み…くふふ…」
「一夏君……さすがの私も引くなぁ…」
「待て月日!誤解だ!簪もろくでもねぇ事言ってんじゃねぇよ!」
「そうだそうだ!俺はどうせならグラマスなねーちゃんに調教されたい!」
「「「「「「「うわ…引くわ…」」」」」」」
「何故だ!暦さんはわかってくれますよね!?」
「いや…弾君、さすがの僕も少し引くよ」
「一夏お前ならわかってくれるよな!?」
と肩を掴まれ前後に揺さぶられた。
ふむ…おちょくろう。
「いや!近付かないで変態!」
裏声を使い、迫真の演技でそう言い放ち、箒の後ろに隠れる。
「おい、弾。貴様私の一夏を怯えさせるとはどういう了見だ?」
箒の後ろからヒョコっと顔をだし…中指を立てる。
「待て!箒!後ろ!」
おっと…箒が後ろを向く前に、また隠れる。
あ、弾が逃げた。
お?鈴に捕まった。
「さぁ!弾!日頃の恨みよ!」
「あ!待て鈴!箒ちゃんも!
ア、アァァァァーーーーー!」
弾…ザマァ…
「ちょ!一夏!暦さん!助け…ギャァァァァァァ!」
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