リアルバウトハイスクールD×D
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第四話『あつまれ! オカルト研究部』
前書き
遅くなってすんまそん。
ところで第二話で表記した黒歌の種族
『猫丞』の〝しょう〟の漢字ですが、執筆投稿の時点では検索をしても
『ク丞』のようなものしか発見できず変換もできないので、同じ読み方ができる旁の
『丞』で代用していました。
最近、再び検索してみると本当は『鬼』と『肖』の合体漢字で
『鬼肖』という風になるらしいですが此方も一つの漢字として変換できません。
もはや面倒なので、この作中では
『猫丞』の表記のままで進行します!
今回は(も)黒歌は出ませんが。
室内に置かれたテーブルを正面にグレモリー先輩が仁王立ちで居り、先輩から見てテーブルの左側のソファーに小猫ちゃんと木場が座り、右側のソファーに俺が座っている。姫島先輩は動いてお茶の用意をし、紅茶を淹れたカップをテーブルの上に乗せていく。
俺は目の前に置かれたカップを手に取り、紅茶に口をつける。
「──美味し!」
「うふふ、ありがとうございます」
姫島先輩と和やかに会話をしていると、ふとグレモリー先輩の背後に置いてある木製の机が視界に入った。グレモリー先輩はこの部屋に一人で居る時に、あの机の上で胡座をかいてカップアイスを食べてたりするんだろうか?
せっかく黒髪ポニーテールの人も居る事だし、サンマの缶詰でもあげたら小猫ちゃんも髪を伸ばしてツインテールにして右目に眼帯もかけてくれるかな?
「──それじゃあ本題に入りましょうか。兵藤君、単刀直入に言うけど──私達は〝悪魔〟よ」
「な、なんだってー(迫真)! それは本当かいキバユウ君!」
「それって僕の事かな!? とりあえず答えるけど本当だよ!」
「まさか皆が〝最も野生に近い妖魔〟だったとは」
「……それは〝鬼熊〟です」
〈鬼熊〉──年を経た熊が妖魔化したとされており、軽く触れただけで動物をも吹き飛ばす剛力と、家畜を丸ごと貪り喰らう獰猛さから人々に恐れられている。(※『ヤマトクロニクル 覚醒』の武将カードテキストより一部抜粋。因みにカードの絵柄はアイヌ民族衣装を着た女の子)
要するに野獣(熊)の闘争本能を持った妖魔である。
(※BGM【灼熱の怒り】)
──『熊の怒りを越え、鬼の憎しみを越え、さあ、妖魔の戦士として再生せよ! 超獣鬼妖オニクマとして再生せよ!』
“O・N・I・K・U・M・A”
右足……グリ(熊っ子、三女)
左足……アトラ(熊っ子、四女)
胴体……ミキ(熊っ子、次女)
頭部……ツキノ(熊っ子、長女)
背中……マレー(熊っ子、末女)
〈熊っ子〉──鬼熊(母親)の娘で、幼魔ちゃん五姉妹(※変形・合体はしません)。姉妹全員が鬼熊の闘争本能を受け継いだ〝拳闘家〟で、山の動物達との対戦格闘試合『山の動物頂上決戦』では姉妹で常に上位をキープしている。
因みに幼魔ちゃんとは妖怪集団の子供達の事で、身長と体型は某・魔法先生の生徒の一人の半妖剣士の扱う〝ちび式紙〟と同じくらい(※一部例外あり)。
──閑話休題。
コイツの武器はやっぱり〝拳〟だな。
≪お前は何を想像しているんだ……≫
おっと。
ドライグの声で意識をちょっとした妄想から現実に戻した。(この間、0.02秒)
「──鬼でも熊でもなくて、私達は〝悪魔〟よ! あ・く・ま!」
「ちゃんと分かってますって、グレムリン先輩」
「グレモリーよ!」
背中に悪魔の羽を広げて憤慨するグレモリー先輩を、同じく背中に悪魔の羽を広げて、あらあら、まあまあ、どーどー、と宥める三人衆。
「──それで、昨日の〝堕天使〟との事を訊かせてもらえるかしら?」
仕切り直して話を進めるグレモリー先輩。既に皆、悪魔の羽を消している。
「簡単に言うと俺は〝神器所有者〟でして、それで危険視されて襲われていたんですよ」
「成る程ね」
「〈堕天使〉の名前は〝レイナーレ〟。彼女は人間を装って『天野夕麻』という名前を使って俺に告白して来まして、付き合いはじめたんですが──あ、その時の彼女の写真もケータイで撮ってありますよ」
「その写真って、もう消えているんじゃないかしら?」
「え? ちょっと失礼」
俺は制服のポケットからケータイを取り出して操作する。データを確認すると写真やアドレスなど〝天野夕麻に関する情報のみ〟が綺麗さっぱり消えていた。
「ホントだ」
「やっぱり」
呆れた風に言うグレモリー先輩。
昨夜から今までケータイを開いてなかったからな~。
「俺が見た彼女……あれも幻だったのか……。いいや、彼女は確かに居た。そうだ……俺は彼女の話をかくことさえできる。……そして俺は最初のページを始める。──夕麻、おまえに。俺のはるかなるお前に、そしてその天野の一族によせて──と」
「長いわよ! あと、強引にネタに走らないでもらえるかしら!?」
善処する。
「まあ、要するにレイナーレが〝神秘力〟で情報を消し去った──と」
「〝神秘力〟って……その通りなんだけど……」
じゃあ〝神通力〟か? 西洋系には似合わない言葉だ。
