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魔法科高校の劣等生の魔法でISキャラ+etcをおちょくる話

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第十三話

「………束さん、開けますよ?」

「大丈夫?トラップとかない?」

俺達は今、例の旧日本軍の工場の扉の前に居た。

「確かにそうですね、ちょっと待ってください」

俺はメティスサイトで工場内を見た、トラップは…たぶん無い。

「トラップはたぶんありません、橙を先行させますか?」

「ん~時間がないし橙ちゃんに悪いよ」

「了解、この鉄の扉は錆び付いてるので破壊します、後で魔法でなんとかするので心配はありませんよ」

さてどうやって破壊しようかな?ドアに高周波ブレード掛けるか、圧切で破るか…高周波ブレードでいいか。

「束さん、ドアに高周波ブレードを掛けて錆びと蝶番を外すので耳を塞いで下さい」

「わかった」

よし塞いだな…

高周波ブレード、キャスト。

キュイィィィィィィィィン

と耳障りな音がして扉が振動し初めた

扉の回りに障壁を張ったので扉が沈むことはない。

パキィィン…

という音がした、蝶番はずれたかな?

「いっくん…まだかい?」

かなりキテるようだ。

「たぶん、外れました」

よし、じゃぁ後は移動魔法で…

ズズズズズ…

よし開いたな。

「束さん入りましょう」

「あ、灯り忘れちゃったよ」

「魔法でなんとかしますよ」

「ルーモス?」

「そんなものじゃなくて光を屈折させて照らすんです」

「ふぅ~ん便利だね」

「魔法は万能じゃぁありませんよ」

「俺が先に入ります」

ファランクス、キャスト。

「バリアーかい?」

「ええ、ファランクス、究極の障壁魔法とも言われています。
防御という観点では他にも肉体不壊化魔法ジークフリート等もありますが、今はファランクスの方がいいでしょう。
ジークフリートは体力を大きく消耗するので」

「そうかい」

緩い坂になっている通路を下へ下へと歩いていると不意に大きな空間に出た。

「お、おお!すごい!すごいよいっくん!」

「これは、また……凄いものを見つけたなぁ」

目の前には戦闘機があった。

かの有名な、日本人であれば誰もが一度は聞いたことがあるであろう戦闘機。


三菱重工業、零式艦上戦闘機
通称『零戦』

やはりここは旧日本軍の施設だったようだ。

部屋は百メートル四方で高さ四十メートル、六面を鉄筋コンクリートで補強されており下に同様の空間が三つその下に……地底湖?の五階層だ。

しかも地底湖以外の四階層はエレベーターらしきシャフトを中心に螺旋階段のように配置され崩れ落ちるのを防いでいる。

隠し工場にしてはかなり大がかりな方、というか通常の工場でも此処まではしない。

いや、できない、明らかにオーバーテクノロジーじみている。

さらに他にも多くの戦闘機があった。

紫電、紫電改、烈風、一式戦闘機、雷電、疾風などの旧日本軍の戦闘機を初め何故かF-2やらF-15Jイーグル、F-3等があった。

どういう事だ?此処は旧日本軍の施設じゃないのか?

何故いまの自衛隊の機体が在るんだ?

しかもF-3に至っては最新鋭機だぞ?

そんな事を考えていると束さんがいなかった。

「おお~い!いっくん!事務室見つけたから来て~!」

事務室か、何か判るかもな。

「今いきまぁーす!」
















事務室

「いっくん、見て見て!戦闘機とかの設計図だよこれ!」

束さんが渡してきたファイルには確かに戦闘機の設計図だった。

「あ!こっちは戦艦だよ!」

と言って渡されたファイルは戦艦の図面だった。

まぁそれはいい、だが問題はそのファイルのタイトルだった。

ファイルNo_XX戦艦アイオワ

………は?ますます解らないこの施設はなんなんだ?

