魔法科高校の劣等生の魔法でISキャラ+etcをおちょくる話
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第五十四話
モンド・グロッソも終わり、地元に帰って来た。
しかし俺はゆっくりする暇などなく、その翌日にナイト・オブ・トレイターで中国に飛んだ。
例のスペックデータ流出事件の後始末だ。
指示を出した中国政府高官は精神干渉魔法で逝ってもらった。
更に引き受けた米系PMCの方は束さんが担当、本社ビルごと消滅したらしい。
大陸まで飛び、高官を探しだし、バレないように殺して、また日本に戻る。
これをたった1日で終わらせた。
この高官の死はあまり大きく報道されなかった。
死因不明というのもあるが、どうやらかなり恨まれてたらしい。
その後はラボにこもったり弾達と遊んだりした。
で…だ…
「なんで俺が舞装束を着るハメになってるんだろうな」
控え室で呟いた。
今日は神社の祭りだ。
先日、姉さんの前で巫女神楽を披露したのだが、色々あって祭りでも舞う事になってしまったのだ。
「いいじゃないの、似合ってるわよ一夏君」
「雪子さん…」
控え室に入ってきたのは雪子さんだった。
その手には扇と宝刀…舞で使う物だ。
まぁ…態々俺の舞を見に来るような物好きも居まい。
と、思っていたのだが…
「テメェ等揃いも揃って何してやがんだ!」
神楽が終わり、装束を脱ぎ、甚平に着替え、外に出た俺の目の前に居たのは、俺の知り合い達だった。
弾、蘭ちゃん、鈴、暦さん、育さん、火燐さん、月日、撫子、刀奈、簪、虚さん、本音、ヴィッサリオン、フィグネリア、エレン、リム…
俺の知り合いが勢揃いだった。
「何故って…今朝私が伝えたからな」
そういって歩いて来たのは、浴衣姿の箒だった。
「テメェの仕業か!」
つーか更識と連絡取れたのかよ…
で、更識は更識で態々こんな地方都市まで来たのかよ…
「一夏君、とっても可愛かったわよ。
ね、簪ちゃん」
「うん…何て言うか…負けた気がする…」
「勝っても嬉しくねぇよ…」
するとヴィッサリオンが出て来て…
「若、姫、エレンとリムの面倒を頼む。
じゃ、護衛と警備に戻るぜ~」
と言ってエレンとリムを俺に押し付けてフィグネリア共々何処かへ消えた。
「一夏、その子達は?」
と鈴に聞かれた。
「えーっと…さっきの夫婦が束さんが雇った箒の護衛。
でこの二人はアイツ等の娘だ。
ほら、二人とも挨拶できるか?」
「リムアリーシャ・アルシャーヴィン…です」
「えれおのーらあるしゃーう"ぃんです!」
「おー、よくできました」
ぽふぽふと頭を撫でてやると二人とも嬉しそうに微笑んだ。
「………ロリコン?」
「ヘイ中華娘娘!どこでそんな言葉覚えたんだ!?
お兄さん怒らないから言ってごらん!」
すると鈴はクルリと振り返り…
「弾が言ってたわよ。"一夏はホモかロリコンか熟女好き"だって」
そう言って弾を指差した。
「おい!鈴!それは秘密って言っただろ!」
「お兄…サイアク」
「バカじゃないの弾君?」
「うぐぅ!?」
蘭ちゃんと月日の二人からの攻撃にたじろぐ弾。
「弾…弁明を聞こうか」
「だってお前女子に興味なさそうじゃねぇか!
と、なればホモか範囲外って事だから…」
弾が最後まで言い終わらない内に、零拍子で弾の目の前へ…そして…
グァシ!
弾の顔面を、掴む。
「弾……落ちろ」
毒蜂…キャスト。
ギリギリギリギリギリギリィィ…!
「ギャァー!頭が!頭が割れる!お前どこにそんな力が!あぁ!痛い痛い痛い!出る!なんか出るから!」
「安心しろ。思ったほど締め付けてはいない」
俺の手の大きさでは、弾のコメカミに指が辛うじて届く程度だ。
なので毒蜂を使い、アイアンクローの痛みを増幅させる。
「ま、こんな物か」
と指を離す。
「頭がぁぁぁぁぁ…」
「いいか、もう鈴に変な言葉教えるなよ」
「あい…もうしましぇん…」
ふぅ…これにて一件落着…ん?
「なんだよお前ら?」
いつめん達がこっちを見てニヤニヤしていた。
「いやぁ…なんでもないよ。ね?撫子ちゃん?」
「そうだね、月日ちゃんの言うとおりなんでもないよ、うん、なんでもない」
なんだよ…気になるな…
「一夏君はフェミニストだね、暦も見習ったら?」
フェミニスト?俺が?なんで?
「育、一夏君は気付いてないみたいだぜ」
「そうだね…うーん…暦といい一夏君といい、女たらしだね」
えーっと、育さん?貴女何言ってるの?
「全く訳がわからんぞ」
「ねーねー、ふぇみにすとってなに?」
とエレンに尋ねられた。
「フェミニストっていうのは…そうさなぁ…女の子に優しい人…かな?」
そう教えると、エレンは何かを思いついたと言わんばかりの笑みを浮かべた。
「あー!わかった!たしかに一夏おねーちゃんはふぇみにすとだね!」
ブルータス、お前もか…
「あのねあのね、さっきのはね、一夏おねーちゃんがじぶんのわるくちじゃなくてそこのおねーちゃんにわるくちをおしえたことにおこったからだよ!
一夏おねーちゃんはじぶんよりもそこのおねーちゃんがだいじなんだね!」
「………………………」
やべぇ…なんか…めっちゃ恥ずかしい…
「一夏おねーちゃんはやさしいね!」
「エレン、その話はもういいから、ね?」
「ん!わかった!」
「テメェ等もいつまでもニヤついてんじゃねぞ!」
きっと今、俺の顔は赤いのだろうな…
そんな事を思いながら、祭囃子の鳴る方へ、歩を進めた。
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