≪〝神秘力〟が西洋系だとも思えん≫
「──他にも、その彼女の事は知り合いの記憶からも消えているでしょうね」
≪なあ、ドライグ。彼女の事は一般人には教えてなかったし、曹操や黒歌らは普通に覚えたまんまだし、ケータイは解約すれば済む事なんだから〝力〟の無駄使いなんじゃないか?≫
≪いや、昨日の相棒のデート姿を偶然目にしたクラスメートとか居たかも知れないだろう?≫
≪あ、そうか≫
「──それで肝心のあなたの〈神器〉の事だけど、良ければ教えてもらえる?」
「見せた方が早いな……」
俺はソファーから立ち上がって、テーブルを間に挟んでグレモリー先輩の向かい側に移動し、天井に向けて左腕を伸ばし手の平を広げる。
「〈赤龍帝の籠手〉──セットアップ!」
『──“Stand-by ready,set up!”』
俺の呼び声に応え、俺の左腕に──手の甲部分に緑色の宝玉がはめ込まれた龍の腕を象った機械的な赤い籠手が顕現して装着される。
「これが俺の〝神器〟──〈赤龍帝の籠手〉だ!」
俺は籠手を装着した左腕を胸の高さに下ろした。
「〝赤龍帝の籠手〟って……〝神滅具〟じゃない!?」
大声を上げて驚くグレモリー先輩。他の三人もそれぞれ驚いた表情で籠手を見つめている。
それはそうと〝神器は所有者の想いに応える〟というが、よく俺のネタに合わせてくれた。
≪こんな軽いモノじゃない筈なんだがな……≫
「ついでだ、ドライグも挨拶しとけよ」
『──良いだろう。俺が〝赤き龍〟ドライグだ』
籠手から聞こえたドライグの声に、更に皆が驚いた。
「この〈赤龍帝の籠手〉の基本能力は〝十秒毎の倍加〟で、〈倍加〉した力を〈譲渡〉する事もできる。例えば、お菓子の大きさをドンドン倍にしていって〝お菓子の家〟のように──」
『──というのは相棒の冗談だ。〈倍加〉は〝力〟に作用するものだからな』
「小猫ちゃん、期待させて悪かった」
「……知りません」
いや、冗談の部分で物欲しそうにこっちを見つめてたし。
「まあ、これで今回の事情は飲み込んでもらえましたか?」
「そうね。ところで兵藤君、あなた──〝悪魔〟になってみない?」
と、グレモリー先輩が曰ってきた。
「それは先輩の〝眷属〟への勧誘ですか?」
「ええ、そうよ。理解が早いわね」
「確か、〈悪魔〉には○○年の歴史があって講師陣も超一流。テキストもバインダー式でとっても使いやすい……」
「それはペン習字よ!?」
「あの広告漫画の6代目主人公は日ポン語ラップのヘッズ……ユノンセーン?」
『WHAT DA FUCK?(何言ってんだお前?)』
「……あれは似て非なるものだと思います」
「話を続けて良いかしら?」
「どうぞどうぞ」
ガソリンをぶっかけて火を着けそうな雰囲気だったぜ。
グレモリー先輩は言葉を続けて、寿命の延長や身体能力向上や地位次第での権力など〝悪魔転生〟のメリットを挙げていくが──正直、俺にとっては〝既に持っているもの〟だらけなんだよな。
老化予防や身体能力は〈神威の拳〉で賄えるし、これでも俺は〈大蜀王家〉の直系だ。現在本国は現党首(母さん)不在で家臣団が運営を代行しており、俺が次期として赴けば直ぐ党首に祭り上げられて権力が手に入る。面倒だから行かないけど。
「んで、デメリットは〈光〉と他に〝聖水〟や〝十字架〟など〈悪魔祓い〉的なものに対して致命的に弱くなる──と」
「う、詳しいわね……?」
「その辺りの事はドライグからも訊いているので」
『ああ、相棒にはその辺りの事は既に伝えてあるな』
「そ、そうだったの……」
「まあ、今のところ俺にその気は無いって事で一つ」
「はぁ……残念だけど仕方ないわね」
「御期待に沿えず申し訳ない」
「気にしないで。でも悪いけど、〈神器〉──それも〈神滅具〉を宿すあなたを野放しにしておけないし、一応監視という名目でこの〈オカルト研究部〉に入部してもらうわ」
「オーケー」
「あっさり承諾するわね……」
だって断ってもこっそり監視されるだろうし。
「──という訳で、新入部員の兵藤一誠です。人間ですがよろしく。イッセーと呼んでください。但し木場、てめーは駄目だ!」
「なんでさ!?」
お前にそう呼ばれた日には薄い本が分厚くなるわ!
「じゃあ、こちらも改めて紹介するわね。先ずは祐斗」
「僕は木場祐斗。兵藤一誠君と同じ二年生……って分かってるよね? えーと、〈悪魔〉です。よろしく」
「……一年生、塔城小猫です。イッセー先輩、よろしくお願いします。……〈悪魔〉です」
「三年生の姫島朱乃ですわ。一応研究部の副部長も兼任しております。今後もよろしくお願いします、イッセー君。これでも〈悪魔〉ですわ、うふふ」
「そして私が彼らの〝主〟であり、〈悪魔〉でもあるグレモリー家のリアス=グレモリーよ。家の爵位は〝公爵〟、よろしくねイッセー」
──と、そんな訳で俺は〈オカルト研究部〉に入部したのであった。
後書き
何人がネタに着いて来れたのやら。
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