思考を巡らせる俺とはうってかわって束さんはファイルを引っ張り出していた。

「いっくん!これ!見て!」

次に束さんに渡されたファイルのタイトルは…
【兵器研究報告書その十】

内容は連合国と枢軸国の兵器を比べ、更に枢軸国側の兵器の改良点と連合国側兵器の欠点を纏めた物だった。

「いっくん手記があったよ」

「なんて書いてあります?」

「この手記から判るのは…ええ!?嘘でしょ!」

かなり驚いた様子だ。

「どうしたの?」

「ええっとね、この手帳は私のお爺ちゃんの物らしいんだ」

「は?」

「この施設は第二次世界大戦以前からある施設で主に兵器の研究をしていたらしいんだ。
そして世界大戦以降も旧日本軍残党が研究を続けてたみたい。
そしてこの施設の最後の管理者が…私のお爺ちゃんだったみたい」

何?旧日本軍残党だと?

「お爺ちゃんが亡くなられたのはいつ?」

「えっと、五年前」

「その手帳の最後の日付は?」

「……………五年前」

「死因は?」

「えっと、確か、急性心筋梗塞」

つまり五年前、束さんのお爺ちゃんが死の間際まで此所を管理してたのか。

「どうするの?束さん?」

「どうもしないよ。それに五年前までここに来てたなら機材を使えるかもしれないじゃないか!」

「わかった。まずはこの施設の探索…と言いたいが一応ここである程度情報を集めてからにしようか」

「何故だい?いっくん」

「生物兵器、細菌兵器があったら不味いでしょう?」

「ああ、確かに。もしあったら?」

「ムスペルヘイムを使います」

「魔法?」

「ええ、気体を強制的にプラズマ化して高熱を作り出す魔法です」

ヒャッハァ!汚物は消毒だぁぁ!!!

「その時はお願いね」

「ええ、任せて下さい」

そのあと俺達は手帳を調べ、ファイルを調べ、ここで一切NBC兵器を研究していないと確信が持てたので地下に行くことにした。

地下へは階段とエレベーターと大型エレベーターがあったが、後ろ二つは電源がなく使えないと判断し階段で降りる事にした。

階段は入り口の向かい側にあり戦闘機の合間を百メートル進んだ所にあった。

途中でF-35AやらMQ-1プレデター等の最新機があって少しビビった。













地下二階

…………………なんでさ。

「なんでここにメーヴェが在るんだよ!?」

メーヴェ、この名前だと解らない人が九割以上、というか『コレ』の正式名称知ってる奴なんて1%にも満たないかもしれない。

なんせ劇中で一回しか名称が出てこないのだ。

「メーヴェ?」

「ああ、コレの正式名称はメーヴェ。
束さんは見たことない?」

メーヴェ、解りやすく言うと【『風の谷のナウシカ』でナウシカが乗ってた『アレ』】である。

さて皆さん、もうお分かりだろう。
俺の目の前にある物体がどんな形をしているのか!

手摺のついたエンジンブロック!
そこから左右に伸びるグライダーのような一対の翼!

それが目の前に翼を折り畳んだ状態で階段横に百均のラックみたいな格納庫に縦に五機、それが六列、合計三十機…なんでやねん。

「風の谷のナウシカが乗ってるやつだよ」

「うーん…あんまり覚えてないなぁ…。
どうやって使うの?」

「エンジンブロックの上に乗る、それだけ」

「は?パイロット剥き出しだよ?」

「コレはそういう物なんだよ」

お、近くに資料が置いてある、なになに…

〔試作動力空挺機【雪華】〕

しさくどうりょくくうていき………せっか…でいいのか?

