ジオン公国転生記
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第35話 宇宙戦艦ヤマト2199編
ギレン兄の執務室では俺がある事の許可を貰いに来ていた。
ユーリ「ギレン兄、ちょっとアルカディア号で出て来るね」
ギレン「何をしに行くつもりだ。いつものMSは出さないのか?」
ユーリ「今度は潜水艦狩り」
キシリア「ああ。次元潜航艇UX-01ね」
ユーリ「まあ、退治じゃあ無くて見たいんだよね。次元に潜れるのって良いなと思って、行って来るね」
俺は『異次元の狼』と異名を持つガミラスのヴォルフ・フラーケンの戦いも見たかったのである。
理由は渋くてカッコイイキャラクターだから。
ユーリ「艦長。今日はすべて任せるよ」
艦長「指揮をとられないのですか?」
ユーリ「しないよ。艦長やりたいでしょう、次元潜航艇との戦い」
艦長「それはそうです。ハーロックは異次元潜航艇とも戦いますから。だから次元爆雷を積んでるんです」
ユーリ「油断しちゃダメだよ。相手は『異次元の狼』と呼ばれているんだからね」
艦長「分かりました。任せていただきます」
そして数日後漸く次元ソナーに反応が出た、UX-01だったらいいけどなー。
次元潜航艇UX-01では。
隊員「艦長! おかしな艦がいますぜ」
ヴォルフ「ヤマトか?」
隊員「いや違いますね。でもどうやらこちらに、気づいてる様なんで」
ヴォルフ「なんでそう言い切れる?」
隊員「こっちが動く方向に、艦首を向けて来るんでさぁ」
ヴォルフ「へぇー。そりゃ完全にこちらにケンカを吹っかけてきてるな」
隊員「どうしゃす」
ヴォルフ「暇潰しだ! 遊んでやれ」
隊員「1から4番装填、艦長の許可が出たケンカだ!」
アルカディア号では魚雷の装填音に気付いた。
艦長「ユーリ様。どうやらむこうも遊んでくれるみたいです」
ユーリ「良かった。艦長任せたよ」
艦長「はい。次元爆雷深度設定50」
先にUX-01が仕掛けて来た。
ヴォルフ「あいさつ代わりだ! 1番撃てぇ」
艦長「面舵20」
ヴォルフ「はあっ。ギリギリで躱しやがった、頭のネジ飛んでんじゃねえか」
隊員「人の事言えないじゃないですか」
ヴォルフ「そりゃそうだ。2番3番撃てぇ」
艦長「アルカディア号全速前進! 魚雷が浮上する前にすり抜ける。そのまま相手の頭を通過と同時に爆雷投下」
ヴォルフ「くそっ。魚雷が頭出す前に抜けられた。来るぞ! 全員対ショック姿勢」
どうやらアルカディア号の爆雷は躱されたみたい。
艦長「ダメか。奴は何処だ!」
ジオン兵「右舷より突っ込んできます」
ヴォルフ「面白れぇ。奴の側面から浮上して魚雷全弾ぶち込む」
隊員「1から4番装填。一斉にぶち込む用意しろ」
艦長「艦底パルサーカノン右舷に砲撃準備。相手が顔を出した瞬間を撃つ」
ヴォルフ「面白れぇ、本当に面白れぇ。こっちが頭出したらでかいのを撃つ気だぜ」
そしてアルカディア号とUX-01が交差する瞬間
ヴォルフ・艦長「「撃てぇ」」
アルカディア号は艦底部パルサーカノンと次元爆雷発射装置を潰された。
次元潜航艇UX-01は艦首上部を吹き飛ばされた。
ヴォルフ「相打ちって言いたいとこだが、次元潜航艇が潜れなきゃ負けだな」
艦長「艦底部パルサーカノンと次元爆雷発射装置をやられたか。次元攻撃が出来ない俺の負けだな。ユーリ様。すみません、負けてしまいました」
ユーリ「とにかく相手が出て待ってる。行っておいで『ハーロック』として」
艦長「はい」
ヴォルフはUX-01を浮上させアルカディア号に並んで艦橋上で待っていた。
ヴォルフ「あんた名は」
ハーロック「ハーロック。やはり強いな『ヴォルフ・フラーケン』いや『異次元の狼』」
ヴォルフ「へぇー俺の事知ってんだ。俺も有名になったもんだ」
ハーロック「貴方と勝負が出来てうれしいが、やはり負けると悔しいな」
ヴォルフ「なに言ってやがる。次元潜航艇が潜れなきゃ、いい的だぜ。俺の負けだ」
ハーロック「じゃ相打ちで、引き分けだな」
ヴォルフ「てめえもがんこだな。分かった、引き分けだ」
ハーロック「フフフフ」
ヴォルフ「ククククク、じゃないつか又遊んでくれ『ハーロック』」
