ドリトル先生と奈良の三山
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第一幕その七
「長い間ね」
「白いお米だったんですね」
「それだけだったんだよ」
「そのことも面白いですね」
「全くだよ、それに今は精米だね」
「精白した」
「玄米がね」
こちらのお米がというのです。
「昔は主流だったしね」
「ああ、そうでしたね」
トミーはこのことも知っていて頷くのでした。
「鎌倉時代なんかも」
「当時の武士達は玄米を主食にしていたんだ」
「固いあのお米をですね」
「これでもかとお椀に山盛りにして」
「食べていましたね」
「そうだったんだ」
先生は鎌倉武士のこともお話しました。
「当時はね」
「そうでしたね」
「それが白米になったのはね」
「江戸時代以降ですね」
「昔から白米もあったけれど」
その精白したお米がというのです。
「あくまで主流は玄米だったんだ」
「奈良時代もですね」
「そうだよ」
「その辺りも面白いですね」
「今はお米イコール白米だね」
またトミーに言いました。
「実際に」
「精白された」
「そこが違うんだ」
「その辺りも面白いですね」
「そうだね、じゃあね」
「そうしたお米もですね」
「楽しんでくるし」
食べてというのです。
「他の食べものもね」
「楽しんで行かれるんですね」
「そう考えているよ、蘇も食べるし」
「昔の乳製品ですね」
「昔はあったんだ」
日本にもというのです。
「チーズ已然にね」
「というか蘇はチーズですね」
「伝わっているのを見るとね」
その限りではというのです。
「チーズだよ」
「材料も同じ牛乳ですし」
「そうですね」
「そう、どうやら味もね」
「チーズですか」
「そうらしいよ」
「じゃあそのチーズを」
昔の日本のです」
「食べて」
「やっぱり楽しんでくるよ」
「何といいますか」
ここでこうも言ったトミーでした。
「僕達がイメージしている和食は江戸時代のものですね」
「そうなんだ、実際にね」
「やっぱりそうですか」
「うん、奈良時代の日本の料理はね」
「また別ものですか」
「鱧とかもないしね」
お魚ならです。
「そうしたお魚も」
「ああ、こっちじゃ夏に食べる」
「あの細長くて鋭い歯のお魚もね」
「当時は食べていなかったんですか」
「鰻は食べていたみたいだけれどね」
こちらのお魚はというのです。
「万葉集にも詠われていて」
「それでも鱧はですか」
「食べていなかったみたいだよ」
こうしたお魚はというのです。
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