〔開発目的フィリピン進攻用、技術提供ナチスドイツ〕

なるほどなるほど、ナチスの変態兵器か…

〔しかし軍上層部が進攻を早めたため、生産間に合わず〕

うん、よかった、子供達の夢が人殺しに使われなくて。

まぁ、時系列的に言えば、雪華を知っていた誰かがメーヴェのデザインに関与したか、まったくの偶然だろうけどな。

階段横のメーヴェに気をとられたが地下二階は開発エリアみたいだ、機材がたくさんある。

「束さん、機材のチェックは後回しだよ」

目を輝かせる束さんに注意する

「はぁーい」

「降りるよ」





















地下三階

「ここも開発エリアか?」

「そうみたいだね」

地下三階は二階とあまり変わらなかった、メーヴェみたいな変態兵器も置いてない。

「つまんないの」

それを言っちゃぁいけない。

「降りましょうか」

「そだね、いっくん」























地下四階

………………はぁ

地下四階は戦車が置いてあった、それはいい、だがその中に異彩を放つ物があった。

こう言った俺は悪くない。

「いい加減にしろや旧軍の変態共がァァァァァァァァァァァ!!」

「うわっ!どうしたんだよいっくん!?」

「束さんにはアレが見えないんですか!」

そう言って俺はある戦車を指差した。

「おお~おっきい戦車だねぇ、アレがどうかしたのかい?」

まぁ、普通しらんわな。

「あのデカイ戦車の名前はP1000。
コードネームはラーテ。
意味はドブネズミ。ナチスドイツが設計した超重戦車です。
陸上戦艦、ランドクルーザーとも呼ばれています。
重量は1000トン、全長35メートル、全幅14メートル、全高11メートル、装甲厚23センチ、主砲はシャルンホルスト級巡洋戦艦の主砲に使われていた280ミリ三連装砲。
車内に偵察用オートバイ2機、武器庫、パントリー、医務室、トイレまで完備するまさに陸上戦艦」

「へぇーかなり強かったんだね」

「強かった?ラーテが?アレは製作段階になって不可能とされた物ですよ」

ヒトラーはこんな物にGOサインをだしたらしい、アホだな。

「ならなんでここにあるの?」

「………どうせ旧軍の変態が何処から図面持ってきて造ったんでしょうね、一応アレは戦後の技術力であれば造れなくもない代物ですしね」

「あ、それで叫んでたんだ」

「まぁそういうことです」

「さて、最下層まで来たし、今日はもう帰ろうか?」

「何言ってんですか?地底湖までいきますよ」

「地底湖?そんなのあったっけ?」

「ええ、この施設の図面には在りませんでしたが、確かにこの下には地底湖が在ります、それにほら、階段はまだ続いています」

「ふぅ、疲れるなぁ、薄暗いし、いっくんは平気なの?」

「え?あ、あぁ、うん、平気だよ」

言えない、絶対に言えない、暗いのをいいことに飛行魔法使ってるなんて」

「へぇ、私に黙って自分だけ魔法使って楽してるんだ、へぇ」

「ますたー、バカじゃないの?」

「……………声、出てた?」

「出てたよ」

「出てた」

「あ、そうですか、て言うか橙、いつから居た?」

「ますたーが叫んだ辺りから」

「ああ、そう。じゃぁ橙は束さんを浮かせて」

「いっくん、誤魔化すの辞めようか~」

あ、目が笑ってない。

「まぁまぁ~お叱りは後で受けますので、さぁ行きましょう!」

よし!三十六計逃げるに如かず!

「逃げるないっくん!橙ちゃん!よろしく!」

「わかった」

フワッ

「おお~浮いた~」

「操作はわたしだけどね」

「いいよ!早く追って!」

「らじゃー」


























地底湖

…………なんの冗談だ?ありえない!

「やっと追い付いたよいっくん!……どうしたの?…………………船?」

嘘だ!ありえない!

「いっくん!いっくん!どうしたの?あの船は何?」

そうアレは船だ。

ただし、海中を進み、艦載機により米国沿岸部を火の海に変える責務を負いながら、完成が間に合わなかったあの艦は。

「イ号四〇〇型巡航潜水艦…!!」

アレはイ号四〇〇、イ号四〇一、イ号四〇二の三隻しか造られ………!

まさか!造ったのか!?今目の前にあるイ号四〇〇型は、『この施設で造られた』とでも言うのか!?