ハーロック「ああ。今度は勝つ!『ヴォルフ』」
2隻は分かれて行った、互いの再戦を約束して。
ハーロック「ユーリ様。指揮を任されたのに、勝てませんでした」
ユーリ「なに言ってるの。『異次元の狼』相手に引き分けだよ。大金星だよ」
ハーロック「しかし引き分けでは」
ユーリ「あのね。相手は銀河大戦で異名を持つ程なんだよ。そんな相手に地球圏程度でしか戦って来なかった人が勝てると思ったの」
ハーロック「そうですね、すみません。うぬぼれていました」
ユーリ「よろしい。それと今からは『キャプテン・ハーロック』俺が名付けたからね」
ハーロック「えっ。ありがとうございます。ありがたくその名を名乗らせていただきます」
ユーリ「じゃあ、帰ろう」
アルカディア号はジオン公国機動船団に戻った。
後日、その時の話を聞いたギレン兄から正式に名前をキシリア姉から大海賊旗貰った。
以後ジオンマークの着いたどくろの旗をなびかせたアルカディア号が戦場で暴れまくった。
ある日ガミラスでは大事件が起こった。
デスラー総統が亡くなったと言う連絡が、ガミラス全土に響き渡った。
バラン星で行われる観艦式に出向く途中、乗艦がトラブルを起こし爆発宇宙に散ったと言う。
ところがそれは事故では無く暗殺をたくらんだもので、ディッツとドメルが犯人だと言うのだ。
ガミラスはNO2のヘルム・ゼーリックが以後実権を握った。
そしてジオン公国機動船団のギレン兄の執務室では重要な話し合いが行われていた。
ギレン「さて問題のバラン星に近づいた。ここの亜空間ゲートを使わないと、ヤマトは時間的に間に合わなくなる」
ユーリ「やるのガミラス大艦隊殲滅作戦」
ギレン「やるしかあるまい我々もガミラス本星に行き、『神の転生者』を倒さねばならない」
キシリア「今ならガミラスはデスラー総統暗殺で混乱している筈です。名将ドメルも投獄中でやるなら今です」
ギレン「軍人と戦える者すべてに出て貰う。ジオンの総力戦だ。ユーリ予備の機体、艦艇にも光子力装備を施してあるな」
ユーリ「してあるよ。でもレベルが低い者が耐えられるかな」
ギレン「耐えてもらうしかあるまい。負ければジオンと『大魔王の転生者』の終わりだ」
こうしてバラン星のガミラス大艦隊殲滅作戦が準備された。
戦える者すべてに召集がかけられ、ジオン公国機動船団に残ったのは市民のみとなった。
船団には光子力バリアとミラージュコロイドがかけられ安全ではある。
先鋒はドズル兄の軍団になった。
ドズル「今日の戦いは大物狙いだと言っても大物しかおらん。戦闘機等は無視しろ。相手は銀河同士で戦う我らの想像出来ん戦いをしている連中だ。それがバジュラの如くいると言う。だが恐れるな撃たれれば死ぬ事は同じよ。それでは行くぞ!」
バラン星の中に入ったドズルも流石に驚きを隠せなかった。
敵の艦がどれ程いるか分からない、敵の艦のサイズが大きすぎて分からない。
狙いをつける必要が無い、艦、艦、艦、艦、艦、艦、艦、艦、ドズルが吠えた。
ドズル「撃って、撃って撃ちまくれ。撃てば当たるそ」
マツナガ「今日は我らが蚊トンボいや目にも入らぬかもしれん」
ジオン兵「これはいつもの文句を言う事も無いな。本当にバジュラ並みにでかいのがいやがる」
ジオン兵「連邦軍それなーにって言えるぜ。それでもユーリ様の武器使える。でかいのも一撃だぜレベルが桁違いに上がって来る」
ジオン軍が次々入って来るが最初はやはり驚くが、ドズル軍の戦闘を見てそれぞれに敵に向って行った。
ギレンは思ったなんてすごい世界だろうと地球1つ奪い合うなんてちっぽけな戦い?いやあれはもう戦いではない目の前に広がる大艦隊同士がぶつかるこれこそが俺がやりたい戦いだと。
そしてまだ見ぬ世界へ行きたい地球そんなものはもうどうでもいい俺も大艦隊を率いて外宇宙の戦いに加わりたいと。
ガミラスがどの程度の勢力かは知らないガミラスも小さな勢力かも知れないまだもっと先にはるかに大きい勢力があるのかもしれない。
試してみたい自分がどれくらい広大な宇宙で通じるのかを。
ユーリ「ギレン兄なんかうれしそうだね」
ギレン「ああ。うれしい連邦軍等どうでもいい。いつか俺の軍団で宇宙の覇権争いに加わりたくなった。ジオン帝国まあ名前はどうでもいいな」
ユーリ「できるよ。俺達不老だからね殺されたら死ぬけど。作ろう大軍団をMSも大きくしてこいつらをぶった切れる様にしよう。時間が掛かるかもしれないけど作ろうジオン帝国を」
ドズル「2人だけで楽しそうな話をするなよ。俺も加わるぞ」
マツナガ「白狼を宇宙に広める。うん、良いな」
この時を境にジオンは人類として一歩進化したのかもしれない、戦いを夢見る善悪はともかくとして。
ガミラスではまだこの時一部の馬鹿がいさかいを起こした程度にしか思っていなかった。
だが規模が少しだけ大きくなり目障りに感じた、ゼーリックが止めさせてこいとゲールに指示して始めて敵襲らしい事が分かった。
それも相手が数が少ないものの見知らぬロボット達で一撃で戦闘艦を沈める武器を所持している事が判明した。
ガトー「なんとたわいのない鎧袖一触とはこの事だ沈め!」
ガイア「こんな奴らにジェットストリームアタックを使うまでも無いわ」
マッシュ「まったくだ。大物狙いだがでかすぎて身動き出来ずにもがいているぜ」
オルテガ「さっきの総帥の話おもしろそうだな。3人でやろうぜ」
シャア「私も運がいい。転生してすぐにこんな戦いに加えて貰えるなんておちろ!」
ジョニー「沈め、沈め、今日は黒いおじさん達と獲物の取り合いする必要が無い」
ガミラスではいつまでたっても騒ぎを鎮められずいる事に怒り心頭の男がいた。
ゼーリック「ゲールいつまであの程度の奴らを遊ばせておく気だね」
ゲール「急がせておるのですが、相手がすばしっこい上武器が強力らしくて」
ゼーリック「言い訳はよい。私は結果を求めているのだよゲール」
戦闘機部隊は一瞬で塵になり、戦闘艦では味方が多すぎて発砲できずにいた。
俺はストライクフリーダムでファングドラグーン・フル・バーストを撃ちまくり、1撃で数隻の戦闘艦を沈めていたが何か物足りずにいた。
その時ちらりとペンダントが目に映った、そして気が付いたこれだと。
ユーリ「来い! 『ブラッディ』遊ぶぞ。思いっきり」
そして突然変化が起きた。
いつもなら合体する筈がストライクフリーダムが姿を変えた。
そう『ブラッディ』に姿を変えた、そしてコックピット内には直接俺が乗り込んでいた。
そして変化はそれだけでは無かった。
先端部分だけ俺の血で染まっていた筈が、機体全部が赤いや血の色に染まっていた。
それを見た兄達がギレン兄に呼びかけていた。
キシリア「兄上。ユーリが直接『ブラッディ』に乗り込んでいます?・・兄上」
ドズル「兄貴、兄貴。おかしい、返事が無い」
ハマーン「ギレン、ギレンどうした」
ギレンは見ていた楽し気にしているユーリをとてもうらやましげに。
そして呟いた。
ギレン「そうだなユーリ。俺も楽しんで良いんだよな。暴れていいんだよな」
そしてギレンはおもむろにペンダントを握り締め叫んだ。
ギレン「来い! 俺の『ブラッディⅡ』楽しむぞ。暴れるんだ」
するとギレンの乗るナイチンゲールが姿を変えた。
『ブラッディ』にいや色が違う金色の『ブラッディ』がそこにはギレンが乗っていた。
キシリア達は呆然となった。
ギレンまでもが凶鳥『ブラッディ』に乗っているのだから、2機目の金色になった『ブラッディ』に。
ユーリ「おめでとう。遂に物にしたんだね、ギレン兄」
ギレン「機体は前から出来ていた。だが魂の同調が出来なかった、いや俺が恐れ拒絶していたんだな。だがこの戦場で楽しそうにしているお前を見てうらやましくなった。それで自然と呼んでいた俺の『ブラッディⅡ』をそれで魂の同調がとれたんだ」
ユーリ「『ブラッディ』お前の兄弟だよ。『ブラッディⅡ』よろしくね」
ギレン「キシリア全軍の指揮は任せたぞ。聞いているのか」
キシリア「えっ、はい。兄上は」
ギレン「暴れるのさ。俺の翼で」
ユーリ「行きますか。ギレン兄」
ギレン「ああ。暴れようユーリ」
そして2機の凶鳥が戦場に躍り出た。
1機は猛々しくでも軽やかに、1機は勇壮にそれでいて荒々しく血の色と金色が戦場を荒らし始めた。
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