俺は目の前にあるイ号四〇〇型と思われる艦に近づき、そのまま飛び乗った。

「いっくん!待って!」

「ますたー!」

二人が追ってきた。

「ああ、ゴメン、束さん、橙、俺もさすがにコレを造れるほどとは思わなくってさ」

「この船はなんなの?さっき物凄く驚いてたけど」

「たぶん、イ号四〇〇型巡航潜水艦っていう潜水艦…と思うけど…本当にイ号四〇〇型かは解らない。
上にラーテがあったし、外側だけで中身は全くの別物かもしれない」

お?晴嵐(せいらん)のハッチに何か書いてある。

【イ号四〇〇型改〔初〕】

やはり外側だけで中身は旧軍の変態共がいろいろやってるようだ。

おそらく晴嵐も弄られているだろう。

「いっくん、『いよんひゃくがた、かい、しょ』でいいの?」

「たぶんそれであってるよ束さん」

「ねーねー束ーますたー」

「なんだ?橙?」

「どうしたの?橙ちゃん?」

「帰らなくていいの?お昼ご飯は?」

「………………」

「………………」

「束さん、時計、ある?今何時?」

「一大事」

「真面目に」

「二時半」

「………………」

「………………」

「………………」

「………………」

「姉さんに殺される!」

「ちーちゃんに殺される!」

「千冬に言ったらどうなるかな?」

「「やめてください!死んでしまいます!」」

「二人とも早く帰りなよ」

「急ぐよ束さん!」

「わかったいっくん!」

「橙!束さんを頼む!」

「わかった」

え~と大型エレベーターは…よし!ここにある!

「束さん!橙!シャフト突っ切るよ!」

「え?」

「わかった!」

俺は大型エレベーターの上まで飛んだ、そしてボタンを押すことなくそのまま上へ飛んだ。

後ろから橙と束さんが来ている。

「きゃあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」

後ろから束さんの悲鳴が…後で怒られるかな?

まぁ、一部屋40×4メートルと床(天井)の厚さに地底湖の80メートルの計240メートル以上をハイスピードで垂直上昇だからな。

よしっ!出た!

「きゃあぁぁぁぁ!………やっと終わった…」

束さんも追い付いたな、じゃぁ…

「束さん!まだ終わってない!このまま行くよ!」

「え、ちょっと、休ませt……あぁぁぁぁぁ!」

「姉さんに殺されるよりマシでしょ!」

戦闘機の間を突っ切る!

「ひゃぁぁぁぁぁぁ~!コレ怖い!コレ怖いぃ!」

そら、相対的に戦闘機が迫ってくるように感じるもんな。

よしっ!施設側のゲートについた!

「橙!束さんにオプチカルカモ!」

「了解!ますたー!」

橙もノリノリだ。

「あと遮音フィールド!このまま通路を出て境内まで!俺はドアを戻す!」

「え!?何?何を言ってるの?!あ!いっくんが消えた!?どこ?いっくn…私の体がきえてくぅぅ!」

初めの通路を………出た!

俺はすぐに通路の直線上から逸れた、後ろから束さんと橙が出てそのまま隣の山の篠ノ之神社の境内へ一直線、慣性制御はされてるから平気なはず。

「さぁて、ドアを戻しますか、」

<イデアへ接続>

<エイドス閲覧>

<エイドス・データ、リード>

<魔法式ロード>

<キャスト>

ズズズズズとさっきとは逆再生のようにドアがゲートに嵌まった。

よし、終了、だめ押しに硬化魔法を掛けて~完成!

急がないと!たぶん地底湖から五分も経ったないと思うけど…

俺は再び飛び立ち神社の境内へ向かった。





着いた!束さん達は…居た、廻りに人は…居ない、メティスサイトで確認したから絶対だ。

「橙、もういいぞ」

スウゥッと束さんが空気から溶け出た。

「はぁ…はぁ…怖かった…怖かったよいっくぅん!」

と大声で泣きながら抱き付いてきた。

遮音フィールド、キャスト…

「はいはい、ごめんね束さん」

と頭を撫でていると落ち着いてきたようだ。

「う~」

ぷふっカリスマブレイク……

「にゃにわらってるの!?なにわらってるの!?」

「ゴメン、ゴメン」

「むぅ~」

「じゃぁ……帰ろうか……」

「………ああ………うん………」

遮音フィールド、ディキャスト。

この後俺達は姉さんにめちゃくちゃ怒られた、正座で。

『隣の山に探検に行ってきた』と言い訳した、間違ったことは一つも言ってない。

説教が終っても一時間ぐらい正座させられた。

さて、またあそこに行って機材の確認しなきゃいけないなぁ。

ああ!箒!足をツンツンするんじゃない!

ああ!箒ちゃん!足をつつかないで!

「「あああああああぁぁぁぁぁぁぁ!!!」」 
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